教員研修

10年次教員研修会テーマ『ボランティア等社会体験研修』

東京都・東京都教職員研修センター

概要

全研修を通した趣旨

公共機関や福祉施設、企業等での見学や講義、体験活動から学んだことを、今後の校務運営や授業の改善に生かす。今回は宇宙航空研究開発機構(JAXA)を訪問し、JAXAや宇宙教育センターの活動内容の紹介、衛星・探査機ミッションについて知る。また、宇宙教育センターで行われている「宇宙」を素材とした導入教材の制作を班ごとに行い、最終日に発表する。

対象

都立小学校、中学校、高等学校、養護学校等10年経験の教員 22名

期間

平成18年8月24日~28日

回数(総時間)

3回(21時間)

構成表

実施日
時間
形式
人数
内容
1
420分
22名
オリエンテーション(5分)  
 遠藤 純夫
 (JAXA宇宙教育センター 参事)
「JAXAについて(組織を学ぶ)」
講義
 JAXA統合までの歴史(60分) 
 講師:的川 泰宣
 (JAXA宇宙教育センター長)
講義
 JAXAの現状について(60分)   
 講師:矢代 清高
 (JAXA広報部長)
講義
 JAXAの将来像について(60分) 
 講師:田中 哲夫
 (JAXA宇宙基幹システム本部 宇宙環境利用センター長)
講義
「くらしと宇宙 -日常・災害・環境-」(75分) 
 講師:岩本 裕之
 (JAXA産学官連携部 連携企画副グループ長)
「人間と宇宙」
講義
 有人宇宙活動の現状について(70分) 
 講師:村井 正
 (JAXA宇宙基幹システム本部 有人宇宙技術部 宇宙医学グループ主任医長)
講義
 有人宇宙活動の将来について(90分) 
 講師:福田 義也
 (JAXA宇宙基幹システム本部 有人宇宙環境利用プログラム推進室 参事)
 支援:遠藤 純夫・浅野 眞・岸 詔子・森 理恵
2
420分
21名
「科学と宇宙 -プロジェクトにおける問題解決方法とリーダーの役割について-」
講義
 赤外線天文衛星「あかり」(90分)
 講師:中川 貴雄
 (JAXA宇宙科学研究本部 赤外・サブミリ波天文学研究系 教授)
講義
 小惑星探査機「はやぶさ」(90分)
 講師:安部 正真
 (JAXA宇宙科学研究本部 固体惑星科学研究系 助手)
見学
宇宙科学研究本部 相模原キャンパス 見学(90分)
演習
ビデオ上映(授業に役立ちそうな宇宙関連映像の紹介)(90分)
「導入教材について」(55分)
講義
◎導入教材の重要性・導入教材研究(理科編・家庭科編)
 講師:遠藤 純夫
 (JAXA宇宙教育センター 参事)
講義
 素材を探せるHP紹介やマイスペースの利用方法
 講師:岸 詔子
 (JAXA宇宙教育センター 主査)
*28日の班分けに向けたアンケートを配布する。(5分)
 (導入教材検討を行いたい項目・専門・教科の調査)
参考教材:導入教材ガイドブック 理科編
 支援:遠藤 純夫・岸 詔子・森 理恵
3
420分
21名
*25日に配布したアンケートを回収し、宇宙教育センターで班分けを行う。
「宇宙教育センターについて」
講義
 総論・理論について(100分)  
 講師:的川 泰宣
 (JAXA宇宙教育センター長)
講義
 実践・活動事例の紹介(60分)
 講師:岸 詔子
 (JAXA宇宙教育センター 主査)
*班分けされたメンバー(科目別)を発表する。(20分) 
発表
記入したアンケートを発表する。(参加者全員)(120分)
 講評:的川 泰宣
 (JAXA宇宙教育センター長)
演習
班別協議による導入教材の検討・制作作業(90分)
発表
制作した教材を発表する。(班ごと)(20分) 
 講評:的川 泰宣
 (JAXA宇宙教育センター長)
*事後アンケートを記入する。(5分)
閉会挨拶(5分) 
 渡辺 勝巳
 (JAXA宇宙教育推進室長)
       
 支援:遠藤 純夫・岸 詔子・森 理恵

東京都・東京都教職員研修センター

第1回目/全3回『研修会記録シート』

実施日
8月24日
合計時間
420分
参加数
22名

<今回の研修の指導目標>
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)がどのような組織で、どんな活動しているのかを具体的に理解する。

時間配分
研修内容
受講者のようす・感想
研修の感想・メモ
講義
(185分)
オリエンテーション     

「JAXAについて
     (組織を学ぶ)」
JAXA統合までの歴史  
JAXAの現状について  
JAXAの将来像について 
・JAXAのことをほとんど知らないことがわかった。

・まだまだ宇宙のことについて知らないと思いました。

・JAXAの職員をはじめ、研究者からJAXAの宇宙教育についての主旨や宇宙開発の現状を学び、多くの知識を得ることができました。
講義
(75分)
「くらしと宇宙
 -日常・災害・環境-」
・宇宙開発と私たちの生活が密着しているのにおどろかされた。今まで意識していなかったところで、宇宙開発にともなう技術や物が使われていたりしたのを改めて感じる事ができた。

・宇宙開発を推し進めるための最新技術は、スピンオフされて私達の日常生活に様々な形で関わってきている。決して社会と隔絶された技術では無い事を知った。自ら担当する工業の分野と密接に関わっていることから、宇宙を意識した授業を展開しても良いと考える。
講義
(160分)
「人間と宇宙」
有人宇宙活動の現状について
有人宇宙活動の将来について
・現在の宇宙開発の目的、将来構想など理解でき、大変有意義でした。

・実際に「宇宙病院」ということで、かなり積極的に無重力を応用した医療研究が進んでいるということであった。しかし、輸送問題等、実際にはそれ以前の課題が大きく残っているということだった。

東京都・東京都教職員研修センター

第2回目/全3回『研修会記録シート』

実施日
8月25日
合計時間
420分
参加数
21名

<今回の研修の指導目標>
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)がどのような組織で、どんな活動しているのかを具体的に理解する。JAXA宇宙教育センターの活動趣旨を理解する。

時間配分
研修内容
受講者のようす・感想
研修の感想・メモ
講義
(180分)
「科学と宇宙
 -プロジェクトにおける
  問題解決方法とリーダー
  の役割について-」
赤外線天文衛星「あかり」
小惑星探査機「はやぶさ」
・宇宙開発の話をきき、日本のものづくりの現場の底力を見たように感じた。教員として、日本の技術の力に対する認識を新たにできた。HRや進路指導等、様々な場でプラス思考の話ができそうである。

・問題が起こった時にどのように対処していくか、その方法や取り組み方について学んだことを生かしていきたい。子どもたちが本当に知りたい、調べたいと行動できる課題であるか、教材であるかをしっかりと検討していくことが大切だと改めて感じたので、実践していきたい。
見学
(90分)
宇宙科学研究本部 
 相模原キャンパス 見学
・ビデオ
 「Welcome to ISAS」視聴
・M-3Sll(原寸模型) 解説
・飛翔体環境試験棟 見学
・構造機能試験棟 見学
演習
(90分)
ビデオ上映
(授業に役立ちそうな
宇宙関連映像の紹介)
毛利衛「宇宙で学ぶ理科実験」
1.ふわっと快適宇宙の生活
 -宇宙生活編-
2.不思議いっぱい無重力のヒミツ!-理科実験編-
講義
(60分)
「導入教材について」
導入教材の重要性
導入教材研究
(理科編・家庭科編)

素材を探せるHP紹介や
 マイスペースの利用方法

*28日の班分けに向けたアンケートを配布する。
(導入教材検討を行いたい
項目・専門・教科の調査)
・自ら担当する教科の教育活動に取り込む。具体的には、工業技術基礎で小型ペンシルロケットの製作を行う。課題研究で人工衛星の製作を行う。他にもセンサーや太陽電池の特性を測定したり、衛星からの画像をコンピューターで処理するといった内容も考えられる。

・英語の授業を通して、どうやって宇宙の素材を使っていくか?または、宇宙教育をしていくか?
 解決策:JAXAには様々な宇宙に関する画像があることがわかった。英語の授業に美しい宇宙の画像を使って、子どもの興味、関心、意欲を高めるとともに、英語で表現する力を養う。

・JAXAのホームページは教材の宝庫なので、積極的に素材を用い、日頃の学習に取り入れていきたい。

東京都・東京都教職員研修センター

第3回目/全3回『研修会記録シート』

実施日
8月28日
合計時間
420分
参加数
21名

<今回の研修の指導目標>
 JAXA宇宙教育センターが推進する活動を体験し、実際の授業に活かせるか工夫してみる。

時間配分
研修内容
受講者のようす・感想
研修の感想・メモ
講義
(180分)
*25日に配布したアンケートを回収し、宇宙教育センターで班分けを行う。

「宇宙教育センターについて」
総論・理論について
実践・活動事例の紹介

*班分けされたメンバー(科目別)を発表する。
・JAXAの教育センターとの連携の実践例を参考に、現在の所属校で有効なものを考えてゆきたい。

・広い宇宙の中の地球という惑星に住む1人の人間として地球の美しさ、大切さを考えていかなくてはいけないと感じた。今後の教育活動の中で未来をになう子供達にどんな事がなげかけられるか考えていきたいと思う。
班分けメンバー
Aグループ
 社会(小)、国語(小)
 算数(小)、理科(中)
B1グループ
 英語(中)
B2グループ
 体育(小)、理科(小・中)
Cグループ
 社会(小)
Dグループ
 家庭(高)、電子機械(高)
 化学(高)、工業・電子(高)
 総合情報(高)
Eグループ
 理科・社会除く全科(養)
 重度の知的障害(養)
 保健体育(養)
発表
(120分)
記入したアンケートについて発表する。(参加者全員)

*アンケートの内容は、「授業等で活用できると考えられる(あるいは活用してみたいと思う)事例または場面を挙げる」です。
・人工衛星の画像と忠敬の地図で伊能忠敬(社会)

・「宇宙で暮らす」をテーマに協力していくことやコミュニケーションの重要性を考えていく(道徳)

・漢字の「月」を学習する際に月の写真を見せてあげる(国語)

・知的障害が主たる障害の児童のため、自分で動くことはできますが言語でのコミュニケーションは難しい子がほとんどです。
「宇宙探検へ行こう!」
生活単元学習…アスレチックコースのように様々な場面に見たてたコースを楽しみながら進んでいる。
演習
発表
(120分)
班別協議による導入教材の検討・制作作業

制作した教材を発表する。(班ごと)    

*事後アンケートを記入する。

閉会挨拶   
・養護学校で「宇宙」の授業を行うことは正直むずかしいと思ったが、3日間話を伺い様々な切り口があることを知った。私は小学部低学年の担任だが、簡単な素材からイメージを膨らませ、活動してみたいと思った。星や宇宙に対する興味と同時に自分たちが住む地球への愛情、そして最後には自分自身を大切にする心を育んでいきたいと思った。

・宇宙のことを実際に導入教材や発展学習として活用できることを学んだ。今後は実際にどのように取り入れていくか等、具体的に教科等を考え、授業に生かしていきたい。そして、一番強く印象に残った「はやぶさ」での問題解決に取り組む姿勢を子ども達にも伝えていきたい。
発表タイトル
Aグループ 
 「大地はどのように
    つくられるのか」
B1グループ
 「英語科での展開例」
B2グループ
 手書き資料使用
Cグループ 
 「総合的な学習の時間」
Dグループ 
 「ふわっと快適宇宙の生活
 そして ぺろっと宇宙食」
Eグループ
 ペーパークラフト使用

東京都・東京都教職員研修センター

教員研修実績一覧

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