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2010年度 第61回IACプラハ大会

2010年度 第61回IACプラハ大会 集合写真1
2010年度 第61回IACプラハ大会 集合写真2
派遣期間
平成22年9月25日(土)~10月2日(土)
派遣先
チェコ共和国 プラハ市(PCC:プラハコンベンションセンター)他

主なスケジュール

日付
内容
26日(日)
ISEB学生プログラムオリエンテーション・Session with ISEB Heads of Education, Ice Breaking Activity, Space Bodies Lunch・JAXA派遣学生ブリーフィングへの出席
27日(月)
Opening CeremonyQ&A Session with HoA/Senior Representative and Students ・IAC2010プログラム(テクニカルセッション・プレナリーセッション・ハイライトレクチャー)・Welcome Reception等への出席
28日(火)
IAC2010プログラム(テクニカルセッション・プレナリーセッション・ハイライトレクチャー)等・ISEBランチイベント(NASA Day:レクチャーなど)等への出席
29日(水)
IAC2010プログラム(レイトブレーキングニュース・テクニカルセッション・プレナリーセッション・ハイライトレクチャー)および ISEBランチイベント(JAXA Day: 学生発表・吉川真先生の講演)等へ出席
30日(木)
IAC2010プログラム(レイトブレーキングニュース・テクニカルセッション・プレナリーセッション)、ISEBランチイベント(CSA Day:レクチャーなど)、IISL模擬裁判決勝への出席およびJAXA学生主導によるプラハ日本人学校出前授業実施等へ出席
1日(金)
IAC2010プログラム(レイトブレーキングニュース・テクニカルセッション・プレナリーセッション・ハイライトレクチャー)およびISEBランチイベント(ESA Day:レクチャーなど)・クロージング・セレモニー等へ出席

IAC(International Astronautical Conference)国際宇宙会議について

IACはInternational Astronautical Federation (IAF:国際宇宙航行連盟)、International Academy of Astronautics (IAA: 国際宇宙航行学会)及びInternational Institute of Space Law (IISL: 国際宇宙法学会)が主催している国際宇宙会議です。この国際宇宙会議では、各宇宙機関長の講演、本会議、レクチャー、各分野に亘る最先端の情報を仕入れることのできる会議、研究発表、イベントなどがあり、各国の宇宙機関長並びに幹部、学者、研究者、企業、若手研究者、学生などが参加する世界最大の宇宙会議です。1949年に第1回国際宇宙会議を開催し、今年2011年は第62回目の会議となります。本ウェブサイトにおいては、本派遣プログラムに参加された学生の皆さんの感想を交え、これらの活動について報告をさせていただきます。

※ 本ウェブサイトにおける執筆者の所属大学・学年等についてはIAC2010プラハ大会参加当時(平成22年10月現在)のものです。
IAC2010会場(PCC)外観
IAC2010会場(PCC)外観
IAC Pleanary会場の様子
IAC Pleanary会場の様子
テクニカルプレゼンテーションで発表をするJAXA派遣学生
テクニカルプレゼンテーションで発表をするJAXA派遣学生 総合研究大学院大学 久本さん

東京大学教養学部
学士2年 堀田 想太郎

IACの会場において感じたことをここに挙げ尽くすことはできないが、最も強く印象に残ったことをひとつ挙げておくと、それは人々の宇宙に関するあつい気持ちであろう。
IACには非常に多くの人が訪れていた。正確な人数は分からないものの南は南アフリカから北はロシアまで世界各国から研究者や実務家が訪れる。母語はもちろん人種も違う。英語が下手な人もいればネイティブの人もいる。しかしそのような定式的な違いはIACにおいては一切の意味を持たない。それはみな、宇宙が好きという共通の思念があるからである。彼らはこの思念でつながり、分かり合っていた。自分のやっていることを楽しげに話す姿を見ていると、たとえ何をやっているのかわからなかったとしてもあぁこの人は宇宙が好きなんだな、ということは伝わってくる。専門分野の方向性の違いはあれど、みな大きくは同じ方向を向いて、それに向かって一直線に走っている。この熱気がIACの会場を満たしていたように、私は感じた。そして私もなにか一直線に向かっていけるものを持ちたいというある種焦燥にも似た感情が起こったことは少なくとも私にとっては重要な意義を持つことであった。

総合研究大学院大学 物理科学研究科 宇宙科学専攻
修士2年 久本 泰慶

会期中に得られた業績としては、First Authorとして発表経歴を積むことができた点である。博士後期課程へ進学し研究者としての進路を選択するうえでとても意義ある経験となった。 プレゼンテーションの発表練習など事前準備にもっと力を入れるべきだったと後悔する結果となってしまったが、次に参加した国際学会(ICRP)ではこの反省を生かし納得のいく発表へと繋がった。また、自身の専門分野の知識を掘り下げ、質疑応答にも的確に答えるようになることが発表を通して得られた直近の目標である。ヨーロッパで開催されたこともあり、ホールスラスタの専門家が多く感じられたが出席者からは的確な質問やアドバイスを頂いた。初めてということもありかなり緊張を強いられたが、一緒に参加した指導教員の西山先生の存在に助けられた。修士のうちに国際舞台に立てたことはとても良かった。

東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻
博士3年 秋山 靖博

Plenary Event、High Light Lecture、Exhibition等を通して、最新の世界の宇宙開発事情について知見を得る事が出来た。特に、小型衛星開発、利用についての展示が多かった点は印象的であった。また、南アフリカ、タイなど、日本ではあまり話題にならない国家における宇宙開発事情について直接話を聞けた事は大きな収穫であった。

また、他の日本からの派遣学生との交流を通し、ネットワークを広げる事が出来た。同時に、自分とは異なる分野の研究について話を聞くことで刺激を受け、知見を広げる事が出来た。今回、私が日本からの派遣学生で最高学年であることもあり、他の参加者からの、研究や就職についての相談を受け、意見交換する機会も多かったが、そうした内容が彼らの進路の参考となれば幸いである。中でも、その内の数人は学生派遣が縁となり研究室見学へとつながった。また、他国の学生及び研究者とも、レクリエーション及びISZのイベント等を通して交流し、前述のように外国の研究機関、会社等における研究方法や、ポスドクの雇用について意見交換を行った。特に、私の所属する研究室に短期留学及びインターンでかつて滞在していた学生たちと会う事が出来たことは非常にうれしかった。彼らとは近況の交換や今回の発表内容の意見交換等で非常に有意義な会話ができた。彼らの帰国後は、メールによるやり取り以外に手段がなかったため、こうした機会は非常に重要である。

東北大学医学部 医学科
学士4年 中村 旭

さすがはIAC、年に一度の大きな宇宙会議とあって、宇宙法学から医学、生物学、生理学、工学など書ききれない程の多彩な演目が並び、宇宙医学に関心のあった私にもぴったりな演目を聴講することができた。もちろん各専門分野の一線の研究者が流暢な英語で発表するので、全ての内容を理解することは不可能だが、それでも自分の知っている知識の範囲で驚くような研究内容もあったし、宇宙の未来を明るく語るIACの性質上、まだ現実的でなくても夢のある話も聞くことができた。もし内容を理解できなかったとしても、あの場の雰囲気を感じるだけで多大な価値があると感じる。

東京工業大学大学院理工学研究科 機械宇宙システム専攻
修士1年 牟田 梓

Opening CeremonyやHOAなどで、日本のはやぶさやイカロスが取り上げられたことに驚いた。日本の宇宙開発や自分たちが普段大学で研究していることが世界に認められていると知り、研究や開発のモチベーションにつながった。

第61回IACプラハ大会(IAC2010)におけるJAXA学生派遣プログラムについて

JAXAは、活動の一環として、IAC2010においては、派遣学生に公式プログラムの参加機会を提供するとともに、ISEB参加機関であるESA、NASA、JAXA、CSA 、CNESの宇宙5機関間協力の下、学生への宇宙分野における知識・理解増進の機会提供、学生を交えた学術・研究交流の奨励、国境や専門領域の違いを越えた友好の輪を広げることを目指したISEB学生プログラムに参加しています。また、JAXAが本活動を実施するにあたり、より参加学生に資するプログラム作りを目指して、準備・企画段階から学生主導のもと、学生内で選出した3名のリーダーを軸にJAXA Day用学生プレゼンテーションおよびプラハ日本人学校のための出前授業を派遣学生18名全員の参画・貢献により、有意義なプログラムに発展させていくことができました。今回の特記事項として、地元プラハにある全日制のプラハ日本人学校の協力により、派遣学生主体による出前授業が実現することに至りました。プラハ日本人学校の森校長先生および須田教頭先生のご尽力により、事前準備・運営まで、初めてJAXAと国外の学校との連携が出来、日本人学校の子供たちに好評を博しました。派遣学生にとっても充実した活動となりました。尚、本活動の報告を6月に開催されたISTS (International Symposium on Space Technology and Science)の教育部門にて発表いたしました。

pdf ISEB学生プログラムの詳細

ISEB学生プログラムについて

ISEB学生プログラムとしては、IAC2010開催の前日である9月26日(日)を初日としてスタートし、Orientation Session、Session with ISEB Heads of Education and Students、ISEB Student Sessionが開催され、ISEB参加機関より派遣された63名(JAXA:18名・ESA:14名・CSA:25名・NASA:6名)の学生が出席しました。

Space Bodies Lunchの様子
Space Bodies Lunchの様子
Ice Breaking Activityの様子
Ice Breaking Activityの様子
HoE/Students Session(JAXAより小野田理事が参加)
HoE/Students Session(JAXAより小野田理事が参加)
ISEB Student Session JAXA Day 学生発表の様子1
ISEB Student Session JAXA Day 学生発表の様子
ISEB Student Session JAXA Day 学生発表の様子2
ISEB Student Session JAXA Day 学生発表の様子3

ISEBオリエンテーション・セッション 1. Space Bodies Lunch

ISEB学生プログラムのオリエンテーション・セッションとして、初日のランチタイムにSpace Bodies Lunchを開催いたしました。
Space Bodies Lunchでは、6つのグループにランダムに分かれ、各宇宙機関教育長がそれぞれのグループを周り、学生達とざっくばらんに会話をする機会がありました。学生達は他国の学生や教育長と共に食事をし、知りあう機会がありました。

東京大学 工学部 航空宇宙工学科 航空宇宙システムコース
学士4年 大谷 翔

IAC2010開会と同時に私達がまず参加したプログラムは海外宇宙機関から選出された派遣生達との交流であった。ここではランチをしながら互いの自己紹介を済ませ、即座に熱い宇宙トークが繰り広げられた。私の座った席の隣には衛星軌道の研究テーマとするNASAから派遣された博士課程学生、向いには宇宙材料を研究するESAから派遣されたスペイン人修士学生がいた。慣れない地方訛りの英語に飛び交う専門用語、会話に躊躇する場面は多数あったが、一生懸命に耳を傾け自分が質問できるポイントを探し当てて会話として続けようと試みた。正直、英語が不慣れな私にとってフラストレーションのたまるやり取りではあったが、私自身も彼らのように誇れる研究を進め、意見交換を通して常にアイデアを得ようとする姿勢を見習いたいと思った。そして、いつか言葉の壁を超え、専門領域への理解をさらに深めて国際的なエンジニアになるという志を一層強めた。

ISEBオリエンテーション・セッション 2. Ice Breaking Activity

Ice Breaking Activityでは、体育館に移動し、Space Bodies Lunchとは別のグループに分かれ、ドッジボール、障害物競争をし、更に親交を深めました。その後、オプショナルで、サッカーやバレーボール等をし、国籍を超えたチーム戦を楽しんでいました。

総合研究大学大学院物理科学研究科宇宙科学専攻
博士1年 片山 範将

IACやISEBのイベント全てが、私にとって非常に刺激的なものでした。IACでは、宇宙開発を行う世界のリーダーから学生まで様々な人が参加しており、さらに、垣根なくさまざまポジションの人と話す機会があふれていました。まずは、宇宙開発関連を学ぶ学生とは、初日からIce breaking イベントでサッカーなどのスポーツを通してお互いの距離をグンと縮めることができ、その後の期間中でも様々な交流を通して、自分の目指す目標や研究など様々な話をすることできる良い機会でした。

東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻
修士2年 船見 祐揮

参加初日となる9月26日には、ISEB主催でSpace Bodies LunchやIce Breaking Activityが行われた。Space Bodies Lunchでは複数のテーブルが用意されており、参加学生はランダムに各テーブルに割り振られ、他国の学生と会話を楽しみながら食事ができるようになっていた。また、各テーブルを順に各国宇宙機関の職員が回り、各国での宇宙ミッションや宇宙教育活動についての話題を聞くことができた。私が割り振られたテーブルには、私と同じくハイブリッドロケットについて研究しているオーストラリアの学生がいた。私の英語力が乏しいため筆談も交えての会話となったが、他国の学生と自分の研究について議論できたことは非常に有意義な経験となった。Space Bodies Lunchの後は体育館に移動し、他国の参加学生とチームを組んでスポーツを楽しんだ。まずドッジボールと障害物競走が全員参加で行われ、その後、サッカーとバレーボールから各自が任意に選択して汗を流した。言葉の壁や国籍の壁を越えて楽しむことができた。

Q&A Session with HoA/Senior Representative and Students

本セッションでは、昨年に引き続き、ISEB派遣学生からの質問にISEB参加機関の機関長や代表者が回答を行うという貴重な直接的対話機会として実施されました。

東北大学 大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻
博士2年 平野 大地

2日目はOpening CeremonyやHighlight Lecture など多くのセッションに参加したが、特にPlenary EventとHoA and Senior Rep. QA sessionが印象的だった。各宇宙機関の長官たちの話を直接聞くことで、それぞれの方向性の違いについて知ることができた。

各国学生からの質問に回答する宇宙4機関の代表者
各国学生からの質問に回答する宇宙4機関の代表者
(写真左より、CSAマクリーン長官、ESAドーダン長官、NASAボールデン長官、JAXA小野田理事)
ISEB派遣学生の代表
ISEB派遣学生の代表の一人として質問を行う東京大学大学院 船見さんと、2つ目の質問を待機している総合研究大学の片山さん

International Student Zone: ISZ(国際学生ゾーン)

ISEB学生プログラムの一環としてIAC2010 展示会場の中に学生のための研究活動成果発表および人材交流の場としてのInternational Student Zone ; ISZ(国際学生ゾーン)が設置され、会期中、主としてランチタイムにISEB参加4機関から派遣された専門家による学生対象のレクチャー、各機関から派遣された学生によるプレゼンテーション、ポスターセッション等が実施されました。IACの期間中、ISZでは、1日毎に違う宇宙機関の日があり、9月28日(火)はNASA Day、9月29日(水)はJAXA Day、9月30日(木)はCSA Day、10月1日(金)はESA Dayとして、各宇宙機関が担当しました。ISEB Student SessionのJAXA Dayでは、JAXA派遣学生が18人が一丸となって日本の学生による日本の学生の活動について資料をまとめあげ、発表を行いました。 学生ゾーンでは、各4機関のブースを設け、JAXAブースでは、学生によるミウラ折り講座を開き、人気を博しました。また、各学生が自分の研究やその他の活動など世界に発信したい内容のポスターを展示し、世界中の研究者や学生達との交流の場にもなりました。

東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻
博士3年 秋山 靖博

テクニカルセッション以外に、派遣学生としてISZの展示および発表に参加した。その他に、NASA Day等、他国機関の発表も聴講した。特に、NASAの派遣研究者の発表においては、派遣研究者の研究生活についての発表で会ったこともあり、アメリカ及び日本で各々がどのように研究しているのか、どのようなプログラムを利用したのか等についてかなり深い話を聞くことができた。今回、そうした研究者の話を聞き、交流を持ったことで、国外のポスドクの研究生活、応募方法等について知ることができた。そのため、将来国外に職を求めるという選択肢を現実性を持ってとらえる事が出来るようになった事は非常に大きな収穫である。

東京大学航空宇宙工学専攻
修士2年 方 弘毅

特に、派遣学生メンバーのポスターが展示されているISZ(国際学生ゾーン)のJAXAブースが非常にいい役割を果たしていた。いつもそこに行けば、自分たちの研究に興味を持ってくださっている学生や研究者がいる、という環境がすごく不思議で、自分たちの活動に自信を持てた。特に、自分のポスターを指し、「この人と話がしたい」と言ってくださったペルーの研究者がいて、非常に励みになった。また、自分の研究発表そのものも評価され、おかげさまで賞をいただくことができ、今後さらに研究者への道を進めていこうというモチベーションになった。

東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻
修士2年 船見 祐揮

IAC開催期間中にはJAXA派遣学生としての活動もなされた。国際学生ゾーン(ISZ)ではJAXAのブースが設けられており、そこでは折り紙やカンサット、参加学生が作成したポスターの展示が常時行われていた。私は自身の研究内容の一部をまとめたポスターを展示し、同時に論文も配布した。幸いにも何人かの人に興味を持ってもらうことができ、中でもベトナムの学生からは熱心な質問を受けた。前述したとおり私はセッションでの研究発表はできなかったが、このような場所でポスター発表をできたことはセッション発表と同様の貴重な経験になったと感じられる。自身の研究が少しでも海外の学生に興味を持ってもらえたことが、今後の研究活動の励みにもなった。

総合研究大学院大学 物理科学研究科 宇宙科学専攻
博士2年 久本 泰慶

専門分野以外にもいくつかのテクニカルセッションに参加した。その中で最も影響を受けたのは、学生セッションである。同じく学生派遣プログラムに参加した学生も発表を行っていた。このプログラムで知り合えた仲間は、同時にとてもいいライバルだと感じた。同じ年代の人の発表は、見習うことも多く良い刺激である。国際会議であることから日本の学生のみならず世界基準の学生レベルを肌身で実感することができ、比較することで自身の足りない点や成長すべき点を認識することができた。

国際学生ゾーン(ISZ)1
国際学生ゾーン(ISZ) 吉川真准教授によるはやぶさの講義
国際学生ゾーン(ISZ)2
国際学生ゾーン(ISZ)
自分のポスターを説明する東京理科大学の飯山さん
自分のポスターを説明する東京理科大学の飯山さん
ISZに訪れた研究者や学生にローバーについて説明する電気通信大学の佐藤さん
ISZに訪れた研究者や学生にローバーについて説明する電気通信大学の佐藤さん
JAXAブースにてミウラ折について説明する総合研究大学院大学の片山さん
JAXAブースにてミウラ折について説明する総合研究大学院大学の片山さん
ISUの学生に説明する東京工業大学の牟田さん
ISUの学生に説明する東京工業大学の牟田さん

JAXA派遣学生のPlenaryでのパネルディスカッションに選抜

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネージメント研究科システムデザイン・マネージメント専攻修士1年生でJAXA派遣学生である岩澤ありあさんが、世界選抜を勝ち抜き、Plenary5: Next Generation Visions For Space Operationsのパネリストととして選抜されました。Plenary5では、岩澤さんを含め、世界中で選抜された若手研究員など5名が登壇し、NASAのウィリアム・ゲスティンマイヤー(William Gerstenmaier)宇宙運用局長、ESAのマンフレッド・ワルハルト(Manfred Warhaut)ミッション運用部長の司会のもと、パネルディスカッションを行いました。パネリストの中で学生は岩澤さんだけでしたが、他の若手研究員たちと共に堂々と発言をされておりました。また、女性ならではの柔らかさを持ち合わせ、場を和ませてくれました。

Plenary5のパネリスト
Plenary5のパネリスト
左からゲスティンマイヤーNASA宇宙運用局長、岩澤ありあ(慶應義塾大学大学院)、アレックス・カール(SASエンジニア),ライアン・コビック(Yuti’s Night事務局長)、タヒール・メラーリ(ESA研究員)、ブライアン・リーサーズ(KSCエンジニア)、ワルハルトESAミッション運用部長

JAXA派遣学生のIAF学生賞大学院生部門(IAF Student Award Graduate Category) 2位入賞

東京大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻修士課程2年生でJAXA派遣学生である方 弘毅さんが、IAC2010の9月28日の学生セッション第2部で、「Software Development of Star Trackers for Small Satellites」と題した口頭発表を行い、その成果に対し、IAF Student Award Graduate Category2位を受賞されました。

クロージング・セレモニーでの授賞の様子
クロージング・セレモニーでの授賞の様子

学生アウトリーチ活動: プラハ日本人学校出前授業

JAXA派遣学生プログラムでは、学生主導によるIAC期間中のアウトリーチプログラムを実施しております。今回のアウトリーチ活動は、本派遣プログラム初、現地のプラハ日本人学校の全面協力により、この活動が実現するに至りました。プラハ日本人学校からは、アウトリーチ活動のための時間を作って頂き、9月30日(木)15:00~16:00の1時間を頂くことが出来ました。学生達は、全校生徒を3つのグループに分け、低学年(小1~小2)グループでは、「ミウラ折り」について、中学年(小3~小5)グループは、「イカロス膜面展開ゲーム」、高学年(小6~中3)グループは、「イカロスの膜面授業とペーパークラフト」についての授業を行いました。授業の最後に全校生徒が中庭に集まり、ポケ丸と呼ばれている小型水ロケットを3回飛ばしました。3回のうち、2回は子供に飛ばしてもらい、大盛況のうちに幕を閉じました。プラハ日本人学校には御礼として、水ロケットセットを寄贈させて頂きました。プラハ日本人学校で取り上げられたウェブページ(2学期の欄)

東京工業大学理工学研究科 機械宇宙システム専攻
修士2年 山隅 允裕

東京大学大学院 理学系研究科 天文学専攻
修士1年 梅畑 豪紀

もう一つ、忘れられない時間としてプラハ日本人学校での授業が挙げられます。この派遣を通して、一番の達成感を感じたのはこのときでした。小学校中学年を受け持つ5人で夜遅くまで準備を重ね、当日子供達の弾ける笑顔に出会えたときは本当に嬉しかったことを覚えています。私はこれまで天文学をフィールドとして高校生を中心に普及、教育活動に携わってきましたが、小学生の子供達に先生として接する、という機会はなく新鮮な経験でした。学年があがってくるに連れて知識を与える、という比率が高くなってきますが、やはり体験をすることの大事さを感じました。一方で、体験をさせる側の準備の苦労も味わうことができたように思います。

東京工業大学・機械宇宙システム専攻
修士2年 秋山 恭平

現地の日本人の子どもたちと触れ合った「日本人学校での出前授業」は、今回の派遣プログラムの中で最も刺激的なイベントの一つでした。私のチームでは、小学校の中~高学年を対象として「イカロスの膜面収納ゲーム」を企画しました。特に苦労した点は、イカロスの膜面収納の方法を知らない小学生に対して、収納方法を「どうすれば分かりやすく」かつ「興味を持させるように」指導できるかを、相手の立場に立って想像することでした。最終的には、膜面に予め「折線」を付けておき、収納方法の手順のみを生徒に考えさせることにしましたが、当日の様子を見ても、レベルの設定は適切であったのではないかと思います。当日の授業では、担当した生徒「全員」が、真剣にかつ楽しそうにゲームに取り組む姿勢を見て、とても感動しました。「宇宙」というフィールドは、子どもたちの興味を引き出すための題材として非常に有用であることを、強く実感しました。この活動を通じて、宇宙教育の楽しさと難しさ、そして重要性を、身をもって体験することができました。

横浜国立大学 環境情報学府 環境システム学専攻 システムデザインコース
修士1年 春木 美鈴

教育イベント先の日本人学校での小学生との出会いもありました。宇宙を勉強する人(私達)を宇宙人だと言って迎えてくれた彼らから聞く宇宙に対しての疑問や考えには驚かされました。宇宙教育で宇宙を教えるのではなく、自身の専門である宇宙を通して次世代の子供達に、当時私達が感じていた「わくわく」を伝える事ができたのなら幸いです。そして最後に共に行動したJAXA派遣生との出会いは私にとって非常に大きいものでした。特に日本の学生として、彼らと共に行動できた事は多くの刺激を受けました。

膜面展開ゲームの準備中
膜面展開ゲームの準備中
左より、佐藤さん、梅畑さん、飯山さん
左より、佐藤さん、梅畑さん、飯山さん
実際の授業の様子
実際の授業の様子
低学年の授業の様子
低学年の授業の様子
高学年の授業の様子
高学年の授業の様子
プラハ日本人学校及びJAXA派遣学生 集合写真
プラハ日本人学校及びJAXA派遣学生 集合写真

国際宇宙法学会(IISL)への協力

本派遣プログラムでは、2001年よりIISL主催の「マンフレッド・ラクス宇宙法模擬裁」(http://spacemoot.org/)に協力し、アジア・太平洋地域予選通過チームの学生2名をIAC会期中に実施されるワールド・ファイナル・コンペに派遣しています。本年のアジア・太平洋地域代表シンガポール国立大学チームは、優勝を逃したものの、Best Oral Presentation Awardを受賞しました。IISLについて、東京大学教養学部2年の堀田想太郎さんがレポートを書いて下さいました。

シンガポール国立法科大学チームの学生
シンガポール国立法科大学チームの学生
模擬裁判の様子
模擬裁判の様子
裁判員
裁判員

おわりに...

今年度の本派遣プログラムでは、学部生から博士課程の学生まで、多種多様な専攻分野から、幅広い層の学生が参加されました。今回参加された18名の派遣学生の中から寄せられた感想と、報告書を掲載させていただきます。

報告書

感想

総合研究大学院大学 物理科学研究科 宇宙科学専攻
修士2年 久本 泰慶

IACに参加したことで幼いころから持っていた宇宙に対する情熱が再燃し、研究に対するモチベーションも上がってきた。博士後期課程の3年間は研究に勤しみたいが、エキシビションで宇宙関連企業のブースを回ったことで学位を取った後も進路に関しては選択肢が広がったと思う。

電気通信大学 情報理工学研究科 総合情報学専攻
修士1年 佐藤 史盟

はじめは不安であったが、いろいろな体験を通して不安は解消され、自信をつけることができた。また、第61回IACプラハ大会を通じて、異分野の方々と交流し話を聞くことがとても楽しく活力がわいてくることが分かった。これから自分は、自分の専門とは違う、あるいは自分とは異なる考え方を持った人々と接する機会も多く持つと思うが、臆することなく積極的に交流していきたいと思う。

東京理科大学 理工学研究科 電気工学専攻
修士1年 飯山 裕人

今回のJAXAからの派遣において私の感想は貴重な経験をさせて頂いたことへの感謝である。日本国外であるため日常の英会話の勉強とは違い、より英語を身近に感じて英語でのコミュニケーションができたこと、JAXAからの派遣ということで宇宙開発に対して志の高い大学生の方々と知り合えたことというように貴重な経験が出来た。今後研究をしていく中でもこの経験を生かしていければと思う。

東京工業大学大学院理工学研究科 機械宇宙システム専攻
修士1年 牟田 梓

派遣学生プログラムを通じて得られたこと、期待に沿わなかったこと: Plenaryで発表した岩澤さんやプレゼンテーション賞を受賞した方さんをはじめとする、意識と能力の高い人達と同じ時間を過ごせたことが何よりも大きな成果だと思う。日本人は特に英語でのプレゼンが苦手な傾向にあると思うが、前にあげた二人が堂々と発表し、外国人と英語で議論できている姿をみて、自分の英語の能力の低さを痛感し、向上させたいと強く思えた。研究に対する姿勢に関しても、自分の目標となる人達と交流が持てたことで、今、自分が頑張っている研究へのモチベーションにもつながった。

また、日本人学校に訪問できたのも貴重な体験だった。私は低学年の担当だったが、私たちが見せること喋ることへの反応が素直で、宇宙への純粋な興味もあることを実感した。訪問前は、正直水ロケットなどでそんなに盛り上がれるのかが疑問だったが、行ってみてかなりの反応の大きさに驚いた。訪問自体がかなり短い時間であったことが唯一、非常に残念であった。ただ楽しいだけというだけでなく、その時やったことが宇宙に関連しているということを伝える時間と伝え方の工夫がもっと必要であったように思われる。

東北大学 医学部 医学科
学士4年 中村 旭

今回の派遣で、人前で物怖じせぬ度胸と英語でのコミュニケーションで大切なコツが少しは理解できたような気がする。またあれだけ多くの一線の研究者が一堂に会し、ラフな雰囲気と緊張感が混ざり合った感覚は、他の国内外の学会では類を見ないように思う。そして何より、今後日本の宇宙開発を背負っていくだろう先輩方と寝食を共にし、その考えの一端に触れて仲間となれたことは、私の将来にも非常に明るい材料になったと感じている。

IACへの参加は、国際的な視点を涵養することに加え、自らの将来を広げるチャンスも多く広げてくれる。私の将来像は漠然としていたが、今回の参加を通しフライトサージャンや航空産業医の立場で、航空宇宙医学分野をリードする人材になりたいと改めて感じた。これからの若い世代がより宇宙に興味を持ち、持続的な宇宙教育を推進していくためには、それを成せる人材の確保が最も重要である。実績を持ちそれを若い世代へ楽しく伝えられる医師として、宇宙教育の一端を担える人材になれればと思う。

東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻
修士2年 大道 渉

自分は他の多くの派遣学生と同様に、今回の派遣の公募を知って応募した。主な動機としては、これからさらに深めていくこととなる専門性(宇宙機推進)以外に、あるいは専門性を効率よく発揮していくために、同世代の学生たちと「交流を持つ」ことであった。この「交流を持つ」ということに関して、派遣される以前は外国人学生とのいわゆる国際交流を主眼に置きがちであったが、共に派遣されることとなった学生達とも深い交流を持てたことは自分としては僥倖であった。…数は多いとは言えないが、外国人の研究者の卵と知り合うことができたし、メールを交わしている人もいる。特に推進関係以外の宇宙関連分野の外国人の知り合いはこのような機会を設けていただけなければなかなかできなかったと思う。…「IAC派遣学生の」学生同士の交流では、大なり小なり宇宙分野に憧れや関心を持っている学生で占められていて、また、学会という特殊な空間にあったからか、いわゆる学生同士の和気藹々とした雰囲気だけでなく、純粋に宇宙の話を真剣に楽しめることもできたことは重畳であった。これらのことは外国人学生との交流にも言える。この文章を書いていて気づいたが、IACも本番はたかだか一週間程度であるのに、非常に長い付き合いを持っていたかのように錯覚するほど濃密な時間を過ごすことができた。

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