ISEB学生派遣プログラム
【2013年度】第64回 IAC北京大会
派遣期間 | 平成25年9月21日(土)~9月28日(土) |
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派遣先 | 中華人民共和国 北京市(北京国家会議センター)他 |
主なスケジュール
日付 | 内容 |
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22日(日) | ISEB学生プログラムオリエンテーション・ISEB教育長とのセッション,アイスブレイキング活動 |
23日(月) | オープニングセレモニー・HoAへのQ&Aセッション・IAC2013プログラム(テクニカルセッション・プレナリーセッション・ハイライトレクチャー)・レセプション等への出席 |
24日(火) | IAC2013プログラム(テクニカルセッション・プレナリーセッション・ハイライトレクチャー)等・ISEBイベント(ランチタイムセッション: NASA & KARI担当)等への出席 |
25日(水) | 北京日本人学校で特別授業を実施し、IAC2013プログラム(レイトブレーキングニュース・テクニカルセッション・プレナリーセッション・ハイライトレクチャー)および ISEBイベント(ランチタイムセッション: ESA & SANSA担当)等へ出席 |
26日(木) | IAC2013プログラム(レイトブレーキングニュース・テクニカルセッション・プレナリーセッション)、JAXA派遣学生発表、ISEBイベント(ランチタイムセッション: JAXA & VSSEC担当)、IISL模擬裁判決勝への出席 |
27日(金) | ISEBアウトリーチ活動等へ出席 |
IAC(International Astronautical Conference)国際宇宙会議について
IACはInternational Astronautical Federation (IAF:国際宇宙航行連盟)、International Academy of Astronautics (IAA: 国際宇宙航行学会)及びInternational Institute of Space Law (IISL: 国際宇宙法学会)が主催している国際宇宙会議です。この国際宇宙会議では、各宇宙機関長の講演、本会議、レクチャー、各分野に亘る最先端の情報を仕入れる ことのできる会議、研究発表、イベントなどがあり、各国の宇宙機関長並びに幹部、学者、研究者、企業、若手研究者、学生などが参加する世界最大の宇宙会議 です。1949年に第1回国際宇宙会議を開催し、今年2013年は第64回目の会議となります。本ウェブサイトにおいては、本派遣プログラムに参加された 学生の皆さんの感想を交え、これらの活動について報告をさせていただきます。
※ 本ウェブサイトにおける執筆者の所属大学・学年等についてはIAC2013北京大会参加当時(平成25年10月現在)のものです
第63回IAC北京大会(IAC2013)におけるJAXA学生派遣プログラムについて
JAXAは活動の一環として、IAC2014においては、派遣学生に公式プログラムの参加機会を提供するとともに、ISEB参加機関であるESA、NASA、JAXA、CSA 、CNES、VSSEC、KARI、SANSA、AEMの宇宙9機関間協力の下、学生への宇宙分野における知識・理解増進の機会提供、学生を交えた学術・研究交流の奨励、国境や専門領域の違いを越えた友好の輪を広げることを目指したISEB学生プログラムに参加しています。また、JAXAが本活動を実施するにあたり、より参加学生に資するプログラム作りを目指して、準備・企画段階から学生主導のもと、JAXA学生プレゼンテーションを派遣学生10名全員の参画・貢献により、有意義なプログラムに発展させていくことができました。
富山大学 学部4年
鈴木 絢子
- 各国宇宙機関の派遣学生と共に過ごした北京での一週間は、人生ベスト3にはいるとても濃い日々でした。NASA(USA)の派遣学生の、普段の陽気さからは想像し得ないほどに真面目でストイックな研究への姿勢や思い描く未来の広さ。esa(EU)派遣学生の話から感じた"柔らかな対応力"、多様な国の連合として物事を進めることの難しさと面白さ。sansa(South Africa)派遣学生にもらった挑戦への勇気と強い意志。JAXA(Japan)派遣学生の中で実感した日本の強み、一体感。文化も、普段の言葉も、雰囲気も、専門分野も全く違っていた私達でしたが、出会えた事がとても嬉しくて、一緒に時を過ごせた1日1日が刺激的でした。
横浜国立大学大学院 修士1年
石田 朗大
- IACでは自身の専門である工学系のシステムの講演のみならず心理学、医学、宇宙法学、マネジメントさらに起業家の話まで用意されていました。普段の学会では自身の研究の専門分野のみ聴講する機会が多いため、この機会に各方面で活躍する人達の話を伺えたことは興味深かったです。本気で宇宙旅行をビジネスとしてどう成功させるか考えている人や宇宙産業をどうマネジメントすれば産業として利益を最大化出来るか等他分野で異なるバックグラウンドを持つ人々の考えやアイデアは斬新で、将来の宇宙産業への期待が高まる経験でした。
大阪府立大学 学部3年
佐野 明子
- Technical Sessionでは常に電子辞書を片手に,理解するのに必死な状況ばかりでしたが,宇宙エレベーター等,学校では学ぶことのできない最先端の研究発表を聞くことができました.また,日本から出たことのなかった私にとって,すれ違う人たちがみんな外国人の会場内はかなり新鮮なものでしたが,同時に,世界ではこんなに大勢の方が宇宙開発に携わっているのだということを実感し,将来はこの場で研究成果を発表し,自分もその一員になりたいという目標ができました.
大阪府立大学大学院 修士2年
伊藤 琢博
- IACのテクニカルセッションやISEB学生のためのランチタイムセッションを通して,最新の研究開発の動向を知ることが出来た.特に興味深かったのは,Rosettaという彗星探査機の一連の発表である.私の研究テーマと関連しており,講演後に質問して議論することが出来た初めての経験であった.この経験を活かし,今後も国際舞台の場で意見を述べることが出来るようにしていきたい.
ISEB学生プログラムについて
ISEB学生プログラムとしては、IAC2013開催の前日である9月22日(日)を初日としてスタートし、Orientation Sessionが開催され、ISEB参加機関より派遣された69名(JAXA:21名・ESA:11名・NASA:9名・VSSEC:15名・KARI:10名・SANSA:3名)の学生が出席しました。
ISEBオリエンテーション・セッション・Ice Breaking Activity
ISEB学生プログラムのオリエンテーション・セッションとして、IAC会場で各機関のスタッフの紹介やISEBプログラムの概要を説明しました。
Ice Breaking Activityでは学生をグループにランダムに分け、「宇宙開発の未来」についてプレゼンを準備し、各グループ5分間の発表しました。
九州工業大学 修士2年
春田 石男
- 9月22日に行われた他国の派遣学生とのグループワークでは、与えられたテーマをもとにグループごとに話し合いを行い、それを最後に発表するという内容でした。私はもともと英語にすごい壁を感じていて、不安がいっぱいでしたが、同じ学生っていう立場もあって、難なく会話はすることができたと思っています。日常会話は話せたのですが、実際に専門的な話し合いになったときは、まったく話に入れませんでした。まだまだ英語の勉強が必要だということを痛感しました。このような機会がなければ、感じることはできなかったと思っています。
東京大学大学院 修士2年
林 知之
- 北京に着いた次の日、ISEB学生と交流する機会があった。NASAと共同で宇宙医学について研究している博士課程の学生、ESAで衛星の推進機の研究をしている学生など、一線で研究している人ばかりで、彼らの研究の話は興味を引かれるものであったし、私の研究の話も興味深く聞いてくれ、早速交流を楽しんだ。しかし、その後に行われたディスカッションでは自分の語学力不足を痛感することになった。国籍がばらばらの7,8人1チームで2時間弱ディスカッションをし,ディスカッションの内容をまとめてプレゼンテーションをする機会があった。ディスカッション中,ヨーロッパからの学生、アメリカの学生が丁々発止の議論を交わし、私はその雰囲気に圧倒されてしまい、話についていく事が精いっぱいでほとんど発言することはできずに終わってしまった。
日本で一般的な受動的な講義だけでは、議論することすらままならないと感じた。ディスカッションに能動的に参加するためには、自分の専門分野などの技術的な知識だけではなく、"宇宙開発で得た知見をどうやって一般人に還元するのか""宇宙開発で国際協力を推進するにはどうすればよいか"といった広い視点から様々なことに興味を持っていることが必要だと感じることができた。学生のうちにこの経験ができたことは良かったと思う.今後の,英語学習だけでなくアサーティブネスを伸ばすモチベーションとなると考える.
名古屋大学 学部4年
冨田 悠貴
- 今回のプログラムの初めには、中国航天航空大学において中国の学生との交流及び、ISEBメンバーとのディスカッションから始まりました。このセッションでは、「宇宙開発を持ってどのように地球を救えるか」というテーマについてのディスカッションを世界中のメンバーと話し合いました。宇宙開発に関する多くの知識を必要とするテーマで、日本の知識をたくさん盛り込もうと意気込みましたが、他の学生のディスカッションスピードが速く、英語とのこともあり頭の回転がなかなか追いつかないのが現状でした。しかしながら、世界のスピード感というものを体感できたことは今後のよい糧となることは間違いありません。
Q&A Session with HoA/Senior Representative and Students
本セッションでは、昨年に引き続き、ISEB派遣学生からの質問にISEB参加機関の機関長や代表者が回答を行うという貴重な直接的対話機会として実施されました。
総合研究大学院大学 修士1年
外岡 学志
- 各宇宙機関の長官との質疑応答のコーナーで質問をする機会を得た.お金・時間・人材の制約の中で,実施するミッションをどう選ぶのか?という質問を中国の宇宙機関CNSAの長官にした.宇宙科学分野への貢献や国民生活への恩恵,未来の宇宙技術開発への投資をそれぞれ考慮し,それに見合う費用で行っていくという,宇宙ミッションの基本指針について聞くことが出来た.宇宙機関の長官という立場上,あまりつっこんだ話は聞けなかったという印象だったが,非常に貴重な機会だったと思う.
早稲田大学大学院 修士1年
島村 佳成
- 世界の宇宙産業規模は年々大きくなり、またアメリカなどの先進国は民間企業の参入が台頭し始め、また新興国も技術力を伸ばしているという背景の中でも、日本の宇宙開発の国際的なポジション及び技術力は依然高いということを感じました。そう感じた理由は、一つはIAFの樋口会長の存在がありました。樋口様が私たち派遣学生とのセッションの中で、宇宙開発では日本にしかできない役割があると仰ったことが非常に印象に残っています。それは、宇宙開発の中で宇宙先進国の欧米と新興国の中国の交流があまりなされていない中、その間に日本が立つ、ということでした。この話を通して世界全体で宇宙開発をバランス良く、また平和的に進めていくことが重要であると感じました。
東北大学 学部4年
本間 寛人
- 宇宙に詳しくない自分にとって、IACは新しい世界を知る宝の山でした。宇宙に関わる様々な国や企業が集まり、 エンジニアリングの最先端の発表や、宇宙エレベーターや宇宙太陽光発電の様な、かなり未来の研究発表も目立ち、HoAのように、各宇宙機関の長官に直接質問ができる機会もありました。今回、中国開催ということで、中国人の研究者、中国の宇宙開発に関わる役員らが数多く出席しており、記者だけでなく、研究者も中国の宇宙開発の実態はどうなのか知ろうとしている姿が印象的でした。
International Student Zone: ISZ(国際学生ゾーン)
ISEB学生プログラムの一環としてIAC2013 展示会場の中に学生のための研究活動成果発表および人材交流の場としてのInternational Student Zone ; ISZ(国際学生ゾーン)が設置され、会期中、主としてランチタイムにIAC2013に出席したISEBの6機関の中から派遣された専門家や派遣学生によるプレゼンテーション等が実施されました。学生ゾーンでは、 各機関のブースを設け、JAXAブースでは、学生によるミウラ折りを含む折り紙講座を開き、人気を博しました。また、各学生が自分の研究やその他の活動など世界に発信したい内容のポスターを展示し、世界中の研究者や学生達との交流の場にもなりました。
北京日本人学校 特別授業
25日(水)に在中華人民共和国日本国大使館附属北京日本人学校へ行き、小学部と中学部を含む全学年の生徒に特別授業を行いました。日本人学校の生徒たちは講師をする派遣学生からたくさんの刺激を受け、宇宙科学について楽しく学んでいました。
東北大学 学部4年
西城 大
- 大学に入る前から教育実習のようなことを体験したかったので、とてもいい経験になった。特にフィルムケースロケットを作ったクラスでは、生徒全員の進行状況を把握して授業の進度をリアルタイムで変更・管理していかなければならないことがとても難しく、教育の大変さを感じた。ロケット製作の際、当初は作り方をはじめに説明してできた人から飛ばしに行くという予定だったが、直前にこれを変更して、過程ごとに全生徒が製作し終わったことを確認してから次の過程に進むとした。これが授業時間を大幅に延ばさざるを得なかった主な原因である。当初想定していた以上に個性的な生徒が多く、生徒同士で話し始めてしまう子、製作精度を求め過ぎて必要以上に時間をかけてしまう子などが見受けられた。教える側としては、作る→飛ばすの流れが見えているから時間配分などは事前にできるが、製作に夢中になっている子にはそれをわかっているのは難しい。授業の初めに、きちんとこの授業でやるべきこと、終わらせるべきことを伝えることは大事だと感じた。
九州大学 学部4年
専光寺 旭洋
- 日本人学校では小学二年生には宇宙飛行士になるため体を鍛える「ミッションX」として"カニ歩き"と"クマクロール"を教えた。小学二年生にどのように接すればよいか予想がつかなかったものの、先生方に協力していただきながら怪我なく時間内に終えることができた。小学五年生にはクイズを交えながら月に関する授業をし、月の満ち欠けを理解してもらえるよう工夫をした。最後に握手やサインを求めてくる子もいて喜んでもらえたようで宇宙教育のやりがいや楽しさを感じたひとときだった。
慶應義塾大学 学部3年
出川 雄己
- JAXA派遣学生として行った活動の中で特に印象に残っているのは,北京日本人学校での出前授業です.私のグループは小学1年生と小学5年生を担当し,前者の授業では傘袋ロケットの作成を,後者の授業では宇宙開発に関するプレゼンテーションと水ロケットの実演を行いました.想像していた以上に楽しかった,というのが率直な感想です.IAC開催期間中に深夜まで授業の準備を行うなど,苦労はしましたが,水ロケットが打ちあがったときの大きな歓声,宇宙に興味を持ったという声を聞いて,大きなやりがいを感じました.宇宙に携わる方法は様々ですが,教育という観点から携わることの可能性を感じた体験となりました.今回の授業が子どもたちの将来に何らかの良い影響を与えることができれば幸いです.
JAXA派遣学生のプレゼンテーション
26日(木)にJAXA派遣学生が一丸となって1時間のプレゼンテーションをISZで行いました。学生は研究内容と併せて日本の伝統文化と現代文化を発表してISZを大いに盛り上げました。プレゼンが終わってからもそれぞれの学生の研究内容を聞く人、法被を着ている学生と写真を撮る人、習字で名前を書いてほしい人でISZは大盛り上がりでした。
鹿児島大学 学部4年
黒岩 史登
- JAXA派遣学生がもっとも時間を費やして作り上げた派遣プログラムが、この学生発表だと思います。宇宙教育、日本の宇宙研究、日本の文化の3本柱で発表案をつくり、それぞれの発表に対して意見を出し合いました。文化紹介にてみんなでソーラン節を舞ったときの海外の方々のリアクションが良く、その後話しかけられたりし、交流を持つことができました。少ない時間で完成させたので完璧な舞ではなかったですけれども、日本の文化に興味を持っていただけたことをうれしく思いました。個人的には、イプシロンロケットの発表をすることになっており、イプシロンロケットのプロジェクトマネージャーである森田さんの研究室に所属する派遣学生の方に発表前に原稿を添削して頂き、そこで、イプシロンロケットの海外でアピールしたいポイントをスライドにも反映することができました。
今回学生リーダーを務めた伊藤さんを中心にみんながまとまることができ、それぞれが個性を発揮することができたと思います。終わってみたらとても楽しく、団結し乗り越えられたイベントとなりました。
酪農学園大学大学院 修士1年
小田 玲実
- JAXA学生で行った合同プレゼンテーションでは、初日からみんなで遅くまでスライドの修正やソーラン節の練習を重ねてきた甲斐もあり、大成功だった。日本の宇宙教育、学生の研究、文化紹介の三本柱で行ったが、ソーラン節の音楽が流れるとISZの外にまで人が集まってきた。国際的な場で堂々と話す派遣学生たちの姿もさることながら、やはり日本文化の世界的な知名度をあらためて知るところとなった。私はそこで茶道のお点前のデモンストレーションを行ったのだが、その後NASAの宇宙飛行士の方に実際にお茶を点てて差し上げる機会に恵まれ、非常に貴重な経験をすることができた。書道を披露した派遣学生もその後書道を体験してみたい外国人たちに囲まれ、書道を通じて交流をしていた。やはり国際社会で活躍するためには、専門的な研究だけでなくこうした日本人としてのスキルも必要なのだと感じた。
九州工業大学大学院 修士2年
岩井 俊輔
- 今回、アウトリーチ、技術、日本文化の三本立て発表を行ったが、技術に割り当てられた時間が少なかったと思います。この時間配分は、学生で行った結果であるかもしれませんが、IACという宇宙科学の祭典であるため、重要視する点は技術の宣伝であると思いました。 しかし、結果的には、会場は盛り上がり、我々も練習などを遅くまで行い、非常に良い経験となったことは事実です。
国際宇宙法学会(IISL)への協力
本派遣プログラムでは、2001年よりIISL主催の「マンフレッド・ラクス宇宙法模擬裁」に協力し、アジア・太平洋地域予選通過チームの学生2名をIAC会期中に実施されるワールド・ファイナル・コンペに派遣しています。本年のアジア・太平洋地域代表インド国立法科大学チームは残念な結果となりましたが、「この経験をばねにして前向きに頑張っていきたい。」と述べていました。
ISEBアウトリーチ活動
27日(金)にISEB派遣学生一同で北京市にある芳草地(ファン・チャオ・ジ)国際学校へ行き、小学校3年生~6年生の子供を対象に宇宙飛行士のように体を鍛える「Mission X」や飛行機又はロケット等を作る活動を行いました。
九州大学大学院 修士1年
多田 洋史
- インターナショナルスクールでは、他国の派遣学生と合同のチームで授業を行いました。私の語学力では緊張している生徒たちを上手くリラックスさせてあげることができず、もどかしい思いをする場面もありましたが、海外の学生と授業を作り上げたことは、とても良い経験となりました。
今回、初めて宇宙教育を行う側に立たせて頂き、子供たちの夢を探すお手伝いをするということは大変やりがいのあることだと感じました。私たちの授業が、少しでも宇宙へ興味を持つきっかけになれば幸いです。この経験をもとに、今後はチャンスを見つけて、積極的に宇宙教育に携わっていきたいと思います。
大阪府立大学大学院 修士1年
佐々木 貴広
- インターナショナルスクールでの宇宙教育活動について述べる.私はKARIチームへと配属され,小学4年生に"紙飛行機"の授業を行った.流体力学に基づいた紙飛行機で重心やエルロンの角度を調整するものであった.大学生1人当たり3人の生徒がついて指導を行った.最後に全員で一斉に投げて飛距離を競争したのだが,1,2位が僕の班の生徒だった.しかし,1人は入賞せずに3人集まったときに悲しい顔をするのかなと思っていたが優勝,準優勝した2人に「すごいね!」って声をかけていたのを覚えている.自分だけ立派な景品を貰えず悲しいはずなのに,これはすごいことだと感じた.どう声を掛けていいか分からなかった自分は,その子に「君もすごいね!」とだけ言った.教育活動をしていて,逆に得ることがある.それは楽しむ心であったり場合によって様々であるが,この宇宙教育を通して自分自身も宇宙の楽しさを再認識することができた.
おわりに・・・
今年度の本派遣プログラムでは、学部生から博士課程の学生まで、多種多様な専攻分野から、幅広い層の学生が参加されました。
九州工業大学大学院 修士2年
奥村 裕太
- 私は、研究室で衛星のことを研究し、衛星を開発している。しかし、興味はあまり宇宙には向かず、衛星のシステムに向いているためか、衛星やロケット自身にはあまり詳しくなかった。今回、IACに参加し、そこであったテクニカルセッションの多さ(私の参加してきた学会ではこんなには多くなかった)、そして、同じIAC派遣メンバーの宇宙、衛星、ロケットに詳しさに衝撃を覚えました。そして、知識が乏しいためにセッションの面白さを100%感じられないことやIAC派遣メンバーの会話に加われないことなど本当に口惜しい、気持ちに何度も感じました。
私は、本当にIACとこの派遣プログラムに参加して、良かったと思います。欲を言えば、学部時代に参加していればと思います。そうすれば、今とは違った大学生活になったと思います。それほど、私には衝撃的な経験でした。なので、自分の後輩にはぜひ今後あるであろうIACとその派遣プログラムの参加を呼び掛けていきたいと思います。また、子供たちへの教育も何らかの形でかかわっていきたいと思っております。
東京工業大学 修士1年
吉川 健人
- 宇宙開発に興味を持つ世界各国の学生と交流することで,国際的な友情を築いたとともに,彼らの積極的な人柄や個性的な研究や経験に大変刺激された.研究に関しては,SSPSやCubu-Satなど自分にとっても身近な話題をテーマに設定している学生も多く親近感が沸いたものもあれば,理学系の学生は魅力的な科学プロジェクトを提案など専門外の多方面な視野も多く得ることができた.更に,学生交流プログラムやアウトリーチ活動のグループワークなどを通じて彼らの文化や面白い話が聞けたし,日本のこともたくさん話せた.
北海道大学大学院 修士2年北海道大学大学院 修士2年
井上 遼太
- 本プログラムで最も強く感じたことは、2つあります。
1つ目は、今後の人生の中で必ず長期間海外での経験を積みたいと感じたことです。本プログラムに参加し、海外には様々な宇宙への関わり方があると感じました。私は将来宇宙業界で活躍したいと思っていますが、ぜひとも将来、様々な宇宙への関わり方をしている海外の人々と仕事をしてみたいと思うようになりました。
2つ目は、もっと自由に英語でコミュニケーションを取れるようになりたいと感じたことです。海外の学生と英語で話していて、言っていることが理解できないことがありました。さらに、自分も言いたいことを伝える際に時間がかかってしまうことがありました。私は参加メンバーの中でも英語が話せない方で、少し悔しい思いをしました。今後は英会話能力の向上にしっかりと力を入れていくことを決心しました。
本プログラムでは、自分の能力が向上したと言うよりも、これから向上しなければならない能力がよくわかったということが最も大きな成果だと考えています。今後は、本プログラムに参加した経験を活かし、宇宙開発に貢献していきます。