センター長からのご挨拶

センター長からのご挨拶

 「宇宙」ほど、その神秘的で圧倒的な存在感ゆえに、子供も大人も関係なく、好奇心や冒険心をかきたてるものはないでしょう。その宇宙の価値を、教育・人材育成に役立てることが「宇宙教育」の基本的な考え方であり、それが宇宙教育センターの理念として明文化されているものと考えています。

 私自身が宇宙にあこがれ、JAXA有人宇宙技術部門で長らくスペースシャトルや国際宇宙ステーション(ISS)での宇宙実験や教育プログラムに携わってきましたので、宇宙の価値と宇宙教育の意義は身をもって感じているところです。宇宙用実験装置の開発に取り組んでいた2002年に、高校生を対象としたタンパク質結晶生成実験のスペースシャトル宇宙実験教育プログラムも担当したのが、私と宇宙教育の最初の出会いでした。それ以降、宇宙実験を担当しつつ、機会のあるごとにISSを活用した教育プログラムを実施してきました。そして2024年2月から宇宙教育センターにて宇宙航空全体を対象とした教育事業を担当することになりました。

 JAXAでは上記の有人宇宙技術部門のように各部門でも教育関連活動が実施されていますが、2005年に宇宙教育センターが設立され、宇宙教育の重要性がJAXAの組織として明確化されました。広報部が宇宙航空の研究開発そのものの普及啓蒙を担うのに対して、宇宙教育センターでは宇宙航空を素材として用いる教育活動を、各部門さらに他機関とも連携して実施しています。

 当センターは設立当初よりSTEAM教育の考え方を先取りし、持続可能な開発目標(SDGs)にも寄与する多種多様なプログラムを実施してきました。なお、設立から約20年が経過し、社会、科学技術、教育現場をとりまく環境も様々に変化しています。宇宙教育においては、「変えるべき部分」と「変えてはいけない部分」を見定め、未来社会を切り拓く人材育成に貢献すべく、更に発展的なJAXAならではの取り組みを進めてまいります。引き続き、皆様の一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

青少年の皆さんへ

 宇宙航空分野は、JAXAだけでなく現在では多くの民間企業も続々と参入し新しい時代を迎えており、様々な分野から宇宙航空の仕事に関与することができます。
私たちは宇宙航空分野だけでなく、それ以外の分野を目指す皆さんも応援しています。ぜひ、当センターの様々な教材に触れ、また各種プログラムに参加してみてください。 皆さんが地球や現代社会が抱える様々な問題の解決に挑戦してくれることを期待しています!

宇宙教育にご協力いただいている皆様へ

 宇宙教育は、当センターだけで実施できるものではありません。 基本的には、日本全国におられる数多くの宇宙教育関係者の皆様の取り組みがあるからこそ、宇宙教育の実践と継続的な発展が可能となっています。 これまで数多くの教材や教育プログラムを開発してきましたが、ぜひ新たなご提案やご要望をお寄せください。 私たち大人こそが夢や未来を語り、それぞれの宇宙教育の理念を議論し、宇宙教育の仲間を増やし、共に次世代の育成に取り組んでいきましょう!

JAXA 宇宙教育センター長
谷垣 文章

メディア出演

2024年7月6日㈯放送 エフエムしみず「♪WEEKEND WAVE ♪」内「COSMIC LOVE」

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