授業連携

地球を救う太陽を調べよう

千葉県・銚子市立銚子高等学校

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概要

<全授業を通した指導目標>

地球は、太陽の恩恵を受けて多種多様な生物が存在する豊かな星となった。太陽は食物連鎖の基点となる食物を育て、現在の私たちが使っている化石燃料をつくった。また、今後、化石燃料の代替エネルギーとして考えられるものも、太陽光であったり、風力であったりと太陽エネルギーの利用や宇宙開発といった知識や技術を高めていくことは不可欠である。
さて、2009年7月22日に日本で46年ぶりに皆既日食が観測できる。数十年に一度の天文現象に、多くの人々は関心を寄せているところである。関東付近においても最大で7割程度の部分日食を観察することができる。この機会にただ単に部分日食を観測するだけでなく、科学的な手法で観測したいようについて深く学習できるようにする。このことをきっかけにして、生徒に太陽や宇宙について興味・関心を高められる体験を積ませることで、科学への学習意欲を向上させるとともに、将来、宇宙開発等に携わる人材を輩出できるようになることを期待して講座を設定した。

<対象>

高校1年生 16名

<期間>

平成21年7月10日~平成21年7月22日

<区分>

SPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
01
7月10日
30分
授業
16名
事前指導(グループ分け・諸注意)
02
195分
見学
講義
16名
相模原キャンパス 施設見学
太陽電波に関する講義
講師:朝木 義晴
(宇宙科学研究本部宇宙情報・エネルギー工学研究系/助教)
支援:松岡 均・宮原 有香
03
180分
実習
16名
パラボラアンテナの製作
製作したパラボラアンテナを使った太陽電波の検出実習(生徒)
支援:松岡 均・宮原 有香
04
300分
実習
16名
日食の観測(太陽電波の観測)
発表
発表会まとめ
支援:松岡 均・宮原 有香

第2回目/全4回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
7月11日の授業の指導目標:講座全体の導入になるので、興味関心を喚起し、意欲的に参加できるようにする。また、講座を行いための基礎知識を定着させる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(60分)
JAXA相模原キャンパスの施設を見学した。これまでに取り組まれてきた概要やその結果としてわかってきたこと等を理解した。
◎講師は、丁寧にわかりやすく生徒に対して説明をしていた。

◎引率教師は講師のサポートをした。

△講師の指示に従って、説明を受けたり質問をしたりした。
気温が高く、熱中症等で体調を崩さないように留意した。説明の理解が難しい生徒に対して個別に指導をした。
展開
(120分)
太陽電波に関する講義を受講した。
・電波の種類と性質
・太陽について
・太陽電波の特性とその利用
・太陽電波の受信方法
・宇宙全体に関する質疑
◎講師は、パソコンを利用して丁寧にわかりやすく生徒に対して説明をしていた。また、生徒の興味や関心を高めるため宇宙全体について質問できるコーナーを設定した。

◎引率教師は講師のサポートをした。

△生徒は講師の説明を受けて、疑問に感じた事柄は随時質問し講義を双方向の形で受講することができた。
説明の区切りごとに、短いスパンで質問の機会を与えることで、理解を高めた。また、講義が受け身にならないように生徒が発言する機会が多く設定されていて良かった。
まとめ
(15分)
・本日の講座のまとめ
・時事の講座の予告、持ち物等の確認
◎講師は、本日の講義の重要な事項について確認をした。また、次回の学習内容の予告と留意点について確認した。

△生徒はメモをとりながら明日の実習の見通しを立てた。
きちんと連絡事項が理解できたか再度確認した。

授業の感想・メモ

  • 午前中の施設見学では、展示物について専門家から詳しく説明を受け知的好奇心を高めることができた。特に現在、宇宙の開発がどの程度進められているのか理解できたことは大きな収穫となった。午後の講義では、身近なところから電波についてお話しいただき生徒は実感の伴う理解を深められた。また、宇宙に関する質問のコーナーではこれまで宇宙に関して疑問に感じていたことを質問することができて生徒の興味・関心を更に高めることができた。

第3回目/全4回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
7月12日の授業の指導目標:日食の観測実習に必要な観測器具の準備と観測技術の習得、観測データの処理について理解し定着させる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
・本日の講座の内容を理解する。
・実習の手順について理解する。
◎パソコンを利用して、わかりやすく説明した。

△メモをとりながら聞くことができた。
講義と実習が円滑に流れるように、入念な準備を行った。
展開
(165分)
・太陽電波についての確認
・太陽電波の受信方法を実習によって体得する。
・太陽電波の観測後に得られたデータを解析する。
・液体窒素の演示実験を行い理解を深める。
・太陽電波を観測するパラボラアンテナの作成方法知る。
・パラボラアンテナの作成をする。
◎講義では日食についての話やパラボラアンテナの話をわかりやすくパソコンで説明した。また、場面を変えて屋外での実習体験では、実験装置の利用方法をひとりずつ時間をかけて器具を操作させ習得させた。班ごとに太陽電波をキャッチするパラボラアンテナの作成では作成の手順とコツを理解させ丁寧に製作させた。
場面転換が多いので、効率よくローテーションを組んで実習を進めた。また、パラボラアンテナの製作では、見本を事前に作成し、つくるポイントを知らせて丁寧に作成させた。
まとめ
(5分)
・本日の講座のまとめ
・時事の講座の予告、持ち物等の確認
◎講師は、本日の講義の重要な事項について確認をした。また、次回の学習内容の予告と留意点について確認した。

△生徒はメモをとりながら日食当日のの実習の見通しを立てた。
きちんと連絡事項が理解できたか再度確認した。

授業の感想・メモ

  • 本日の講座は、体験的に学ぶことが多く、生徒は日食当日に向けて基本的な知識や技能を意欲的に習得することができた。また、製作実習では、短時間にパラボラアンテナを協力して作成することができた。日食当日への期待感が更に高まった。

第4回目/全4回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
7月22日の授業の指導目標:日食の観測を太陽電波によって行う。
また、得られたデータから日食中の太陽電波の変化をグラフ化し考察する。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(55分)
・本日の講座の内容を理解する。

・実習の手順について理解する。
◎パソコンを利用して、わかりやすく説明した。

△メモをとりながら聞くことができた。
講義と実習が円滑に流れるように、入念な準備を行った。
展開
(240分)
・天候に恵まれず、待機時間にこれまでの復習や観測のシミュレーションを行った。

・10:00過ぎから徐々に晴れてきたので実験装置のセッティングを行い、観測に備えた。

・午前11:00から太陽電波の観測を行った。

・観測データの処理を行った。
◎天候の判断をしながら、実験機材のセッティングを行った。また、待機中には生徒が飽きないように関連する講義を行った。観測実習では、トラブルのないように細かく指導を繰り返した。

△講師の指示に従い、講義を受けて観測実習を行い、データの処理をした。
天候に恵まれず、日食の初期段階からの観測ができなかった。そのため、実験室においてこれまでの復習や日食の他地区の状況について調べさせた。
まとめ
(5分)
これまで学習したことのまとめを行った。データについては時間の関係で、後までまとめきれなかったが、概ね日食の最中の太陽電波に要すがグラフ化できた。
◎得られたデータの考察を行い、生徒の功績を賞賛した。
・長時間にわたる観測で生徒はやや疲弊していた。ので、体調の不良にならないように留意した。

・得られてデータについて共有化した。

授業の感想・メモ

  • あいにくの天候になってしまったが、太陽電波は曇っていても観測できるので日食の途中から実習することができて良かった。また、雲間から対日食中の太陽が数秒見られて生徒は満足していた。得られたデータを後日グラフ化したが、データが比較的よく生徒はうれしそうだった。講座全体のアンケートをとったが、講座が楽しい、ためになったという生徒が全体の85%を占めていた。

千葉県・銚子市立銚子高等学校

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