授業カリキュラム(指導者・中高生有志向け)

本教育プログラム専門委員:近畿大学生物理工学部 遺伝子工学科 分子遺伝学研究室 「宮下知幸」元教授からコンテストご参加検討・希望の学校教諭並びに生徒諸君のため特別に最新カリキュラムをご執筆頂けました。真珠の不思議世界、本教育プログラムの基盤です。

授業カリキュラムについて

イン・ビボ(生体内)で実際におきている分子レベル真珠層形成のメカニズムに関する研究成果(資料「授業1」)、ならびにイン・ビトロ(生体外)でのより単純化した系での模擬的真珠層形成反応具体スキーム作出例(資料「授業2」)を掲載します。



授業1:総説 「真珠層の形成機構」

「真珠層の形成機構とその過程に関与するタンパク質群、それらの機能と遺伝子」について最新の研究内容が奇術されています。

すなわち、真珠貝の中、真珠層が分子レベルでどのように制御されつつ造られていくのか、最新研究から明らかとなった内容、並びに依然として不確定ながらこれまでの知見から推定された内容を含め、順に従って各段階からなる全体像が概観されます。


生体内で起きる化学的反応は多くの場合大変複雑に絡み合い、またその構成因子の種類、量、微小領域に局在化した特定濃度、時間経過と共に変化する過程など、それらすべてを短兵急に把握理解しようと試みても実際はしばしば困難を伴います。

そこで人工的な反応場を生体外に設定した上で、その反応の骨子となる要素を限定的に規定して観察する、すなわち系をより単純化した状態で模擬的に評価する手法も多用されるところです。

本プログラム専門委員の研究者らは生体内の真珠層形成のメカニズムに迫るため、一つの手段として生体外にその反応環境を作り、系をより単純化して、しかしながらその結晶化を司る反応骨子は維持再現できる実験系を作られることにまた苦心されてきました。

2つの実験系を比較されれば、研究者がどのように真理に向かってアプローチすることを試みるのか、しばしばイン・ビボとイン・ビトロの系を用いて進められる科学研究の一手法から、科学的な物の見方、考え方の一端もまた学べると考えます。

・参考:用語集
・専門委員のプロフィール