授業連携

宇宙開発と無重量状態について学ぶ

群馬県・群馬県立前橋女子高等学校

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概要

▲8月3日「無重力実験装置を使用した実験」装置を  落下させる直前の様子

<全授業を通した指導目標>

高校の授業では扱わない宇宙開発に関する意義や現状、そして無重量状態について学習する。この講座のねらいは、宇宙開発に関する研究あるいは研究者に接することで、興味関心を持たせるとともに、宇宙開発をはじめとする最先端の研究や科学技術を身近なものとしてとらえさせ、研究や科学技術にかかわる分野を将来の進路として意識させることである。また、最先端の研究や科学技術を理解するためには高校で学習する基礎・基本がいかに大切であるかを認識させ、高校での学習意欲を喚起させたい。

<対象>

高校2年生 31名

<期間>

平成19年7月27日、8月3日

<区分>

SPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
150分
講義
31名
「無重力の世界を探る 生物はどのように重力を感じるか」
講師:高沖 宗夫
(JAXA有人宇宙環境利用プログラム グループ宇宙環境利用センター 主幹研究員)
支援:宮原 有香
2
270分
実験
見学
30名
無重力実験装置を使用した実験(150分)
筑波宇宙センター 施設見学(90分)
質疑・応答(30分)
支援:宮原 有香・浅野 眞

第1回目/全2回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
高校の授業では扱わない宇宙開発に関する意義や現状、無重量状態について学習する。そして、宇宙開発に関わる研究や研究者に接することで、最先端の研究や科学技術を身近なものとしてとらえさせるとともに、高校での基礎・基本の大切さを再確認させる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
事前指導
(10分)
・運動の法則について

・無重量状態について
◎事前指導で運動の法則や無重量状態等について説明する

△事前指導を通して全体の流れや目的を理解する
事前に宇宙開発・無重量実験・連携施設等の調べ学習をさせる
展開
(120分)
・無重量状態について
・宇宙生命科学の目的
・無重量状態における植物(キュウリ)
・動物(メダカ)への影響
・無重量状態における人体への影響
◎情報機器の準備・設置を行い、講師の補助や生徒の観察をおこなう

△講義のメモをとり、内容を理解する
講義中に発生した疑問点等を積極的に質問するよう促す
まとめ
(30分)
・次回の落下実験について

・質疑・応答
△班ごとにあらかじめ考えておいた落下装置の案を再検討し、講義内容等をレポートにまとめる
疑問点や装置についての質問を促し、本日中にレポートにまとめさせる

授業の感想・メモ

  • 生徒の宇宙開発のイメージはロケット等をはじめとする物理学的なものであり、今回のような生物学からのアプローチの存在が多くの生徒の興味・関心を高めたとともに、自分たちも宇宙開発に関われる可能性を感じさせたようである。講義で扱った内容と高校での授業内容の重複に驚きがあったり、講義後半の専門的な内容は生徒には少し難解であったようだが、それが次へのステップへのモチベーションにもなったようである。

第2回目/全2回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
自分たちで考案・作成した装置を実際に落下させ、それを改良していくことを体験する。また、施設見学を行い、宇宙開発の現状や研究の現場を理解する。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
実験
(150分)
・落下型実験装置による落下実験

・落下実験の映像をみながらの解説
◎講師・支援者の補助

△あらかじめ用意しておいた実験装置を完成させ、落下実験を行い、改善できる点を改善し、再実験を行う

△講師による解説により、考察を深めるとともに、他班の結果についても知る
・実験装置は自分たちで考案・作成させる
・結果を予想させ、実験結果をふまえて考察させる
施設見学
(90分)
・筑波宇宙センターの展示室、宇宙センター試験棟等の見学
△解説員による説明を受け、疑問点を質問する
質疑応答
(30分)
・全体を等しての質疑・応答
△講義・実験をはじめ、疑問に感じたことを質問する
・積極的な質問を促す

授業の感想・メモ

  •  実際に自分たちで考案した装置で実験を行い、結果が予想と異なったり、うまくいかなかったりと、改めて実験・研究の難しさを感じたようであった。それと同時に実験・研究の楽しさも体験することができた。日常では意識しなかった宇宙についても身近なものとして感じることができ、さらに自身での無重力体験や宇宙飛行士の体験談・宇宙食などますます興味が深まったようである。また、施設見学も貴重な体験になったようで、これらの体験が日常の生活をより活性化させることになると思う。

群馬県・群馬県立前橋女子高等学校

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