宇宙を活用した教育実践例

月と太陽(金環日食)

神奈川県・横浜市立永谷小学校(1)

  • 小学生
  • 学校教育

概要

神奈川県・横浜市立永谷小学校(1)
小学6年生
82名
2012年5月1日~
理科
「月と太陽」
※本来は9月ごろに予定されている単元ではあるが、5月21日の金環日食に合わせ、現在学習している。
・惑星モビールを作ろう(JAXA宇宙教育センター)
・金環日食を観察しよう(JAXA宇宙教育センター)
・人工衛星「かぐや」の撮影した月面映像DVD
・導入として
・発展として
 単元では、月と太陽の位置関係による月の満ち欠けや、月と太陽の表面の様子のみを学習することになっている。
 しかし、近年の「はやぶさ」の活躍などで子どもの宇宙に対する興味・関心も高くなっており、そのため「月」に限定して入るのではなく、太陽系という大きな切り口から絞り込んでいくことで、月・太陽・地球の関係性を大きな視点でとらえられ、公転や星の間の位置関係をも把握しやすいと考えた。その導入として惑星モビールは大変有効であり、楽しみながら太陽系の惑星に親しんだり、自然と惑星の違いや大きさなどにも関心を向けさせることができた。理科にとどまらず、総合の学習にも発展している。
 また、173年ぶりの天体ショーということで、金環日食は本市でも話題となっているが、単元の順番に捉われ過ぎず、5月の単元とすることで、金環日食に関するピンホールの教材なども取り入れられ、太陽と月の関係に自然と着目させることができると思われる。太陽と月の関係が日頃の月の満ち欠けだけでなく、日食や月食(正しくは地球と月であるが)も同様の理由であることを推論させる上でも、同事象を同時に扱うのは大変有効であると考えた。
※ページ下に指導計画掲載。
 「星」という大きなテーマを教科書だけで見て扱うことで、関心を高めることはなかなか困難だと思うが、作業も伴った体験によって、子どもたちは大きな関心を持っていた。特に、天王星や海王星が青白く見えることについて、地球と同様に「海」であると考えた子も少なくなかったようであるが、そうしたことから他分野・単元である地球の大気や生物の環境にもつながりをもつことができており、理科全体に対する関心も高まったようであった。
 惑星モビールの発想を基に、太陽系の諸惑星を太陽を直径1mとして、粘土で作成させたところ、地球と月のあまりの小ささに驚きを隠せなかったようであり、他の惑星もその後作ったことで、岩石惑星とガス惑星の違いなどについても着目した子どもがいた。改めて「宇宙」というテーマのもつ可能性の大きさ、子どもが抱く不思議や魅力について実感した。
 金環日食に関する活動については、後日実施する予定である。

授業・活動後の先生のご感想、ご要望など

  •  子どもたちの「なぜ?」「○○だからじゃない?」という声が非常に多く聞かれる内容となった。金環日食をただ見学し、不思議さを実感するのもよいが、知的好奇心の高い年代の子どもたちが、その現象を自分の言葉で説明できることは大変重要であると感じている。今回の体験がその後の探究的な学びへと結びついていくことを期待したい。
     今回活用した二つのJAXAの教材は教育センターのHPから簡単にダウンロードでき、有用であると感じたが、国立天文台などのHPの案内は情報として学校現場にはまわってくるが、JAXAのものはまわってきていないようであった。こうした子ども向けの指導に密着した内容があることを多くの同僚教員が知ることができると、授業展開に幅が広がり良いと思う。今後も積極的に発信していただければと思う。

授業の様子

授業の様子1
段ボールを使ったピンホール投影機での観察の様子
授業の様子2
投影機でうつされた様子
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