授業連携

宇宙の神秘

神奈川県・神奈川県立瀬谷高等学校

  • 高等学校
  • 高1
  • 総合的な学習の時間

概要

<全授業を通した指導目標>

宇宙が始まってから137億年、地球ができてから46億年という長い時間が経っている。最近、宇宙の研究が急速に進み、たくさんの興味深いことがわかりつつある。広大な宇宙を眺め、その過去と未来に思いをはせ、私達人間を生み出した「宇宙の神秘」に触れる。

<対象>

高校1年生 20名

<期間>

平成18年4月25日~10月17日
回数(総時間):13回(13時間)

<区分>

総合学習の時間

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
50分
授業
20名
年間でどのような取り組みをしていくかを説明することで、研究や発表の大切さを考えさせた。

また、残りの時間をQ&A方式で、宇宙の基礎的知識を考えさせ興味を向けさせた。
2
50分
授業
20名
それぞれの生徒が宇宙のどのような部分に興味、関心があるのかを再認識させ、より理解を深める機会とし、JAXAの方の講話への興味を高める。
3
50分
授業
20名
大切な研究発表のために、必要な班作り、研究発表テーマ決めを、各自意欲的に積極的に行う。
4
50分
授業
20名
研究発表のための具体的方法
5
50分
講義
20名
「宇宙の歴史(ビッグバン宇宙論」
講師:和田 武彦(JAXA宇宙科学研究本部 赤外・サブミリ波天文学研究系助手)
支援:浅野 眞
6
50分
授業
20名
2学期の授業時における、各グループの自主研究発表へ向けて、夏休みに実施する図書館での調べ学習についての説明及び打合せ。
7
50分
授業
20名
夏休み中にグループのテーマに沿って調べた内容を確認し、発表へ向けて、模造紙上へのまとめ方を工夫させる。
8
50分
授業
20名
宇宙に関して興味ある事柄を調べ、まとめる。
支援:浅野 眞
9
50分
授業
20名
研究を本時までに仕上げる。発表にふさわしい内容にまとめさせる。
10
50分
授業
19名
作業の完成を目指す。
11
50分
発表
20名
「自主研究発表」
講評:浅野 眞(JAXA宇宙教育センター 参事)
支援:浅野眞
12
180分
見学
19名
国立科学博物館 見学
13
50分
授業
19名
総合学習の時間『宇宙の神秘』への取り組みを振り返り、自己評価及び総括を行う。

第1回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
年間でどのような取り組みをして行くかを説明することによって、研究、そして発表の大切さを考えさせた。また、残りの時間をQ&A方式で、宇宙の基礎的(?)知識(銀河系の恒星の数は?等)を参加者に考えさせ興味を向けさせた。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
年間予定を配布したうえで、取り組み方の理解。
◎年間予定表をもとに、取り組みの説明

△同じく年間予定表をもとに、説明を聞く。
研究発表は、各ペアとも必ず模造紙を用いて行なうこと。
展開
(25分)
導入として、今後に関する実務的なことがらに触れたが、今度は「宇宙の神秘」を学ぶうえでの取っかかり、興味づけが大切と考え、あらかじめこちらが用意した質問に答えさせる形で進めた。
◎生徒の頭の中で最大限イメージしてもらって答えさせるために、あえて資料を配らなかった。Questionは、「銀河系の中に恒星はいくつ?」「銀河系の直径は?」「このような銀河系は宇宙の中にいくつ?」等の質問を、生徒を指名しつつ問うた。

△指名されたら、その質問に答えた。正解はなかなか出ず。
まず、宇宙全般に生徒が興味を持てるよう、“話術”で楽しくすすめることが出来るように留意した。
まとめ
(10分)
とにかく対象物に興味を持とう、と話をした。また、総合学習の時間のみならず、たえず宇宙に親しもう、ニュースにも目を向けようとプッシュした。
◎話した。

△話を聞いた。

授業の感想・メモ

  • 宇宙の基本的な知識をしっかり持っている生徒、知識がとぼしい生徒が混在しており、20人だけであっても多様性があると感じた。

第2回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
それぞれの生徒が宇宙のどのような部分に興味、関心があるのかを再認識させ、より理解を深める機会とし、JAXAの方の講和への興味を高める。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
                    
指導上の留意事項
導入
(15分)
教育実習生に、彼なりの宇宙観、興味を感じる点を生徒に話させた。
◎(教育実習生)左記のように、自分なりの宇宙観等を生徒に語った。

△年齢の近い実習生の話を聞き、興味を感じていた。
教育実習生が緊張せずに話せるよう、配慮した。
展開
(25分)
JAXAより来校していただく講師の方にお話していただく内容について、どのような項目が特に興味があるかということを考えさせ、アンケート調査した。
◎左記に関してのアンケート用紙(複数回答可)を配布し、実施後に回収。このアンケートには、いろいろな項目が印刷されており、選べるようになっている。もちろん、それ以外に生徒が希望するものをリクエストすることも可能。

△各自、事前に興味の対象を考えておき、この日回答した。
生徒全員の希望が生きるわけではないことをあらかじめ認識させ、1つにしぼられた項目に関し、興味を持って講和を聞くように意識づけをした。
まとめ
(10分)
JAXAの講師の方の講話をしっかり聞くようにとの指示。教育実習生(指導教官は石井)にも親しむようにとのお願い。
◎話した。

△話を聞いた。

授業の感想・メモ

  • 生徒が自分自身、宇宙のどのような部分に特に関心があるのかを、再認識する良い機会になったように思う。

第3回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
大切な研究発表のために、必要な班作り、研究発表テーマ決めを、各自意欲的に積極的に行う。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
1班につき2人、というルールのもと、班分けをし、研究発表のテーマを決める手順。
◎手順の説明。

△話を聞き、手順の理解。
すみやかに動くように指導。
展開
(30分)
班分けとテーマ決めの活動。
A:宇宙の始まり
B:ブラックホール・ホワイトホール・ワームホール
C:宇宙の始まり
D:宇宙の始まり
E:宇宙の始まり
F:ブラックホール・ホワイトホール・ワームホール
G:UFOについて
H:超新星爆発
I:宇宙の始まり&始まる前
J:宇宙観の歴史
◎導入での説明にしたがって動くように声かけ。

△まず、ペアを決め、決まりしだいパートナーと向き合って着席。そのうえで研究発表のテーマを話し合いで決定した。
すみやかに動くように指導。
まとめ
(10分)
各班ともパートナーと協力して、積極的に取り組むよう指示。
◎今後の協力の大切さを話した。

△話を聞いた。

授業の感想・メモ

  • 各班とも、ペア決めはスムーズに出来たが「では、研究発表テーマは何にするか」という点で、意外と時間を要したように思われる。

第4回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
研究発表のための具体的方法

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
                  
指導上の留意事項
導入
(20分)
ビデオを鑑賞
「トワイライトゾーン」
◎・△ともに鑑賞
時には“時間”をテーマとした映像も、生徒の興味を引きおこすことを期待した。
展開
(25分)
研究発表のための学習方法について。
◎学習方法として、総合学習の時間は図書室の書物を用いるとの指導。更に夏休みも、学校の図書室、コンピューター室を用いるようにと指導。

△具体的な学習方法を学んだ。
図書室には宇宙関係の書物が数多く置かれていることを、生徒に認識して欲しかった。
まとめ
(5分)
とにかく、夏休みも継続して、研究発表のための学習を行うように、との指示を与えた。
◎話した。

△話を聞いた。

授業の感想・メモ

  • 「時には動く映像も有効なのでは」との配慮から、ビデオを導入として見ることとした。展開と直接関連があるわけではないが、多様なものへの生徒の関心という点では、良かったと思う。

第5回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
前回までの授業により、生徒達の興味は「宇宙の始まり」に集中していることが判明。本時の授業の専門家の方の講義を聞いて、自主研究発表(自主研)へのアプローチの仕方を探る。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
本時の授業より、自主研へのアプローチの仕方を模索
◎講師のご紹介

△挨拶
講師の話を興味を持って聞くよう促す。
展開
(40分)
〔専門家の講義に学ぶ〕
宇宙の誕生、過去の姿、変化の様子、現在の状態などについて、パワーポイントを交えての説明を聞く。
ビッグバン、ダークマター、インフレーション、ハッブルの法則、宇宙の年齢等の解説を頂く。
△この分野についての専門家の講義を聞いて、自分達の研究テーマへの取り組み方を探る。

◎講義に傾聴
講師の話に耳を傾けさせる。
まとめ
(5分)
本時の授業を参考に、自主研へ取り組むことを確認
△講義内容やパワーポイント等による資料についての質問をする。
積極的に質問等するよう促す。

授業の感想・メモ

  • 前任教諭との交替後、初の授業で、生徒の把握ができていず、講師のお二人には大変申し訳ない状態でした。これからは、本腰を入れて取り組まねばならないと痛感しました。初めて聞く宇宙の話は興味深く、宇宙を身近に感ずることができました。

第6回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
2学期の授業時における、各グループの自主研究発表へ向けて、夏休みに実施する図書館での調べ学習についての説明及び打合せ。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
2学期における発表準備のための事前学習の意義を理解する。
◎発表内容を充実させるための事前学習の必要を説明
夏休み中の事前学習の必要性を理解させる。
展開
(20分)
実際に図書室にある宇宙に関する本から、自分達の研究に必要と思われるものを選び出し読む。
◎図書室へ引率

△蔵書の中から、自分達の研究テーマに必要な本を選び、読む。
図書館司書教諭と打合せて。
テーマに合った蔵書を提示できるようにしておく。
まとめ
(20分)
各班の登校日を決定する。
△班のメンバーと相談をして、7月中3回の登校日を選ぶ。

◎登校日一覧表を作成
無断欠席等の無いよう、自覚を促す。

授業の感想・メモ

  • 夏休み中の登校日を決め、下調べ等の確認をしたことで、生徒達の取り組みの気持ちも高まってきたようです。私と生徒達との人間関係も築けつつあり、今後に期待が持てそうです。

第7回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
夏休み中にグループのテーマに沿って調べた内容を確認し、発表へ向けて、模造紙上へのまとめ方を工夫させる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
・夏休み中の研究内容を振り返る。
・夏休み中の宇宙に関するニュースについて考える。
◎冥王星の話題に言及
展開
(35分)
研究内容を模造紙に再現
△各グループで内容の精選、紙面の割り付けなどを相談。

◎適宜助言
◎資料用意
各グループの進捗状況に合ったアドバイスをする。
まとめ
(5分)
次回使用の資料、用具の確認
△片づけ
遅れているグループへの動機づけを行なう。

授業の感想・メモ

  • 自分達で取り組んでいるところと、そうでないところとの差が広がってきた。
    夏休みの取り組み方のちがいによると思われるので、再度の動機づけを行なう。

第8回目/全13回>『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
宇宙に関して興味ある事柄を調べ、まとめる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
                
指導上の留意事項
導入
(10分)
宇宙に関する最近のトピックについて考える。
◎冥王星が太陽系惑星から外れた経緯を、図表にして説明(研究発表の一例として提示)
展開
(30分)
宇宙に関して興味ある事柄について調べてまとめる。
△研究内容を模造紙にまとめる。

◎適宜助言
◎資料用意
各グループの進捗状況に合ったアドバイスをする。
まとめ
(10分)
総合学習の成果をふまえて行なわれる、校外学習についての説明
◎行先の候補としてあがっている2か所(JAXA宇宙科学研究本部、国立科学博物館)の特徴を説明

△行きたいと思う方に挙手

授業の感想・メモ

  • それぞれのグループが、それぞれのペースで進めている。
    パソコンや書物から得た知識を、どのように消化するのかが課題

第9回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
研究を本時までに仕上げる。
発表にふさわしい内容にまとめさせる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
◎△作業準備
展開
(35分)
研究内容を模造紙にまとめる。
△各グループで作業を進める。

◎適宜助言
(基本的に前回作業の継続)
わかりやすさ、みやすさの工夫をさせる。
まとめ
(10分)
次回、発表の際の留意点確認
◎10月12日の校外学習に関する注意事項等の伝達

△片づけ

授業の感想・メモ

  • 取り組み意欲の薄い生徒への対応が課題

第10回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
作業の完成を目指す。
(発表時を想定し、わかりやすい・見やすい工夫をこらす。)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
◎△作業準備
展開
(40分)
研究内容を模造紙にまとめる。
◎適宜助言

△本時までに完成させる。
まとめ
(5分)
発表時における留意点確認
△発表時のイメージトレーニング

△片づけ
発表時を想定して、説明の手順など考えさせる。

授業の感想・メモ

  • ほとんどの班が、模造紙上の作業を終了
    残り2班も今週中には仕上がる予定

第11回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
「自主研究発表」
調べ学習の発表により、半年の活動の総括をする。
他班の発表を聞くことにより、宇宙の諸現象への理解を深める。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
発表への準備
◎発表への心構えをさせる。
展開
(35分)
各グループ 模造紙にまとめた内容を5分程度で発表する。

発表タイトル
「宇宙誕生の神秘」
「ブラックホール」
「宇宙(ビックバン)の始まり」
「超巨大な星の最期とブラックホール」
「宇宙の始まり」
「月について」
「超新星爆発」
「うちう新聞」
◎各グループの発表終了時に質問あるいはコメントを行う。

◎聞いている生徒に発問を促す。
単に読むだけの発表にならないよう留意させる。

まとめた内容に誤りがあれば気づかせる。
まとめ
(10分)
JAXAの講師の浅野先生からの講評
△講師の先生からのコメントを聞き、宇宙の起源と進化の過程をもう一度確認する。

授業の感想・メモ

  • とりあえず全員が模造紙へのまとめと発表という作業を終了することができよかった。
    この経験が、さらに深い宇宙への興味につながることを期待したい。

第12回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
宇宙に関する関連施設を訪れ、各自の研究・発表の成果をさらに実りあるものにする。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
本日の流れの確認
見学の諸注意
◎出欠確認
展開
(170分)
特別展「大英博物館 ミイラと古代エジプト展」見学

常設展 見学
△地下3階「宇宙」のコーナーの展示物、フィルムなどに特に注意して、学習する。
猫のミイラ(英語教科書に登場)に注目させる。

アホウドリ(英語教科書に登場)のはく製の観察をさせる。
まとめ
(5分)
本日の見学の意義の確認
◎出欠確認

授業の感想・メモ

  • 宇宙の源初、宇宙の構造より始まり、地球の生成、そのたどってきた歴史、生物の進化の様子などが、階毎にテーマ別に見学でき、とても有意義だった。生徒も教師も一緒に楽しめ、大いに学ぶことができた。

第13回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
総合学習の時間『宇宙の神秘』への取り組みを振り返り、自己評価及び総括を行う。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
                        
導入
(15分)
国立科学博物館見学の成果を確認する。
△展示・映像などから学習した事柄を報告する。
展開
(30分)
振り返りシートへの記入
△半年間の授業への取り組みを振り返る。

△お世話になったJAXAの和田先生・浅野先生に感謝する。
まとめ
(5分)
後期活動の確認

授業の感想・メモ

  • 最初の頃は、意欲のうすかった子供たちも学習が進むにつれ、興味を持って来たことがとても良かった。知らなかったことを知る喜びが味わえた子供たちと教員は、和田先生・浅野先生に深く感謝申し上げます。お世話になりました。

神奈川県・神奈川県立瀬谷高等学校

授業連携実績一覧

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