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2014年度 第65回IACカナダ大会

派遣期間
平成26年9月25日(土)~10月6日(月)
派遣先
カナダ、トロント市

主なスケジュール

日付
内容
27日(土)
トロント補習授業校での出前授業
28日(日)
ISEB 学生プログラム(アウトリーチ活動のためのトレーニング、オリエンテーション、異文化ワークショップ、アイスブレイキング)等への出席
29日(月)
IAC2014プログラム(オープニングセレモニー、テクニカルセッション、プレナリー、ウェルカムイベント等)・ISEBイベント(ISEB HoA へのQ&Aセッション)等への出席
1日(水)
樋口副理事長とのミーティング、IAC2014プログラム(テクニカルセッション、プレナリー、ハイライト・レクチャー)および ISEBイベント(ランチタイムセッション)等へ出席
2日(木)
IAC2012プログラム(テクニカルセッション、プレナリー、ハイライト・レクチャー)およびISEBイベント(JAXA派遣学生発表、ランチタイムセッション)、等へ出席
3日(金)
IAC2012プログラム(テクニカルセッション、プレナリー、ハイライト・レクチャー)およびISEBイベント(アウトリーチ活動)等へ出席

IAC(International Astronautical Conference)国際宇宙会議について

IACはInternational Astronautical Federation (IAF:国際宇宙航行連盟)、International Academy of Astronautics (IAA: 国際宇宙航行学会)及びInternational Institute of Space Law (IISL: 国際宇宙法学会)が主催している国際宇宙会議です。この国際宇宙会議では、各宇宙機関長の講演、本会議、レクチャー、各分野に亘る最先端の情報を仕入れることのできる会議、研究発表、イベントなどがあり、各国の宇宙機関長並びに幹部、学者、研究者、企業、若手研究者、学生などが参加する世界最大の宇宙会議です。1949年に第1回国際宇宙会議を開催し、今年2014年は第65回目の会議となります。本ウェブサイトでは、本派遣プログラムに参加された学生の皆さんの感想を交え、これらの活動について報告をさせていただきます。

※ 本ウェブサイトにおける執筆者の所属大学・学年等についてはIAC2014トロント大会参加当時(平成26年10月現在)のものです。
IACトロント会場の外観
IACトロント会場の外観
IAC2014オープニングセレモニーの様子
IAC2014オープニングセレモニーの様子
テクニカルセッションで発表を行うJAXA派遣学生の茂野さん
テクニカルセッションで発表を行うJAXA派遣学生の茂野さん

第65回IACトロント大会(IAC2014)におけるJAXA学生派遣プログラムについて

JAXAは活動の一環として、IAC2014においては、派遣学生に公式プログラムの参加機会を提供するとともに、ISEB参加機関であるESA、NASA、JAXA、CSA 、CNES、VSSEC、KARI、SANSA、AEMの宇宙9機関間協力の下、学生への宇宙分野における知識・理解増進の機会提供、学生を交えた学術・研究交流の奨励、国境や専門領域の違いを越えた友好の輪を広げることを目指したISEB学生プログラムに参加しています。また、JAXAが本活動を実施するにあたり、より参加学生に資するプログラム作りを目指して、準備・企画段階から学生主導のもと、JAXA学生プレゼンテーションを派遣学生10名全員の参画・貢献により、有意義なプログラムに発展させていくことができました。

ISEB学生プログラムについて

ISEB学生プログラムとしては、IAC2014開催の前日である9月27日(土)を初日としてスタートし、オリエンテーション・セッションが開催され、ISEB参加機関より派遣された75名(JAXA:10名・ESA:13名・CSA:12名・NASA:10名・VSSEC:4名・KARI:6名)の学生が出席しました。

pdf ISEB学生プログラムの詳細

出前授業

今年度の派遣プログラムでは、9月27日(土)にトロントの補習授業校に訪問し、幼稚部から高等部までの全学年の生徒に対してスチロール凧づくり、真空実験、講義やワークショップなど、さまざまな形で宇宙に触れてもらうための「出前授業」を行いました。

幼稚部での出前授業
幼稚部での出前授業
小学部での出前授業
小学部での出前授業
高等部での出前授業
高等部での出前授業

首都大学東京大学院 修士1年
城戸 彩乃

派遣学生たちで、現地の日本人補習学校にて幼稚園児から高校生まで一日宇宙教育活動を行った。補習校に通う生徒はとても素直でよい子が多く、幼稚園から高校生まで、皆素直で授業を行いやすかった.高学年になればなるほど宇宙そのものに興味を示して質問をしてくれる子が増えたように感じた,特に、日本で行っている活動のメインターゲットである高校生もとても素直で、一生懸命に質問してくれ、宇宙に興味を持ってくれたという実感が持てた。幼い頃の強いインスピレーションや記憶というのは、その後の人生に大きく影響するので、今回出前授業を受けたトロント補習校の生徒たちが少しでも将来宇宙開発で活躍してくれることを願う。

ISEBオリエンテーション・セッション、異文化ワークショップ、アイスブレイキング

ISEB学生プログラムのオリエンテーション・セッションとして、IAC会場で各機関のスタッフの紹介やISEBプログラムの概要を説明しました。学生達は世界中から参加した他国の学生たちと知りあう機会がありました。

ISEB HoEによる挨拶
ISEB HoEによる挨拶
アイスブレイキングの様子
アイスブレイキングの様子
異文化ワークショップの様子
異文化ワークショップの様子

法政大学 学部4年
福島 広大

今晩はいよいよ待ちに待ったISEBでの最初のミーティングがある。今回の派遣プログラムで私達はJAXAからの派遣学生として参加しているが、この他に国際宇宙会議の開催地であるカナダのCSA、同じアジアからは韓国のKARI、アメリカのNASA や欧州のESA、フランスのCNES などから世界中の学生が今日一同に集結する。午前中は IAC のレジストレーションの為、大会会場となっているコンベンションセンターへ向かい、帰りにトロントの街を散策した。トロントの街は快晴で明日からの会議がより一層楽しみになる。しかしここへ来て一つ懸念すべき事案が浮上した。何事もないかと思われた時差ボケが一気に身体へ影響し始めた。強烈な睡魔に抗いながら、ISEBのミーティングに参加し、世界中の人と 同時に接して改めて感じた事は、国毎の国民性や操る英語のイントネーションなど、やはりみんな全く違うということだ。まさに人種のサラダボールと言えようこのISEB 学生メンバーで、これからどんな日々が訪れるか、今から胸躍る心地だ。

ISEB HoA へのQ&Aセッション

本セッションは例年通り、ISEB派遣学生からの質問にISEB参加機関の機関長や代表者が回答を行うという貴重な直接的対話機会として実施されました。

HoA(参加宇宙機関の代表者)へのQ&Aセッション
HoA(参加宇宙機関の代表者)へのQ&Aセッション
HoAへ質問を行うJAXA派遣学生の平澤さん
HoAへ質問を行うJAXA派遣学生の平澤さん
JAXA樋口副理事長と JAXAの派遣学生達
JAXA樋口副理事長と JAXAの派遣学生達

慶應義塾大学大学院 修士1年
平澤 遼

 学生たちとの交流の一方,普段は決して話すことができないような宇宙開発のトップ層の方たちと意見を交わしたことも貴重な経験のひとつです.HoA (Heads of Agency) と呼ばれる企画のQ&Aセッションは,各国の宇宙機関の代表クラスの方たちが学生の質問に答えるというものでした.私はJAXA派遣学生を代表して質問する機会をいただき,「世界中の宇宙機関が技術を隠すことなく一つに統合すれば宇宙開発はより発展すると考えられるが,どう思うか」という質問をフランスの宇宙機関CNESにさせていただきました.実は,世界中の宇宙機関の統合は理想論であり現実的ではないと考えた上での質問でしたので,そんなことはあり得ない,という否定的な内容の回答を想定しておりました.しかし,実際には「あなたは正しい」と始めて,もちろん制約はある中でも国際宇宙ステーションをはじめとする国際協力についてご回答いただきました.私はとても驚かされると同時に,自分の世界観が国という枠から抜け出せずにいたことに気づかされ,とても恥ずかしくなりました.最先端の宇宙開発に国境は存在しない.この気づきは宇宙開発に携わる将来において,とても重要な世界観であると考えております。

IACテクニカルセッション、プレナリー、ハイライト・レクチャー

富山大学 学部4年 
茂野 綾美

最も印象 に残っているのは、Technical session A1.3 Medical care for human in spaceと Plenary 7 (Global societal challenges)だ。前者では、医学の可能性を心底感じ、現在の学びに対してもっと貪欲に、真摯になろうと思わされた。医師になることは目標ではなく、手段であるべきだという当然のことを改めて思い出させられたのである。後者では、向井千秋さんが登壇されていた。失礼を承知で申し上げれば、いわゆる「ジャパニーズ ・イングリッシュ」 を聴衆の前で堂々としゃべり、会場から笑いをとる姿に、私は大変驚いた。コミュニケーション能力というのは、すなわち語学力ではない。その人が持つ人柄やユーモアに我々は惹かれるのであって、英語の発音や語彙力に魅力を感じるのではないのだ。だから、豊かなコミュニケーションのために語学力だけを磨くことは、ある意味で正しいけれどもナンセンスで、人としての魅力を備えなければ言葉など何の役にも立たないのだ、ということを教えられた。

International Student Zone: ISZ(国際学生ゾーン)

ISEB学生プログラムの一環として、IAC2014 展示会場の中に学生のための研究活動成果発表および人材交流の場としてのInternational Student Zone ; ISZ(国際学生ゾーン)が設置され、会期中、主としてランチタイムに各機関から派遣された学生によるプレゼンテーション等が実施されました。また各学生が自分の研究やその他の活動など世界に発信したい内容のポスターを展示し、世界中の研究者や学生達との交流の場にもなりました。

国際学生ゾーン(ISZ)
国際学生ゾーン(ISZ)
JAXAブースで準備をする学生達(ISZ)
JAXAブースで準備をする学生達(ISZ)
JAXAブース(ISZ)
JAXAブース(ISZ)

東京工業大学大学院 修士2年
吉川 健人

ISEB Lunchtime Session:大会期間中の昼食時に行われた,各機関の学生が主体となって行うセッション.最新のプロジェクト,学生の行っている研究,宇宙活動などの発表など.私は,NASA,SANSA,AEMの主催するCross Cultural Communication Seminar 2にJAXA派遣学生代表のパネリストとして壇上に立ち,日本の名刺文化やコミュニケーションのとり方について話した.

JAXA派遣学生のプレゼンテーション

10月2日(木)にはJAXA派遣学生が一丸となって1時間のプレゼンテーションをISZで行いました。学生は研究内容と日本の伝統文化・現代文化を融合した発表を行い、大盛況をもたらしました。

JAXA派遣学生によるプレゼンテーション1
JAXA派遣学生によるプレゼンテーション1
JAXA派遣学生によるプレゼンテーション2
JAXA派遣学生によるプレゼンテーション2
JAXA派遣学生によるプレゼンテーション3
JAXA派遣学生によるプレゼンテーション3

慶應義塾大学大学院 修士2年 
能美 亜衣

日本の文化と日本の学生の宇宙活動についての発表を今年度は劇形式で紹介しました.7月から派遣学生でMTGを重ね,脚本を作成し,英語化する作業やそれぞれの役の立ち位置などトロントに到着後も発表前日まで毎日練習を重ねました.本番では,観客の笑いを取りながらも宇宙開発についての発表も真剣に聞いてもらえることができ大盛況で終えることが出来ました.毎日,みんなで練習を重ねたからこそ,成功で終えることができたときの達成感はなかなか味わえないものだと感じました.日本の文化を知ってもらうとともに学生の宇宙開発にも興味を持ってもらえてとてもいい結果に終わることができたと思います.

アウトリーチ活動

本年度は、ISEBのアウトリーチ活動としてトロントの学校に通う約150名の生徒をISZに招き、ローバを製作・操作したり、3Dプリンタ宇宙船を作ったりするなど、参加型の8つのセッションを行いました。参加する生徒達はそれぞれ興味のあるセッションを選び、積極的に楽しんでいました。

アウトリーチ会場で準備を進める各国の派遣学生達
アウトリーチ会場で準備を進める各国の派遣学生達
3Dプリンタを使用したアウトリーチ活動のコーナー
3Dプリンタを使用したアウトリーチ活動のコーナー
ココアと小麦粉でクレーターを作るアウトリーチ活動のコーナー
ココアと小麦粉でクレーターを作るアウトリーチ活動のコーナー

東京大学大学院 修士2年 
櫻田 麻由

ISEBでも、他国の派遣メンバーと共に、カナダの現地校の子供たちに宇宙にまつわる様々なアクティブティを提供する機会がありました。私は3Dプリンタで宇宙の生物や宇宙船を作るアクティビティに携わり、子供たちが創造力を膨らませて私達の予想もつかないものを作り上げる姿や、自分の作ったものが3Dプリンタで形になっていくのを興奮しながら見届ける姿を見ながら、自分自身も楽しんで子供たちを指導していました。
子供にとって宇宙というものは知らないことがたくさん詰まった、好奇心を刺激される格好の対象なのだと思います。宇宙教育に限らず、教育全般に言えることかもしれませんが、実体験として「楽しい」「面白い」という記憶に残る経験をすることがはじめの大きな一歩になるだろうなということを感じました。宇宙開発に対する理解を促すためには、こういった草の根的活動がとても大切だと思います。

国際宇宙法学会(IISL)への協力

本派遣プログラムでは、2001年よりIISL主催の「マンフレッド・ラクス宇宙法模擬裁」(http://spacemoot.org/)に協力し、アジア・太平洋地域予選通過チームの学生2名をIAC会期中に実施されるワールド・ファイナル・コンペに派遣しています。本年のアジア・太平洋地域代表インド国立法科大学チームは、見事優勝を果し、Best Oralist Awardも受賞しました。

模擬裁判の様子
模擬裁判の様子
優勝したアジア代表チーム(インド国立法科大学)
優勝したアジア代表チーム(インド国立法科大学)
模擬裁判を見学するJAXA派遣学生
模擬裁判を見学するJAXA派遣学生

鹿児島大学 学部4年
齊田 智恵

IISL 宇宙法模擬裁判世界決勝戦の見学に行きました。私は中学、そして高校時代に英語ディベートに楽しく取り組んでいた経験から模擬裁判に興味があり、この派遣プログラムの中でも最も参加したいと思っていたイベントの一つでした。
模擬裁判を見るのは全く初めてで、なじみのない用語が飛び交い、最初は全くと言っていいほど内容がわかりませんでした。内容がわからなくても、法廷で繰り広げられる議論を同じ空間で見るという体験するだけで、昔ディベートをしていたときのワクワクした気持ちが戻ってきました。単純ですが模擬裁判に取り組みたいと思ってしまいました。各国で活発になる宇宙開発によって近い将来に起こる国家間の問題を解決するために必ず必要になる宇宙法。今まで関心がなかった事に興味が湧いたことも大きな収穫でした。

おわりに...

今年度の本派遣プログラムでは、学部生から博士課程の学生まで、多種多様な専攻分野から、幅広い層の学生が参加されました。

東海大学 修士2年
草野 悠太

たった11日間で人生が変わったというのは少し大袈裟かもしれないが、IACを通してまた一歩成長することが出来たのは確かである。選択に迷ったら、「辛くても楽しそうな方を選ぶ」、そして様々な事にチャレンジするということをモットーに自分は生きているつもりであるが、IAC派遣もその中で選択して本当によかったと思える経験であった。
この経験を元にこれからの自分の今後について考えると、IAC期間中のJAXAの副理事長である樋口清司さんの対談で、宇宙開発関連企業と組織以外からも宇宙開発を盛り上げる必要があるという言葉が非常に印象に残っている。
私は来年の春からは直接宇宙開発に関係する会社ではない場所で働くことになるが、将来的に宇宙に携わっていたいという思いは強く持っている。宇宙開発のど真ん中にはいないかもしれないが、周りから宇宙開発を盛り上げていけるような人材になりたいと思う。そして、その過程でこのIACでの経験が活きることは間違いないと感じている。

筑波大学 学部3年
中原 理沙

IACへの参加全体を通して、宇宙開発と一口に言っても今まで自分の知らなかった分野が数多くあることを知りました。韓国の派遣学生と話していて、「将来のことは決まっていないけれど、何か宇宙に関係することをやりたい」と言ったところ、「そんなこと言ったって、どんなことだって宇宙に関係しているじゃないか!」と言われたことが記憶に残っています。今回新しく興味を持ったことも、改めて面白いと思ったこともあり、さらに進路の選択肢が増えてしまいましたが、今ならまだ何だって選べる、という喜びを噛み締めています。また、今回交流した学生の皆さんとの繋がりをこれからも大事にしていきたいと思います。海外の学生だけでなく、日本での準備段階から、JAXAの派遣学生の皆さんからは学ぶことばかりでした。リーダーシップや、コミュニケーションの取り方、研究や就職についてなど、背中を見て学ぶことも言葉で学ぶことも沢山あり、このメンバーの一人として参加できたことをとてもうれしく思います。 

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