<全授業を通した指導目標>
宇宙開発を題材として、人間と自然・科学技術とのかかわりについて考察するとともに、倫理観や社会性を配慮しながら、科学技術に対する総合的な見方や考え方を養う。
<対象>
高校1年生 320名
<期間>
平成18年9月6日・20日、11月20日
回数(総時間):3回(6時間45分)
<区分>
- SSH(スーパーサイエンスハイスクール)
授業連携
群馬県・群馬県立高崎女子高等学校
宇宙開発を題材として、人間と自然・科学技術とのかかわりについて考察するとともに、倫理観や社会性を配慮しながら、科学技術に対する総合的な見方や考え方を養う。
高校1年生 320名
平成18年9月6日・20日、11月20日
回数(総時間):3回(6時間45分)
回 |
実施日 |
時間 |
形式 |
人数 |
授業内容 |
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1 |
90分 |
講義 |
320名 |
全体講義 「宇宙開発」 講師:松本 勇 (JAXA宇宙基幹システム本部 試験センター 主任) 支援:浅野 眞 |
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2 |
各90分 |
講義 |
320名 |
分野別講義 (1)「宇宙開発と現代社会」(25名) 講師:河野 功 (JAXA総合技術研究本部 誘導・制御技術グループ 主任開発員) |
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講義 |
(2)「宇宙開発と国際問題」(60名) 講師:志賀 基英 (JAXA航空プログラムグループ 企画推進室 主事) |
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講義 |
(3)「宇宙開発と健康管理」(75名) 講師:村井 正 (JAXA筑波宇宙センター 健康増進室長) |
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講義 |
(4)「宇宙から調べる宇宙の歴史」(88名) 講師:山村 一誠 (JAXA宇宙科学研究本部 赤外・サブミリ波天文学研究系 助教授) |
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講義 |
(5)「暦のはなし」(72名) 講師:浜根 寿彦 (県立ぐんま天文台 観測普及研究グループ 専門員) 支援:浅野 眞・岸 詔子・森 理恵 |
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3 |
225分 |
講義 |
77名 |
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の概要について(15分) 女性職員による講義 「宇宙からの地球観測」(60分) 講師:今井 浩子 (JAXA宇宙利用推進本部 地球観測研究センター 開発員) |
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講義 |
「国際宇宙ステーションの話」(60分) 講師:吉崎 泉 (JAXA宇宙科学研究本部 ISS科学プロジェクト 主任研究員) 事前に提示した課題に対してグループ別に発表や質疑応答など行う。 |
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講義 |
「JAXAの事務系業務」(15分) 講師:岸 詔子(JAXA宇宙教育センター 主査) |
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見学 |
筑波宇宙センター 見学(75分) 支援:岸 詔子・森 理恵 |
<今回の授業の指導目標>
全体講義「宇宙開発」
人類の宇宙開発はどこで、いつ頃から始まったのか。世界の宇宙開発の歴史をさかのぼり、現状を再検討する。
時間配分 |
学習内容 |
◎教師の活動 △生徒の活動 |
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導入 (10分) |
・我々のいる宇宙 ・ロケットの歴史 ・JAXAについて |
◎宇宙のスケールについて ◎ロケットの歴史と開発者について |
展開 (40分) |
・宇宙開発の活動分野 ・日本のロケット開発 ・世界のロケット比較 ・さまざまな人工衛星とその役割 ・国際宇宙ステーション ・宇宙飛行士 ・なぜ宇宙を目指すのか ・宇宙開発の将来 |
◎様々な分野から宇宙開発は成り立っている ◎H-llAロケットの構造など ◎意外に古いロケットが使われている ◎「放送衛星」「気象衛星」「観測衛星」 「ハッブル宇宙望遠鏡」「はやぶさ」など ◎歴史と今後の活動 ◎無重力環境における生活 ◎生活に役立て、生活をより豊かにし、地球文明を発展させる ◎美しい地球を子孫に引き継ぐ ◎宇宙の謎を解明し、生命を探す ◎いつか太陽も消滅する |
まとめ (40分) |
・質疑応答 |
△宇宙服の値段は? △宇宙服を着ないで宇宙に出たらどうなる? △宇宙の距離はどうやって測る? △宇宙に出ると星座は違って見えるか? △太陽がなくなると光はどうなってしまうのか? △46億年前に地球ができたのは、どうしてわかったのか? △スペースコロニーは実現するのか? |
<今回の授業の指導目標>
分野別講義
(1)「宇宙開発と現代社会」(90分:25名)
環境問題や情報通信問題など、現代社会が抱える様々な問題と宇宙開発との結びつきを例証する。
(2)「宇宙開発と国際問題」(90分:60名)
宇宙開発が国際政治や国際経済といった分野といかに関わっているか、論点を探る。
(3)「宇宙開発と健康管理」(90分:75名)
医療現場や健康管理といった面に、宇宙開発が今後どう役立って行くのかを模索する。
(4)「宇宙から調べる宇宙の歴史」(90分:88名)
物質の歴史や宇宙・生命の誕生と歴史をたどる、という純粋な科学的態度にそって宇宙科学を探る。
(5)「暦のはなし」(90分:72名)
暦や農耕のシステムなど、日常生活では当たり前になっている事柄と宇宙との関わりを検証する。
時間配分 |
学習内容 |
◎教師の活動 △生徒の活動 |
---|---|---|
(1)「宇宙開発と現代社会」(90分) |
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導入 (30分) |
・講義の概要 ・太陽系と地球 ・宇宙の構造 |
◎「宇宙に行くには」「人工衛星になるためには」を考える。 |
展開 (50分) |
・人工衛星の開発の歴史 ・人工衛星の利用 1)生活に役立つ ・放送・通信衛星 ・GPS 2)科学探査の衛星 ・小惑星探査機「はやぶさ」 ・技術試験衛星VII型「おりひめ」 「ひこぼし」 ・国際宇宙ステーション |
◎パワーポイントを用いて、写真やビデオなどが組み合わされ、視覚に訴える資料をもとに説明をした。 ◎Webサイト「Google Earth」に接続し、地球の様子をさらに詳細に表示しながら説明を補足した。 |
まとめ (10分) |
・質疑応答 |
△人工衛星同士はぶつからないのか? △人工衛星が死んでしまったらどうなるのか? △国際宇宙ステーションにおける、日本の役割について。 |
(2)「宇宙開発と国際問題」(90分) |
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導入 (20分) |
・自己紹介 ・JAXAについて ・最近のニュースから |
◎文系出身の事務系分野だが、国際部航空プログラムで研究している。 ◎JAXAのロケット開発、小惑星探査機「はやぶさ」について予算の国際比較。 |
展開 (40分) |
・国際問題の歴史 ・宇宙ステーションの教訓 ・国際協力のメリット・デメリット |
◎スーパー301条の導入による日米間の経済摩擦の影響。 ◎ITAR(国際武器輸出制限規制)による米国側の規制措置の強化。 ◎宇宙ステーションでの日本実験棟「きぼう」の活用の可能性。 ◎シャトル事故によるNASAの問題の発生。 ◎米国のスペースシャトルから月・火星への関心転換。 ◎メリットとしては資金面・人的負担の軽減 ・互いの得意分野には相乗効果がある。 ・異文化理解を深める。 ◎デメリットとしては相手側の事情次第で中止のリスクがある。 |
まとめ (30分) |
・これからの国際戦略のあり方 ・意見交換 ・まとめ |
△米国依存から離れるべき。 △アジアでの協力や戦略を考えるべき。 |
(3)「宇宙開発と健康管理」(90分) |
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導入 (20分) |
・人間にとっての宇宙環境とはどんなものか。 |
◎宇宙飛行士の医療管理の必要性。 |
展開 (50分) |
・宇宙滞在が及ぼす人体への影響。 ・宇宙医学管理の発展の歴史について。 ・宇宙医学管理の歴史について。 ・月面基地、火星基地、スペースコロニーなどへの応用。 |
◎寝たきりと同じであるため、その対策。 ◎生存すること→健康であること→快適に過ごす→生活できる。 ◎事故から学ぶことも大きい。 ◎誰もが宇宙へ行き、生活できる将来に向けて。 |
まとめ (20分) |
・質疑応答 |
△宇宙で使う衣料品は地上と同じ? ◎絆創膏などは同じ。しかし点滴や注射などは工夫が必要。 △宇宙における精神心理支援とは、具体的にどんなものか? ◎一番問題となるのは情報が伝わらないことである。そのため、家族と会話をさせたり、ニュースや情報を伝えることなど。 |
(4)「宇宙から調べる宇宙の歴史」(90分) |
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導入 (10分) |
・講義の概要 |
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展開 (60分) |
・いろいろな「光」で観測することによって、宇宙をより詳しく把握できることを理解する。 ・われわれの体を作っている元素のルーツが、星にあることを理解する。 ・宇宙では、様々な形や大きさの物質が集まって構造を作っていることを理解する。 |
◎プロジェクタを使用しての講義。 |
まとめ (20分) |
・質疑応答 |
△膨張する宇宙はどうなるのか? △ブラックホールの正体は? |
(5)「暦のはなし」(90分) |
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導入 (20分) |
・カレンダー ・暦って何? ・暦はどうして必要? |
◎カレンダーには年、月、日、曜日、週、二十四節気などが記されている。 ◎四季など自然の変化に大きく影響を受ける人間の生活は、その変化を予測する必要があった。 天体観測=規則性がある。 |
展開 (60分) |
・「月」の話 ・「週」の話 ・「曜日」の話 |
◎恒星より明るい天球から独立して動く「七曜(水星、金星、火星、木星、土星、太陽、月)」について ◎旧暦と二十四節気について 太陽暦、太陰太陽歴、閏月など ◎歳星紀年法について ◎太歳紀年法について 古代中国より十二支の配当 ◎新暦のメリット 明治政府が、文明開化で西欧に並ぼうとした。西欧との統一。 ◎旧暦のメリット 天の川もよく見えるし、盆踊りも満月で明るくて適している。 |
まとめ (10分) |
・天体観測と日常の生活 ・質疑応答 |
◎時間の流れを記述する暦と天体観測は切っても切れない。 |
<今回の授業の指導目標>
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究開発現場ではたらく女性職員を、自らのロールモデルとしてとらえさせ職業感の形成を促す。また、宇宙開発に関する課題をあらかじめグループごとに与え発表することにより、一方的に講義を受けるのではなく、自ら積極的に参加する意欲を喚起する。
センター内の施設を見学することにより、研究開発現場を理解する。
時間配分 |
学習内容 |
◎教師の活動 △生徒の活動 |
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導入 (15分) |
・JAXAの概要について、女性職員より講義を受ける。 |
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展開 (135分) |
・「人工衛星の開発とその利用」をテーマに女性研究員の方から講義を受ける。 ・「宇宙環境の利用・宇宙実験」をテーマに女性研究員の方から講義を受ける。 ・JAXAの文系の業務(事務系)について講義を受ける。 |
△事前に出された課題「どのようなミッションを持った衛星・探査機を開発してみたいか」に対するグループ発表(6班)。 △講義に対する質疑応答。 △事前に出された課題「国際宇宙ステーションにて、長期にわたる微小重力環境を利用してどのようなことをやってみたいか」に対するグループ発表(6班) △講義に対する質疑応答。 △講義に対する質疑応答。 |
まとめ (75分) |
・筑波宇宙センター内の展示室、宇宙ステーション試験棟、無重力環境試験棟、宇宙飛行士養成棟等を見学する。 |
△解説員による解説を受け、積極的に質問をし疑問を解消する。 |
群馬県・群馬県立高崎女子高等学校