授業連携

素粒子の世界が宇宙の謎を解く~素粒子がもたらす未来の科学技術~

千葉県・東海大学付属望洋高等学校

  • 高等学校
  • 高3
  • 探究

概要

<全授業を通した指導目標>

 物質を構成する究極の世界の一端を触れ、素粒子が私達とどのように関わり合いを持っているかを考察させたい。素粒子の基本を学習しながら、究極の粒子を探るための最先端技術や宇宙誕生の謎の解明、イオンエンジンに代表される探査衛星技術を学習したい。本講座が求める連携機関では、KEKやJAXAとの連携が最も周辺地域の研究機関において適切な場といえる。講座では、「素粒子に関わる科学技術が私たちの生活にどのように寄与しているのか」をテーマに、(1)素粒子とは?加速器とは?(2)大きな加速器を動かす制御システム、(3)私たちの生活と制御システムを高エネルギー加速器研究機構において基礎的知見を学びたい。また、素粒子に絡む宇宙科学的分野もしくは探査衛星の制御メカニズムについての理解を深めさせたい。
 素粒子物理学が私達の生活に密接に寄与していること、宇宙の謎を解明していく上で重要な分野であることを知ることで、高等学校で履修する物理学以外の世界の扉を開かせたい。現代の科学技術の有り様を考えさせる上で貴重な学習体験となり、未来を担う生徒にとっての社会的意義は大きいといえる。

<対象>

高校3年生 20名

<期間>

平成25年10月19日~平成26年1月25日

<区分>

SPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
10月19日
50分
講義
20名
事前学習:本校実施
・本テーマに関する全体ガイダンス
・講座の目的、達成目標、取り組みに関する指導を実施。
2
10月22日
50分
講義
20名
事前学習:本校実施
電磁気学、加速器の原理、原子構造、陽子、中性子、電子などの基本粒子の紹介と、陽子をさらに細分化した素粒子(電子、光子、ニュートリノ、クォークなど)に関する基本事項を本校教員より指導。
3
10月25日
390分
講義
実験
15名
(高エネルギー加速器研究機構(KEK)にて実施)
テーマ:「加速器におけるビーム制御について」
・施設見学
 Bファクトリー加速器KEKB(ケックビー)、加速器トンネルと、Bell測定器を中心に見学。
・講義、実験
 電磁気学に関する講義、四極電磁石の磁場測定実習
討議・発表
・グループディスカッション、プレゼンテーション実習
講師:山本昇 氏 (高エネルギー加速器研究機構加速器第二研究系教授)
   北林照幸 氏 (東海大学理学部物理学科准教授) 
4
11月12日
180分
講義
実習
15名
(本校にて実施)
テーマ:「荷電粒子がもたらす技術革新」
・素粒子がもたらす未来の科学技術について学ぶ。宇宙開発の最新技術を学習し、未来の科学技術を拓く知識を身につける。
・講義
 荷電粒子を使った宇宙実験やその宇宙応用について
 はやぶさ初号機の説明とその成果
 日本の宇宙開発の歩み
討議・発表
・グループディスカッション・プレゼンテーション実習
講師:清水幸夫 氏(JAXA 安全・品質保証室室長)
   門倉真士 氏(JAXA 宇宙教育センター主事)
5
12月13日
330分
講義
実習
15名
(JAXA相模原キャンパスにて実施)
テーマ:「イオンエンジンについて」
・講義
 JAXAについて、はやぶさのミッションについて、 ロケットや人工衛星の推進力について、イオンエンジン、電気推進について
・実習
 イオンエンジンを中心として電気推進エンジンのしくみを理解した。実習では、研究施設にあるイオンエンジンを動かし、制動の様子を観察。
討論・発表
・グループディスカッション、プレゼンテーション
講師:西山和孝 氏(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系准教授)
   門倉真士 氏(JAXA 宇宙教育センター主事)
6
1月25日
50分
まとめ
17名
事後学習:本校実施
事後学習として、講座全体のアンケート調査ならびに感想の記入ならびに講座で得られた知見の総括を行った。

千葉県・東海大学付属望洋高等学校

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