授業連携

長崎からの平和発信 ~宇宙の視座から考える平和教育~

長崎県・長崎市立滑石中学校

  • 中学校
  • 中1
  • 総合的な学習の時間

概要

<全授業を通した指導目標>

 子孫に美しく豊かな地球を引き継ぐことは、今を生きる我々人類に課せられた責務である。しかしながら、この世界は、今なお戦乱、飢餓、地球的規模で進む環境汚染など人類の生命の存続の危機に直面する課題が山積みしている。
 このような状況の中で、地球上の生命を一瞬にして破壊する核兵器の威力を体験した長崎県民として、命の尊厳と自由で平和な社会の実現のために、宇宙という切り口から奇跡的な命の誕生を学び、地球や身近な自然を理解し、地球的な規模で将来の地球の在り方を平和という視点で考えることは責務であると考える。
 そこで、環境問題、エネルギー資源問題、紛争・戦争問題等を解決していく視点を、宇宙という視座を持つことで生徒達に育ませていきたいと考える。そして、宇宙と自己と平和な世界の在り方を考え、未来への展望を広げさせていきたい。

<対象>

中学1年生 150名

<期間>

平成21年6月4日~平成21年11月6日

<区分>

総合学習の時間

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
01
6月4日
100分
説明






作業
169名
全体オリエンテーション
・平和学習の目的、今後の予定、意識調査
・学習テーマについて
(1)被爆の実相
(2)滑石平和さるく(滑石地区の被爆の実相)
(3)長崎からの平和発信(宇宙と平和)

平和の灯火キャンドルの図案、メッセージを考える
02
6月11日
150分
作業
169名
平和の灯火キャンドル作成
03
6月23日
100分
講話
169名
全校被爆体験講話
04
6月30日
100
講話
169名
如己愛人~永井隆博士の生涯~
05
100分
講話
169名
『宇宙の歴史から見た地球の特殊性、命の誕生、尊さ』
講師:油井 由香利(JAXA職員)
06
7月15日
100分
説明
169名
平和行動日に向けて
班編制(班長等)
学習テーマとコースの決定
07
夏休み
90分
自主学習・作業
169名
折り鶴(1人30羽、各学級千羽を目指して)、平和に関するレポート(体験聞き込み、記事収集、読書)
08
8月9日
100分
集会
547名
平和祈念集会
09
9月3日
50分
授業
169名
10
9月10日
100分
説明・確認
169名
平和行動事前集会
・班とコースごとに整列
・事前指導
・班別打ち合わせ(集合、所持品確認・分担)
11
9月11日
終日
校外学習
169名
平和行動日
※平和案内人の方と一緒にコースを廻る
12
9月14日
50分
まとめ
169名
自分たちの学習テーマに沿ってまとめを行う
13
9月~11月
90分
講義
169名
9月以降は、コース別に分かれて学習を進める
平和学習コースについては、宇宙の視座から考える平和教育を進める

第5回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

 被爆者による被爆体験講話や自ら被爆した後医師として被爆者の治療や平和の尊さ、命の尊さの継承に力を注いだ「永井隆博士」の生涯についての講話を通して学んだ「命の尊さ」について、宇宙の誕生の歴史から見た「命の尊さ」という視点から宇宙的視座で総括的に知識を習得し、また、今後の平和学習およびコース別学習を始めるにあたっての基礎的知識の習得を目的とする。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
講師紹介
◎講師紹介

△生徒の司会による講師紹介
展開
(90分)
「宇宙の歴史から見た地球の特殊性、命の誕生の奇跡」
講師:油井由香利(JAXA主任開発員)

宇宙の歴史を通して、地球誕生の奇跡、命誕生の奇跡、地球を守っていくことの重要性について考える。
◎記録

△講義を聴きながら、命の尊さ・奇跡についての
科学的知識を習得する。
講義を集中して聴かせる。
まとめ
(20分)
まとめ

質疑応答
△感想記入

◎感想回収
積極的に質問するように促す。

授業の感想・メモ

  • 原爆による被害の状況を通して「命」を学習してきた生徒にとって、宇宙の歴史を通して見た「命」の誕生の講義は、「命」について考えるとても新鮮な視点を得る機会となったようである。講義終了後の感想用紙から、われわれ生命体の存在のわけについて真剣に考え直している姿や地球を大切にして行かねばならないといった使命感を持った意見が多数見られた。この講義を通して、宇宙という切り口から身の回りの事物・現象、さらに自然や命を見つめ直させたいというねらいからして、期待する生徒の姿に達したと言える。

長崎県・長崎市立滑石中学校

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