授業連携

宇宙学

鹿児島県・鹿児島県立楠隼中学校

  • 中学校
  • 中1
  • 総合的な学習の時間

概要

<全授業を通した指導目標>

・小惑星探査機「はやぶさ」
小惑星探査機「はやぶさ」に起こったトラブルや成し遂げた功績を知り、「はやぶさ」への関心を高めることで、宇宙への関心も高める。
・イプシロンロケット
ロケット打ち上げに関する興味・関心を高めることで,宇宙への関心を高める。
・国際宇宙ステーション
人類が宇宙で活動拠点・国際宇宙ステーションの誕生のいきさつやコマンダーを務めた若田宇宙飛行士について知ることで、宇宙への関心も高める。
・宇宙の環境と宇宙での生活
宇宙の厳しい環境を知り、そこで生活をするための工夫を知ることで、宇宙への関心も高める。

<対象>

中学1年生60名

<期間>

平成27年4月23日~7月7日

<区分>

総合学習の時間

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
4月23日
45分
授業
60名
「はやぶさ」について知っていることを発表する
「はやぶさ」の功績のすごいところを挙げる
「はやぶさ」のミッションの難易度を確認する
「はやぶさ」の功績は,我々にどのような影響を与えたのか、考える
2
114分
講義
60名
「はやぶさ」の名前の由来、糸川英夫先生について
「はやぶさ」に起こったトラブルとその対処法について
「はやぶさ」の成し遂げた実績
日本のものづくりの素晴らしさと今後の世界への貢献
講師:的川 泰宣(JAXA 名誉教授)
3
5月20日
50分
授業
60名
ロケット打ち上げやイプシロンロケットについて知っていることを発表する
イプシロンロケットとM-Vロケットの違いを調べる
イプシロンロケットの特徴であるモバイル管制と自律点検について調べる
イプシロンロケットに今後期待されることを考える
4
75分
講義
60名
固体ロケットの遺伝子(チャレンジ精神)
今後期待されるロケットのスタイル(小型・高性能・低コスト)
打ち上げシステムの改革(自律点検とモバイル管制について)
一番大切なのは人の力
講師:森田 泰弘(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系)
5
6月17日
50分
授業
60名
国際宇宙ステーション(以下ISS)について知っていることを発表する
ISSの規模や参加国等の説明を聞き、その建設の狙い・目的は何かを考える
日本の国際宇宙ステーションへの貢献を調べる
若田宇宙飛行士について調べ、考える
6
82分
講義
60分
宇宙とは
有人宇宙活動について(JAXAやNASAなど)
国際宇宙ステーションについて(誕生のいきさつやその構造など)
ISSでの過ごし方(宇宙飛行士の生活など)
講師:柳川  孝二(JAXA 広報部)
7
7月2日
50分
授業
60名
宇宙の環境を予想し、発表する
若田宇宙飛行士のISSでの映像を視聴する
人はなぜ宇宙をめざすのかを考える
ISSでの宇宙環境を利用した実験が私たちの生活に何を与えるかを考える
8
78分
講義
60名
宇宙の環境
宇宙の特徴
宇宙飛行士(人体)への影響
宇宙の衣・食・住
講師:山方 健士(JAXA 新事業促進部)

『授業記録シート』4月27日

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(7分)
・講師紹介等
展開
(97分)
・日本の宇宙探査の系譜
・「はやぶさ」の打ち上げと名前の由来
・「はやぶさ」に起きたトラブルとその対処
 ○トラブル
  姿勢制御こまの故障,燃料漏れ
  通信途絶,イオンエンジン故障
 ○大好きへのこだわり
  あきらめないこと
 ○ルール違反の舞台裏
  強い信念と倫理の裏付け
・伝えたい2つのこと
 日本人のモノづくりの素晴らしさ
 適度な貧乏と未来への高い志
・はやぶさ2について
・宇宙開発において、今後の日本の姿勢
△講義を聞きながら、メモをとる。
まとめ
(10分)
・質疑応答
 ○2004年の太陽フレアで「のぞみ」は壊滅的なダメージを受けたが、なぜ「はやぶさ」は大丈夫だったのか
 ○なぜ「あかつき」はイオンエンジンを使わなかったのか
△積極的に質問が出ていた。

授業の感想・メモ

  • 宇宙開発の「絶対に諦めない心」は、勉強やスポーツなど、色々なことにもつながると思う。このことを忘れないようにしたい。
  • 僕は今まで宇宙にあまり興味がありませんでしたが、この講義でたくさんのことを知ることが出来ました。それと同時に、「宇宙は学び切れないほど広大なのだなぁ」と思いました。
  • 日本の宇宙開発部門は、アメリカなどに比べてかなりの低予算なのに、「はやぶさ」で世界初を成し遂げたことがすごいと思った。
     また、的川先生が最後の方で言った「適度な貧乏」という言葉が心に残った。

『授業記録シート』5月26日

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・講師紹介等
・内之浦から打ち上げられているロケットの特徴について
△内之浦から打ち上げられるロケットの特徴を答える
展開
(57分)
・固体ロケットの遺伝子
 ○固定観念にとらわれない自由な発想の想像力
 ○失敗を恐れないチャレンジ精神(モバイル管制など)
・日本のロケット開発
 ○糸川先生の世界の先を行くチャレンジ精神
 ○固体ロケットの開発の歴史
・「ひさき」について
 ○ロケット開発の転換点
  (小型・高性能・低コスト)
・宇宙への敷居を下げる
・世界が驚く革新技術
 ○打上システム
  (モバイル管制・自律点検)
・非常識への挑戦(チャレンジ精神)の紹介
△講義を聞きながら、メモをとる。
まとめ
(13分)
・質疑応答
 ○固体燃料ロケットのノズルについて
 ○人工衛星の機体はなぜ金色なのか
 ○液体燃料ロケットの燃料について
 ○ロケットの打ち上げで、中の機械等は壊れないのか
△積極的に質問が出ていた。

授業の感想・メモ

  • 「夢は絶対に諦めない。大切なのは感動と粘り。」という言葉が印象に残った。なぜなら夢は「こうなりたい」と思うだけではなれないし、夢をかなえるためには勉強をしないといけないし、そこでいかに粘れるかが大切で、がんばって夢をかなえた時の感動はとても大切だと思うから。
  • イプシロンが世界で初めて行ったモバイル管制のことを聞き、「自分もチャレンジすることが大切だ」と改めて思った。
  • イプシロンは成長するロケットだと言ったが、私は開発者にチャレンジ精神、失敗を恐れない心があるから成長するのだと思った。
    ロケット打上を成功させるには、非常識な挑戦や自由な発想の想像力が大切だと思った。

『授業記録シート』6月30日

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・講師紹介等
展開
(65分)
・宇宙とは
 ○准南子に記された語句の紹介
 ○137億年を1年に例える
 ○地球と月の大きさや位置関係
 ○空の色の違い、重力について
・有人宇宙活動
 ○人類初の宇宙飛行士
 ○人類初の月面活動
 ○JAXAの有人宇宙活動
 ○NASAの有人宇宙活動
・国際宇宙ステーション
 ○誕生のいきさつ、各国の携わり方
 ○大きさやその機能
 ○行われている実験
・宇宙飛行士になって月に行こう
 ○チームパフォーマンスを最大に
 ○ISSでの過ごし方
△講義を聞きながら、メモをとる
△サイズ違いのボールや糸を使って、地球と月のスケールを確認する
まとめ
(12分)
・質疑応答
 ○宇宙食のインスタントラーメンについて
 ○ISSの軌道修正について
 ○ISSをどのように落下させるか
 ○新しい宇宙ステーションについて
 ○宇宙食は本当に美味しいのか
△積極的に質問が出ていた。

授業の感想・メモ

  • 宇宙飛行士は「チームパフォーマンス」と「英語力」が大切だと教わった。将来、宇宙飛行士になりたい自分に足りないことが分かった。
  • 「チームパフォーマンス」を最大にという言葉が印象に残った。ISSでは水の再利用など技術が1番大事で少しでも欠けたら危ないと思っていたが、技術が欠けても皆で助け合えば大丈夫ということば分かったからだ。宇宙だけではなく、それ以外でも言えることだと思ったからだ。仲間と協力できないと1人で物事を行うことになり上手くいかないことがある。相手の事を考え、協力することが大切だと思った。
  • 科学という言葉の意味や宇宙という言葉の意味について深く考えた事がなかったので、「科学は再現性」という言葉が印象に残った。

『授業記録シート』7月7日

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(3分)
・講師紹介等
展開
(64分)
・宇宙の環境
 ○大気がない、放射線が降り注ぐ、とても暑く寒い、重力がほとんどない
・宇宙の特徴
 ○重力がないので、重さの違うものでも平均的に混ぜることができる。また、モノを浮かせて混ぜることができる。
 ○液体を熱しても対流が起きない
・宇宙飛行士(人体)への影響
 ○筋肉・骨量の減少等
 ○対策の研究
・宇宙の衣食住
 ○衣(与圧服、船内服、宇宙服)
 ○食(日本食を含む宇宙食)
 ○食(今日のコーヒーは昨日のコーヒー)
 ○住(トイレ、ねむり方)
 ○住(ISSの壁の厚さ)
△講義を聞きながら、メモをとる
まとめ
(11分)
・質疑応答
 ○宇宙空間では水はどの位で凍るのか凍ったら球形になるのか
 ○宇宙空間は120℃から-150℃とあったが、それ以上やそれ以下はないのか
 ○宇宙食に賞味・消費期限はあるのか
 ○ISSで人間が呼吸して二酸化炭素が溜まるのではないか
△積極的に質問が出ていた。

授業の感想・メモ

  • 宇宙ステーションは、無重力ではなく無重量だと聞いて驚いた。
  • 宇宙ステーションは、宇宙の環境を利用した実験を行っていて、その実験が地球に役に立っていることがすごいと思った。これからもたくさんの実験をして、いろんなことが発展すれば良いと思う。
  • 宇宙ステーションではものが重さを持たないので、液体を均等に混ぜることができたり、空中に浮かせて混ぜたり作ることができるので、きれいな純粋なものができることに驚いた。まるで映画のようなことが出来るんだと思った。

鹿児島県・鹿児島県立楠隼中学校

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