「JAXAアカデミー」
~火星の衛星フォボスを目指すMMX~
Q&A ページ

たくさんいただいた質問に関係者が回答しました。質問部分をクリックすると回答が見れます。

サンプラーが2種類ある理由は何ですか?

C-サンプラーという装置は、フォボスの表面を掘削して採取します。
ところが、たまたまかたい表面に着陸した場合、採取できない可能性があります。
そこで、P-サンプラーという装置で、窒素ガスで表面を吹き付けて、表面のサンプルを採取する2段がまえになっています。



土壌調査するためには、ある程度その土地の硬さ等の性質を知った状態で
採取するモジュールを作る必要があると思うのですが、
その点はどのようにしてモジュールを製作しているのでしょうか?

さまざまな火星探査機が、火星に向かうときにフォボスの観測を行っています。
そのデータを元に、フォボス表面の物質の成分を予測して、設計しています。
また、地球上の岩石や鉱物を使って、シミュラントという土壌を模擬的に作成して、着陸試験を行っています。



なぜ火星ではなく、フォボスを目指すのですか?

一番大きい理由は火星の重力です。火星の重力にあらがって、火星から離脱するのは、かなり困難です。
日本は、はやぶさ・はやぶさ2の小惑星探査で、重力の小さな天体からサンプルを採取するノウハウを培ってきました。
その技術を使って、今度はフォボスからのサンプルリターンを目指しています。



MMXが金色なのはなぜですか?

金色なのは多層構造の断熱材で、外部からの熱を遮る役割を果たしています。
このような断熱材は、銀色や黒色のものもありますが。MMXでは金色のものを採用しています。



サンプルは表面だけでなく内部も採取するのですか?

はい、フォボスの表面は、太陽の放射線などで焼けた状態になっています。
そこで、太陽の放射線の影響が少ないところの採取を行うために、
少なくとも2cmは深いところから採取したいので、コアラーという掘削機構で内部のサンプルを採取します。



サンプル採取のために吹き付けるガスは、具体的には何でしょうか?

P-サンプラーという装置で、窒素のガスで吹き付けます。



MMXでサンプルしか、物理的に地球に戻ってこないような話だったのですが、
センサーの計測した値や写真などはどうやって、地球に持ち帰る or 通信するのでしょうか。

観測した画像の一部や、センサーの計測した値などは搭載されたアンテナで通信します。
ただし、全てのデータを通信しきれないので、それらのデータはカプセルに搭載されたメモリに保存されて、地球に戻ってくる予定です。



なぜフォボスのサンプルを見れば「捕獲説」と「衝突説」がわかるのですか?

「捕獲説」であれば、サンプルの成分は、小惑星に近いことが予想されます。
「衝突説」であれば、火星本体の砂や岩石が元になっているので、サンプルの成分は、火星に近いことが予想されます。
このような違いから、火星衛星の起源を突き止めます。



I am a university student in Japan; what path can I take to get a job at CNES?
訳:私は日本の大学生です。CNESで働くには、どのような進路を目指せばよいですか?

There are so many paths. We need many trades in the space industry, not only scientists and engineers. If you are in the engineering or science field and already have a degree, you can apply for a PhD or postdoctoral position in partnership with CNES and a university in France. Before you have a degree, you can also come study in France and then apply for an internship at CNES at the end of your studies.

訳:さまざまな道があります。宇宙産業では、科学者やエンジニアだけでなく、多様な分野の専門人材が必要とされています。 工学や理学を学び、すでに学位を取得している場合は、CNESとフランスの大学が連携する博士課程や博士研究員のポジションに応募することができます。 また、学位取得前にフランスへ留学し、卒業時にCNESのインターンシップへ応募するという道もあります。



How will the IDEFIX rover, through its deployment on Phobos, be utilized for future space development and Mars exploration?
訳:IDEFIXローバーはフォボスでの運用を通じて、将来の宇宙開発や火星探査にどのように役立つのでしょうか?

It qualifies some space components for cubesats in deep space. This knowledge is invaluable because it is so difficult to operate anything in deep space. It also paves the way to driving on bodies with low gravity, like small moons of Jupiter or Saturn. We also support the main MMX mission in achieving its scientific goal of better understanding how the Martian system has evolved.

訳:IDEFIXローバーは、深宇宙で運用されるキューブサットなどに用いられる宇宙機器・技術の実証に貢献します。 深宇宙環境で機器を確実に運用することは非常に難しいため、そこで得られる知見は非常に貴重です。 また、木星や土星の小さな衛星のような低重力天体でのローバー走行技術の実現にもつながります。 さらに、MMXミッションが目指す「火星系がどのように進化してきたのかをより深く理解する」という科学目標の達成にも貢献しています。



Given the very low gravity of Phobos, what are the main mechanical and control challenges?
訳:フォボスは非常に重力が弱い天体ですが、機械設計や制御の面で最も大きな課題は何ですか?

Though gravity is very low, it is not as low as on the smaller asteroids like Itokawa, Ryugu or Bennu. The key to safety and success is then to do things SLOWLY. That is why the rover will drive and move at the speed of a snail!

訳:フォボスの重力は非常に弱いものの、イトカワ、リュウグウ、ベンヌのような、 さらに小さな小惑星ほど低重力ではありません。安全かつ確実に探査を行うために最も重要なのは、「すべての動作をゆっくり行うこと」です。 そのため、IDEFIXローバーはカタツムリのような非常にゆっくりとした速度で移動するよう設計されています。



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