センター長からのご挨拶

センター長からのご挨拶



見上げると、空は青く、ゆっくりと、川は流れる。
そんな、私たちが暮らす地球は、宇宙の中でも特別な惑星です。

宇宙開発や、宇宙航空技術の仕組みを通して理解するのは、宇宙のことだけではなく、我々が住む地球のこと。広く遠い宇宙の一点から地球を眺めてみることで、気候変動、温暖化、パンデミックなど、地球全体が同時に取り組んでいかなくてはならない地球規模課題に立ち向かえる次世代育成を目指します。



Education for All

2030年までに、よりよい世界を創るために達成すべき国際目標に「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」があります。これは、17のゴール、169のターゲットから構成されるものですが、地球規模で積極に取り組まれているもので、人間の生き方や在り方を発展させる大事な指標でもあります。JAXAの宇宙教育センターも、「質の高い教育をみんなに(目標4)」「ジェンダー平等を実現しよう(目標5)」「気候変動に具体的な対策を(目標13)」を基軸とし、学校教育連携、社会教育活動連携、さらに国際協力に資する活動に努めてまいります。

宇宙航空分野には未だ解明されていない謎が多く、だからこそ、強い信念を持って研究に取り組む姿勢と粘り強さが必要です。JAXA宇宙教育センターは、最先端の研究が垣間見れる体験的学習機会を提供していますが、普段から持続的に学習できるよう、様々な教材を配布し、オンラインでの学びの機会の拡充にも努めてまいります。

また、STEAM教育は、個人の年齢や興味、才能や特性に関わらず、広く活用されていくべきものです。宇宙航空関連の素材を通して、楽しく学んでもらうことで、既存の枠にとらわれず、何事にも、よりポジティブに取り組める姿勢を身につけてほしいと思います。

宇宙で学ぶ。宇宙から地球を知る。そのためのネットワーク作りには、皆さんの参加があってこそです。色々な形で、みなさんと一緒に学ぶ機会がありますよう。そして、日本内外のたくさんの人々が、宇宙教育を通じて、生きる目標やヒントが得られますよう。人がつながり合う価値とそこに生まれる可能性を、JAXA宇宙教育センターから発信していきたいと思います。

宇宙教育センター長
宇宙教育センター長
北川 智子

プロフィール

 福岡県大牟田市出身。明善高等学校理数科卒業。カナダのブリティッシュコロンビア大学で数学と生命科学を学んだ後、米国プリンストン大学で歴史学の博士号を取得。米国ハーバード大学で歴史のクラスを教え、その内容は欧米や中東、アフリカを含む世界各地での講演活動へと広がって行った。著書に『ハーバード白熱日本史教室』(新潮新書)、『世界基準で夢をかなえる勉強法』(幻冬舎)、『異国のヴィジョン』(新潮社)などがある。

 グローバルヒストリーと数学史の研究者として、英国ケンブリッジ大学ウォルフソンカレッジ、米国カリフォルニア州立大学バークレー校、ドイツのマックス・プランク数学研究所でヨーロッパ・アメリカ・アジア地域の数学史研究を進め、アフリカ地域の研究のために南アフリカのプレトリア大学にも赴任した。2018年以降、英国オックスフォード大学数学研究所とオックスフォード大学ペンブルックカレッジで学術研究を続けながら、学歴、国籍、世代にとらわれないオンライン教育の促進のためヴァーチャル模擬授業や、外交関連イベントでの講演を行った。

 2022年4月1日より現職。夢を追いかける姿勢を子どもたちに、学問を追求する姿勢を学生たちに伝えながら、国際的な場で地球規模課題に立ち向かえる人材を育むことを宇宙教育の目標としている。


宇宙教育センターについて

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