授業連携

リベラルサイエンスI 「地学」

東京都・東海大学付属高輪台高等学校

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概要

<全授業を通した指導目標>

「宇宙」の中でも宇宙開発や電波観測等よりも、最も身近に捉えることのできる宇宙環境について、下記のようなことを学ばせたい。
1.宇宙空間とはどういうところなのか。
2.真空とはどんな状態であるのか。
3.無重力の世界では、人間はどうなってしまうのか。

<対象>

高校1年生 48名

<期間>

平成18年11月7日~12月19日
回数(総時間):5回(7時間55分)

<区分>

SSH(スーパーサイエンスハイスクール)

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
100分
授業
46名
DVDを見ながら宇宙環境がどんなところなのか学ぶ。
2
100分
講義
47名
「宇宙空間とはどういうところか」
講師:益子 岳史
(JAXA宇宙科学研究本部
ISS科学プロジェクト室 宇宙航空研究員)
支援:浅野 眞
3
100分
実験
47名
地球がいかに特別な環境であるのかを実感させるために、地球の大気圧や真空をテーマに実験を行う。
支援:浅野 眞
4
75分
見学
47名
筑波宇宙センター見学
5
100分
講義
48名
「太陽系について」
>講師:田中 智
(JAXA宇宙科学研究本部 固体惑星科学研究系 助教授)
支援:浅野 眞

第1回目/全5回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
「宇宙環境」について学ぶ全5回の授業の第1回目であるので、その導入として、宇宙について考えるきっかけ作りをすることを目標とする。そのために、真空や無重力を取り上げ、宇宙空間は我々の住んでいる地上とは大きく異なるということを気付かせる。今回は、無重力や真空を扱ったDVDを活用する。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
導入
(10分)
全5回の講座の流れを理解する。
◎講師の自己紹介、講座の説明
△説明を聞く。
展開
(75分)
これから行われる講座のテーマとなる、真空や大気圧について考えさせるために、DVDを2本見る。
「毛利衛 宇宙で学ぶ理科実験」
「こんな僕でもスーパーキッズ!~不思議な無重力の世界~」
◎DVDの活用
まとめ
(15分)
第1回目の最後として、宇宙に関するいくつかの質問をあらかじめ用意しておき、それをクイズ形式で答えていき、宇宙に関する興味を高める。
また、第2回にJAXAの方をお呼びすることを伝え、そのときに聞きたいことを書いてまとめておく。
△質問を書く。

授業の感想・メモ

  • 初回の授業で宇宙に関する興味・関心を引くという目的は、DVDの活用で概ね達成できたと思う。今回使用したDVDはとてもわかりやすくまとめられており、生徒にも好評であった。ただ、やはり放課後に2本のDVDを見るのは、生徒にとっては少し厳しいかなとも感じた。

第2回目/全5回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
第1回の内容を踏まえた上で専門家をお呼びして、「宇宙空間とはどういうところか」というテーマで、真空や微小重力、国際宇宙ステーションについての講義をしていただく。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
          
導入
(5分)
「宇宙空間とはどういうところか」
<講師自己紹介>
現在どのような研究をしているのか、今日はどのような話をしていただくのか。
◎講師のご紹介
△挨拶
展開
(75分)
パワーポイントを交えての説明を聞く。
真空、微小重力、国際宇宙ステーション、また国際宇宙ステーションで現在行われている微小重力を利用した研究の話をしていただく。
△研究者のお話を聞き、宇宙環境についての知識を深める。
まとめ
(20分)
講義内容を含めた宇宙環境についての質問をする。
◎生徒に質問を促す。
△質問をする。

授業の感想・メモ

  • 物理を未履修の生徒にとっては少し難しいようだったが、現役の研究者と接することのできる今回のような機会はとても重要だと改めて感じた。高校教員では話すことのできない、研究者目線での貴重なお話を聞けるというのは、生徒にとって大きな刺激になったと思われる。特に講義後に、講師の方と生徒が直接お話をする時間を設けられたのは、とてもよかったと思う。 

第3回目/全5回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
地球がいかに特別な環境であるのかを実感させるために、地球の大気圧や真空をテーマに実験を行う。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
導入
(10分)
本日行う実験の説明をする。
◎実験の説明。
展開
(80分)
(1)ゴム板(大型吸盤)

(2)サランラップ(空気を抜いて破裂させる)

(3)アルミ缶(空気を抜いてつぶす)

(4)演示:真空落下実験装置

(5)マシュマロ(空気を抜いて様子を観察する)

(6)低温沸騰
(真空に近い状態だと、通常の沸点よりも下がることを観察する)
宇宙服についてのDVDを見る

(7)演示:プロペラ機とロケットの比較
(デシケータの利用)
◎生徒の様子を見ながら、実験がスムーズに進められるようにサポートする。

△4人一組の班に分かれて、ひとつの大気圧実験装置を使って実験をする。
まとめ
(10分)
行った実験をプリントにまとめる。
特に、なぜそうなったのかを考えさせる。
◎まとめの説明をする。
△プリントにまとめる。

授業の感想・メモ

  • 今回の実験は、日本宇宙少年団の方にもご協力していただき、実験道具をお借りして実施することができた。実験道具がそろっていない本校にとっては、とてもありがたいご支援で、これにより班毎の実験が可能になった。実験は主に、大気圧と真空を感じさせるもので比較的簡単なものであったが、生徒が実験後になぜそのような結果になったのかまでを考えるには、ちょうど良い内容であったと思う。あと数個の実験を予定していたが、想像以上に時間が足りなくなり、できなくなってしまったものもあったので、今後は時間配分等も含めた全体のバランスを再考する必要がある。

第4回目/全5回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
筑波宇宙センターを訪問し、最先端の研究に触れる。実際に宇宙開発が行われている場所を自分の目で見ることによって、宇宙開発を身近に感じることを目標とする。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
導入
(5分)
本日参加するツアー見学の説明、及び担当ガイドの紹介。
◎ガイドのご紹介
△挨拶
展開
(75分)
<ツアー見学に参加>
ビデオ上映
展示室
宇宙ステーション試験棟
宇宙ステーション運用棟
まとめ
(10分)
最後に、用意していたワークシートに記入してまとめる。

授業の感想・メモ

  • 実際に宇宙ステーションが作られた場所を見て、学校にいては感じることのできない規模で行われているということや、本物の宇宙服・宇宙食等を見て、宇宙を身近に感じることができたと思う。実際に宇宙開発が行われている場所を訪れるということは、これまでそのような場所を訪れたことのない生徒にとって、とてもよい刺激になるので、今後も続けたいと思う。

第5回目/全5回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
これまで学んできた宇宙環境から発展させて、専門家をお呼びして、「太陽系について」というテーマで講義をしていただく。前回までの講座で学んだ地球の環境との対比を行うことも目標とする。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
          
導入
(5分)
「太陽系について」
<講師自己紹介>
現在どのような研究をしているのか、今日はどのような話をしていただくのか。
◎講師のご紹介
△挨拶
展開
(75分)
パワーポイントを交えての説明を聞く。
太陽系の他の惑星や月における環境の話をしていただく。
まとめ
(20分)
講義内容を含めた宇宙環境についての質問をする。
◎生徒に質問を促す。
△質問をする。

授業の感想・メモ

  • 当初、本時は生徒自身によるまとめにしようと考えていたが、教育センターの方とも相談し、研究者の方をお呼びして講義にした。
    まだあまり知識が十分でない中の講義で不安はあったが、講師の方に非常にわかりやすく、そして楽しく説明していただいたので、生徒の宇宙に対する興味・関心をさらに引き出すことに成功したと思う。内容については、特に今年の夏に話題を呼んだ太陽系の話を含め、月の話など身近な話題から説明していただいたので、とてもよかった。また、第2回に引き続き研究者の方をお呼びしたことで、生徒は、研究者に対しても身近に感じることができるようになったと感じた。ぜひ今後も続けたい。

東京都・東海大学付属高輪台高等学校

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