教員研修

教員免許更新講習テーマ『宇宙を素材・舞台とした創造のある教育』

島根県・島根大学教育学部

概要

全研修を通した趣旨

本講座は、宇宙航空研究開発機構のすすめる宇宙教育について、その理念を学び、授業での実践に向けた具体的な方法について紹介するものである。宇宙からの視点を教育に取り入れることで、地球全体をとらえるような問に対する子どもの好奇心や探求心を啓発し、教科の枠を超えた知識の活用に繋がる学習活動をうながす教育実践について学ぶ。本講座では、こうした宇宙教育の意義と、その導入事例について紹介し、各自で決めたテーマに従って宇宙教育の授業実践をおこなう。

対象

幼稚園~高等学校教員 60名(10月20日 30名、12月17日 30名)

期間

平成23年10月20日、12月17日

構成表

実施日
時間
形式
人数
内容
1
360分
30名
90分
講義
「行動理念としての宇宙教育~いま、なぜ宇宙教育か・・・」
講師:百合田 真樹人
(島根大学)
90分
講義
「宇宙教育センターとその取り組みについて」
講師:松岡 均
(JAXA 宇宙教育センター)
180分
演習
「宇宙教育のモデル実践」
講師:中村 日出夫、遠藤 純夫
(JAXA 宇宙教育センター)
2
360分
30名
90分
講義
「行動理念としての宇宙教育~いま、なぜ宇宙教育か・・・」
講師:百合田 真樹人
(島根大学)
90分
講義
「宇宙教育センターとその取り組みについて」
講師:松岡 均、黒谷 明美
(JAXA 宇宙教育センター)
180分
演習
「宇宙教育のモデル実践」
講師:松岡 均、黒谷 明美
(JAXA 宇宙教育センター)

島根県・島根大学教育学部

第1回目/全2回『研修会記録シート』

実施日
10月20日
合計時間
360分
参加数
30名
時間配分
研修内容
受講者のようす・感想
研修の感想・メモ
講義
(90分)
「公教育の目的」をめぐる理論をもとに現代における教育の現状を再確認した上で、「宇宙教育の理念」を公教育が担う責任を共有するものとして講義を行った。
学校の現職教員を対象とした研修において行ったものであるため、公教育の目的から、宇宙を教育に活用することについて検討することによって、宇宙教育の理念について関心を得ることができたという感想が多くみられた。また宇宙を教育に活用することについての関心の深まりが得られた。
理念についての講義部分は例年高評価を得ている一方で、時間的制約から十分に議論や討論を行うことができないでいる。討議やグループディスカッションなどができれば得られるものも多いのではないかと考える。
講義
(90分)
宇宙教育センターの概要について、また取組・活動内容についての紹介。学校教育支援、社会教育活動支援についての紹介。
実際に、学校現場で何ができるのか。学校現場でどのような活動をしているのか、その手続きはどういったものかという、活動そのもの、及び活動までのプロセスといったイメージをつかみたいという声が多い。
活動までのイメージ付けは例年苦労している点である。このプロセスについては、実際にJAXA宇宙教育センターの方々のみが知るところであり、本学の担当者が知らせることができない部分である。この点が、宇宙教育を現場で実践する方々を養成することをたいへん困難にさせている。
演習
(180分)
宇宙教育センターによる、実験をともなう演習活動。
受講者は総じてたのしそうに参加しておられる。また、受講者間の協働もうまれており、実際に子どもと取り組むさいの留意点などを話しながら取り組まれていた。
実験に使う道具や機材、またその他の実験活動のアイデアなどをどのように提供するか、またどの程度アクセスが容易なのか・・・という点についての関心が高い。その答えを用意する必要がある。

授業の感想・メモ

  • 活動を通して、多くの問いがよせられる点が明らかになってきている。一方で、それらの問いに的確に応答するための情報が、拠点である現場に不足している現状の克服が十分ではなく、宇宙教育センターとの情報の共有を必要と感じる。教材教具、教案の提供の実際やプロセス、また教育活動計画のどの時点からどのようにかかわるのか、またどのようなかかわり方があるのか(かかわり方の多様性・多層性の問題)についてのイメージを提供することが強く求められる。特に、最後にあげた「かかわり方の多様性・多層性」については、実際の教育現場の多様な背景(組織背景や地域性など)に応答する上で、不可欠であると考える。こうした点に宇宙教育センターと協働して応答できるようにしたい。

島根県・島根大学教育学部

第2回目/全2回『研修会記録シート』

実施日
12月17日
合計時間
360分
参加数
30名
時間配分
研修内容
受講者のようす・感想
研修の感想・メモ
講義
(90分)
「公教育の目的」をめぐる理論をもとに現代における教育の現状を再確認した上で、「宇宙教育の理念」を公教育が担う責任を共有するものとして講義を行った。
学校の現職教員を対象とした研修であるため、公教育の目的から、宇宙教育の理念とその実践意義を具体的に示した。受講後の自由記述回答からは宇宙教育への関心の深まりを、教育の目的論の観点から示したものが多くあった。飛行増加データを構造化データに変換しておこなった評価分析についても、別途提示できる。
理念についての講義部分は例年高評価を得ている一方で、時間的制約から十分に議論や討論を行うことができないでいる。グループディスカッションなどができればよいが、来年度の課題とする。
講義
(90分)
宇宙教育センターの概要について、また取組・活動内容についての紹介。学校教育支援、社会教育活動支援についての紹介。
(講習日に腰痛を患い、立っていることもできない状態であったため、この部分は宇宙教育センターの方にお任せした・・・)
演習
(180分)
宇宙教育センターによる、実験をともなう演習活動。
受講者は積極的に参加しておられた。また、前回と同様に受講者間で協働している様子も見られる。無重量実験には関心が高かったものの、大人数で行う場合のさらなる工夫が必要だと感じておられた。

授業の感想・メモ

  • まず、体調管理が重要。腰痛は管理できるものではないものの、講師の体調管理と、代わりとなる講師を育成することを喫緊の課題と感じる。そのため、平成24年度に向けて学部内に後進(?)を育成する取り組みをすすめている。その他の留意点については、前回(10月20日)の講習と同じ点があげられるため、下記に引用する:
    「活動を通して、多くの問いがよせられる点が明らかになってきている。一方で、それらの問いに的確に応答するための情報が、拠点である現場に不足している現状の克服が十分ではなく、宇宙教育センターとの情報の共有を必要と感じる。教材教具、教案の提供の実際やプロセス、また教育活動計画のどの時点からどのようにかかわるのか、またどのようなかかわり方があるのか(かかわり方の多様性・多層性の問題)についてのイメージを提供することが強く求められる。特に、最後にあげた「かかわり方の多様性・多層性」については、実際の教育現場の多様な背景(組織背景や地域性など)に応答する上で、不可欠であると考える。こうした点に宇宙教育センターと協働して応答できるようにしたい。」

島根県・島根大学教育学部

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