ISEB学生派遣プログラム
【1999年度】第50回 IAF大会
※ 2005年のISEB設立以前はJAXAおよび他機関との協力事業として実施
※ 2004年度以前の実績は派遣当時の参加者報告を原文のまま参考掲載しています。なお使用している写真・文章は、提供者本人の許可を得て掲載しています。
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後列左より 山本・宇野・宮原・二川・宮崎・松田・鈴木
中列左より 兼清・松島・村井・宮地・平川・山方
前列左より 伊藤・浦田・松岡・駄本・廣瀬・賀川・仁尾
派遣期間 | 平成11年10月3日(日)~10月10日(日) |
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派遣先 | 第50回IAF大会(オランダ王国アムステルダム市 RAI国際会議場他) |
主なスケジュール
日付 | 内容 |
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10月3日(日) | 出発→夕食会 |
4日(月) | 大会出席→Welcome Reception出席 |
5日(火) | 大会出席→ESA Student Forum at the Bar参加 |
6日(水) | 大会出席→ESTECツアー→50回大会記念パーティ出席 |
7日(木) | 大会出席→ESA Outreach Student Party出席 |
8日(金) | 大会出席→Farewell Dinner |
9日(土)~10日(日) | 帰国 |
参加者の声「第50回IAF大会に参加して」
※ 下記執筆者の所属等についてはIAF大会参加時(平成11年10月現在)のものです。
[その1] 宮崎 悟さん(名古屋大学大学院)
最初IAF大会への参加が決まったとき、その使命、責任の大きさに戸惑ったこともありました。また顔も性格も知らない学生20人同士が初めて出会ったとき、「この人達と、そして世界中の人達と上手くやっていけるかどうか?」「大会は楽しめるだろうか?」と多少の不安がありました。そのような不安は日が経つにつれ、すっかり消えて無くなり、最終日には別れがとても惜しく、すごく寂しい気分になったことを覚えています。
僕達20人は全員が「宇宙へ旅立ちたい!」という共通の絶対的な希望をもっており、そのために全員が1つになれたのかもしれません。このことは大会を通じて得られた、かけがえのない世界中の友人にも言えることです。宇宙は人と人、国と国、文化と文化が初めてわだかまりなく一致しあえる、そんな大きな可能性を秘めたものだと思います。このような国際大会がこれからもずっと開催され、宇宙を知り、そして世界と交流できるチャンスがもっと与えられると嬉しく思います。
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五代IAF会長(その1)
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五代IAF会長(その2)
[その2] 松島 輝昌さん(東京大学大学院)
私は、以前からNHKラジオの英会話講座を聴講していることもあり、初めての海外にもかかわらず、英語圏での生活に対して随分と楽観視していました。
しかし、その考えは海外到着1日目にして、うち砕かれました。
それは、見るからに人の良さそうな外国の方に話しかけたところ、向こうの言ってることは分からないし、自分の言おうとしていることも、言葉にならなく、その方に疎んじられたからです。
私は、1日にして"帰国したい症"に冒され、気分も沈み、消極的になってしまいました。
そんな時、私を同じツアーに参加している皆(Yさん、Uさん、etc.)が、助け励ましてくれて、IAFの最終日になって、ようやくドイツの学生と友達になることができ、もっと居たいと思えるまでになりました。
多分、1人で海外に来たならば、今研修ほど早く(まだまだですが)言葉の壁や、そして特に(英会話に物怖じすると言う)自分自身の壁を突破できなかったことでしょう。
私は、今研修に参加することが出来て非常に嬉しく思っています。と同時に今研修で知り合えた仲間に非常に感謝しています。
一週間足らずの短いけれど、中身の濃かった生活は、今までの私の生涯の中で、最高に意味のある一時でした。この場を借りて、みなさん、どうもありがとうございました。
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展示ブース(その1)
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展示ブース(その2)
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デルフト大ボランティアスタッフ
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展示ブース前にて
[その3] 駄本 理一郎さん(東京工業大学大学院)
私は、大学で惑星探査ロボットの研究をしていることもあり、宇宙開発には以前から大きな関心を持っていました。そのため、NASDAのホームページでIAF'99の学生参加者の募集記事を見た時には、「これこそ今の自分に必要な研修だ、参加してみたい!」という強い衝動にかられ、すぐに英語論文の作成に取り掛かったものでした。
私と同じくIAF'99に参加した日本人学生達は、様々な専攻の学問を修めており、オランダへ向かう道のりでの彼らとの会話は大変興味深く、有意義なものでした。
IAF大会会場では、向井千秋博士をはじめとする世界各国の宇宙飛行士と直に会話する機会に恵まれ、彼らの宇宙的視野の広さと崇高さに深く感銘を受けました。
また、会場での様々な研究発表や、欧州の宇宙機関の見学を通して、自分の興味のある学問の最先端の情報を手に入れることができ、それをまとめたものを、帰国後に研究室のゼミで発表したところ、大変好評でした。
IAF大会50回記念パーティーの会場で、ある海外の大学教授が学生に向かって話された次の言葉がとても印象的でした。「人類がこれから宇宙に進出していくためには、必ず、何らかのブレークスルーが必要です。そのブレークスルーを社会にもたらしてくれる人材を育てるために、あなた達をこのIAF大会に招待したのです。」この言葉に私は使命感を大きく奮い立たせられました。それを聞いていた海外の学生達も真顔でうなずいており、負けていられないな、と思いました。
会場で知り合った世界中の学生とは、名刺やメールアドレスを交換し、帰国後も頻繁にメールをやり取りして、写真などを交換しています。また、IAF'99に参加した日本人学生達とも緊密に連絡を取り合い、これまでに何度も会合を開きました。これらは、必ずや将来の活動に役立つネットワークとなることでしょう。
IAF2000に参加される皆さんには、IAF大会での経験をもとに、あなた方の視野と未来の可能性とを大きく切り開かれることを願ってやみません。
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サンドイッチが主食?
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ヨーロッパの学生と討議
ESAからは440名の学生が参加
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