授業連携

済美高等学校キャリア教育

愛媛県・済美学園済美高等学校

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概要

<全授業を通した指導目標>

これまでJAXA宇宙教育センターの支援を受けて宇宙教育を取り入れた課題研究活動を実施してきたという経緯がある。その成果として、一昨年のAPRSAF水ロケット大会に本校生徒が出場し優勝したり、宇宙物理学に興味を持ち大学での専攻に選んだ生徒が出たり、多くの影響を与えている。
宇宙教育を実施うする上で幅広く多面的な指導法を持ち、継続的な事後指導を実施していただけるため、一回の講義だけでなく継続した連携が可能であるので地域外であるが連携をお願いしたい。

<対象>

高校1年生150名、2年生70名 合計220名

<期間>

平成21年5月15日~平成22年3月15日

<区分>

SPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
01
5月15日
見学
180名
愛媛県総合科学博物館見学
ポスター展示
02
6月13日
180分
授業
70名
ポスター展示の講評
宇宙についての事前学習
03
100分
講義
220名
「宇宙137億年の歴史」
講師:吉川 真
(宇宙科学研究本部宇宙情報・エネルギー工学研究系/准教授)
支援:宮原 有香
04
7月17日~7月18日
終日
講義・実習
70名
久万高原サイエンス合宿
05
210分
講義
15名
無重力実験に関する講義
講師:高沖 宗夫
(JAXA有人環境利用ミッション本部 宇宙環境利用センター 主幹研究員)
実験
無重力実験
指導:高沖 宗夫
(JAXA有人環境利用ミッション本部 宇宙環境利用センター 主幹研究員)
支援:宮原 有香・藤沢 宏美
06
360分
実験
発表
15名
生徒による実験(270分)
実験結果の発表・考察・講評(60分)
指導:高沖 宗夫
(JAXA有人環境利用ミッション本部 宇宙環境利用センター 主幹研究員)
支援:宮原 有香・藤沢 宏美
07
10月30日
終日
発表
15名
中間発表(文化祭)
08
3月15日
130分
発表
259名
課題研究発表会

第1回目/全8回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
(1年生)理科総合Bで学んだ「生命の星・地球」のまとめとして宇宙誕生から137億年の歴史について学ぶ。
(2年生)課題研究活動を始めるに当たって宇宙の歴史と現在の科学の繋がりについて学ぶ。
(共通)実際の宇宙開発の研究者から生の講義を受けることで、研究という仕事について考える。また、皆既日食観察を前に、基礎知識を習得する。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(3分)
講師紹介
◎講師の紹介ならびに本時のねらいを生徒に説明した
2学年同時に受講するため、それぞれのねらいを把握させた
展開
(90分)
○講師の自己紹介

○「はやぶさ」ミッションについて
小惑星「イトカワ」の探査機「はやぶさ」プロジェクトに関わってこられた講師より、「はやぶさ」ミッションについて「イトカワ」の模型を見せていただきながら紹介していただき、小さな小惑星からどのようにしてサンプルを採取したかなどを伺った。

○宇宙137億年の歴史
「宇宙」とは時間と空間のすべてを表しているというお話に始まり、宇宙の誕生から文明の誕生までを5つの奇跡と題して話してくださった。

○皆既日食について
講師の先生がこれまで経験した皆既日食について映像を交えながらお話を伺い、7月22日の日食にむけて基礎知識を解説していただいた。
△講師の話を聞く・必要に応じてメモを取った

△「イトカワ」の模型を観察した

◎講師の話を聞くとともに、生徒の理解度を観察すした
大人数であるので、集中がとぎれないように注意した
まとめ
(5分)
質疑応答
△講義で疑問に思った点などを挙手して質問した

授業の感想・メモ

  • 大変多くの生徒対象に講義をしていただいたが、理科総合Bの授業で宇宙について意識的に深く指導をしていることもあり、授業の復習や発展という位置づけで有意義な講義だったと感じた。はやぶさミッションについての紹介では日本の宇宙開発技術のすばらしさを初めて知る生徒が多く、関心を持っている生徒も多かった。また、皆既日食などの美しい写真を多用したスライドで文系志望の生徒や教員の目にも楽しい授業であった。

第5回目/全8回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
宇宙に出ると無重力の世界が待っている。無重力の世界ではどのようなことが起こるのか、小さな実験室(実験装置)の中の様子を観察させることによりそれを実感させる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(60分)
講義
無重力の世界はどのような場合に生じるのか、またその中ではどのようなことが起こるのかをスライドを用いて説明
◎机間巡視などを通して、講義内容のメモを取るように指導したり、講義の補足をしたりする。

△講義内容を理解する。
展開
(120分)
デモンストレーション
あらかじめ行った無重力実験を記録した映像を見せ、生徒に自分たちをやってみようという気持ちを持たせる。

実験の準備
生徒は数名ずつの班に分かれて事前に検討した実験の道具作りなど準備を行った。
◎班ごとの準備作業をこまかくチェックし、より効果的に観察できるような方法を指導する。

△デモンストレーションの内容についてメモを取る。

△班ごとに考察した実験の準備をする。
デモンストレーションのポイントを明確にする。
班ごろの準備では、何を観察しようとしているのか、そのポイントを明確にさせ、そのねらい通りに作業が進んでいるかチェックする。
まとめ
(30分)
班ごとの準備作業
◎大切なポイントを示したり、誤った方向を修正するよう促した。

授業の感想・メモ

  • 高沖先生の講義を受けたり、デモンストレーション(映像)を見たりして、生徒はとても興味を抱いたようで、事前に各班で考えていた実験の準備に積極的に取り組んだ。事前に準備したものに変更を加えようとする班も2~3あったが、これは講義やデモンストレーションの影響を受けたためであった。

第6回目/全8回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
宇宙に出ると無重力の世界が待っている。無重力の世界ではどのようなことが起こるのか、小さな実験室(実験装置)の中の様子を観察させることによりそれを実感させる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
前日の授業をふまえ、班ごとに考えた実験のねらいを明確にし、実験の準備を行う。
◎前日に気づいた点を指摘する。

△班ごとに実験のねらいを確認し、準備を行う。
展開
(260分)
班ごとに準備した実験を行い、結果(無重力実験装置の中で起こったことを記録した映像)の分析と検討を行った。
◎班ごとの実験がうまく進むよう助言したり、作業を手伝ったりする。

△完成した実験道具を用いて実験する。

△実験装置内を撮影した映像を観察して、それについての意見を出し合い検討する。

△うまく撮影されていない場合は道具を改良して再度行う。
撮影された映像からどのようなことが判るか観察のポイントを示す。
撮影した映像が良くない場合はどこを改良すれば良いか助言する。
まとめ
(90分)
判別の発表

発表に対する質疑

講評
◎発表に対して適宜助言をしたり質問したりする。

△班ごとに発表する。

△発表に対して質疑をする。

◎講評を行う。
他の班の発表に対して質問したり、意見を出したりするようにし向ける。

授業の感想・メモ

生徒の感想より

  • 無重力実験は今までしたことがなかったので、おもしろかったです。いつも当たり前に重力を受けているものが、その束縛から離れたとたん、思ってもいない運動を始めたりするので、とても興味深かった。
  • 無重力を作り出すことによって、普段とは違う反応をするものがあり、不思議地に思うこともありました。
    以上のように、生徒への興味付けに大変有効であり、その後の課題研究活動にも役だったと思う。

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