授業連携

未知への挑戦~惑星探査の実際~

栃木県・栃木県立小山高等学校

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概要

<全授業を通した指導目標>

本校数理科学科の生徒は、科学的な事柄に大きな興味・関心を持っているが、その具体的な事例や内容についての知識は乏しい状態である。このような生徒たちにJAXAなど研究機関と連携し、最先端の科学技術や研究を示すことは、学習意欲を高め進路を考える上で非常に有意義なことと考える。
また、普段の授業でひとつのテーマについて、掘り下げて学習することは時間的に困難なため、授業以外の時間を活用することが求められている。SPP事業講座型学習活動は、こうした状況を解決するには最適な事業であり、今までSPPに参加してきた状況を考えるとその教育的効果が非常に大きい事業であると実感している。
今年度は、多くの生徒が興味・関心を持つ宇宙天文分野でどのように宇宙が開発されているか、宇宙開発がどのように発展していくかを考えるために、具体的な惑星ロボットのプログラミングと操作を行う。このことを通し、ただ単に宇宙について学ぶだけでなく、実際の探査計画の立て方、ロボット光学などを多岐にわたる内容を学習することができる。その中でこの講座後に発展的事項を生徒自らが探究していければと期待している。

また、探査計画をグループごとで討論し考えることで、コミュニケーション能力を育成することを考えている。

また、年度末に課題研究の内容をレポートにまとめ特別活動記録集として発刊、かつ12月に予定されている2学年の数理科学科の課題研究発表会を行い、表現力を養い、情報発信力を養いたいと考えている。そしてさらに、興味関心を高め、生徒自らの進路を決定させる機会とさせたい。

<対象>

高校生 16名

<期間>

平成21年8月5日~平成21年8月28日

<区分>

SPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
210分
見学
講義
16名
相模原キャンパス 施設見学
『惑星探査について』
講師:久保田 孝
(JAXA宇宙科学研究本部宇宙探査工学研究系/教授)
支援:松岡 均・伊藤 和哉
2
60分
発表
16名
生徒が4つの班に分かれ、それぞれの班で考えた惑星探査計画を発表する。
講評:久保田 孝
(JAXA宇宙科学研究本部宇宙探査工学研究系/教授)
3
210分
発表
実習
実験
16名
班の計画発表(40分)
ロボットアーム実験説明・体験

結果講評
講師・講評:久保田 孝
(JAXA宇宙科学研究本部宇宙探査工学研究系/教授)
支援:宮原 有香

第1回目/全3回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
施設の見学や講義を受けることにより、惑星探査の実際について学習し、
生徒自らが惑星探査計画を立てることができる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(60分)
JAXAやロケット・衛星の理解
◎日程の説明をする

△JAXA紹介ビデオの視聴

△JAXA一般展示室の見学
展開
(120分)
惑星探査計画の理解
△久保田先生の講義を聞き、実際の惑星探査化計画について理解する。

△JAXA内の研究施設(衛星オペレーション室、衛星組立て施設など)を久保田先生の説明を聞きながら見学する。
生徒が講義を記録できるよう、記録用紙を配布する。

生徒が自由に質問できるよう促す。
まとめ
(30分)
生徒独自の惑星探査く計画の立案
△ここまでの学習内容をまとめる。

△3人から4人の班に分かれ、惑星探査計画を考える。

◎今後の日程の説明

◎班の確認をする

授業の感想・メモ

  • 最先端で研究している方の講義や研究施設を見学できたことは、科学に興味を持つ生徒にとって良い刺激となった。

第2回目/全3回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
生徒が3人から4人の班に分かれ、その班で議論を通し自分たちの惑星探査計画をまとめることで、
コミュニケーション力を育成し、その計画を発表することで表現力・情報発信力を養う。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
発表内容・発表方法の確認
◎日程を説明する

△各班で作成した探査計画の内容を確認し、発表方法を確かめる。
展開
(40分)
探査計画の発表
△各班でプレゼンテーションソフトを使用して惑星探査計画を発表する。

△発表時間は5分から10分程度

◎司会進行をする。
発表ではゆっくり話すことを意識させる。
まとめ
(10分)
探査計画の修正
△他の班の発表を参考にし、自分たちの探査計画の内容、発表方法を修正する。

◎今後の日程を説明する。

授業の感想・メモ

  • 講師が来校する予定であったが、日程の調節がつかず、また、学校のインターネットのセキュリティのためテレビ会議もできない状態で、生徒と教員だけの発表になってしまったのは残念であった。

第3回目/全3回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
探査計画について評価を受けることで、各班での今後の課題を明確にする。
ロボット・アームを実際に操作することで、惑星探査の実際を理解する。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(60分)
各班の惑星探査を評価する

実験・実習の内容の理解
◎日程を説明する。

△プレゼンテーションソフトを使用して惑星探査計画を発表する。

△講師の講評を聞き、計画の課題を明確にする。

△実験・実習の内容を理解し、その準備をする。
展開
(120分)
ロボット・アームの操作
△2人から3人のグループに分かれる。

△ロボット・アームの特徴、動きを理解する。

△どのようにロボット・アームを操作するかの計画を立てる。

△アームを操作する人と、その人に指示を出す人とに分かれて、砂地の上の石をアームで取る。

△各グループ10分程度行う。

◎実験・実習の補助
生徒が積極的に行動できるよう促す。
まとめ
(30分)
講師の講評
△自己評価をしそれを発表する。

△講師の講評を聞き、課題を明らかにする。

授業の感想・メモ

  • 講師の講評を受けることで、専門家・研究者の視点というものを生徒が意識し、自分たちの課題がなんであるか明らかにできたようだ。また、最新の装置を操作することは、普段の学校生活では難しく、今回の体験は生徒にとっては今後の進路を考える上で貴重な体験になったと思う。

栃木県・栃木県立小山高等学校

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