授業連携

宇宙と人間

神奈川県・神奈川県立神奈川総合産業高校2年生

  • 高等学校
  • 高2
  • その他

概要

<全授業を通した指導目標>

統一テーマ「宇宙と人間」に基づき、宇宙と人間に係る様々なトピックスを観察、実験など具体的な作業をおこなうワークショップ形式で学習することを通して宇宙規模で進展する科学技術と人間のあり方を考察し、宇宙と人間に対する総合的な見方や考え方を養います。

<対象>

高校2年生 10名

<期間>

平成22年10月5日~平成23年2月22日

<区分>

宇宙ワークショップA

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
01
90分
授業
10名
惑星探査
支援:松岡 均
02
90分
授業
10名
課題調べ学習
03
90分
授業
10名
惑星探査
04
11月2日
90分
授業
10名
学校行事のため授業なし
05
90分
授業
10名
宇宙開発の歴史
06
90分
授業
10名
ロケットは何故飛ぶか
07
90分
授業
10名
人口衛星の作り方
08
90分
授業
10名
人口衛星のとばし方
09
45分
授業
10名
情報のやりとり
10
90分
授業
10名
惑星探査機
11
90分
授業
10名
発表会
12
2月8日
90分
授業
10名
発表会
13
45分
授業
10名
発表会
14
45分
授業
10名
予備

第1回目/全14回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

地球や惑星の気象学(今村剛 講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
私が行っている研究
「地球や惑星の気象学」
・地球は特別な存在か。
・惑星ごとに表面の環境が違うのはなぜか。
・金星探査機「あかつき」に携わっている。
◎プロジェクターで写真等の具体をあげて説明
展開
(60分)
・地球は特別な惑星。生物がいる。水がある。
・太陽系には地球型惑星と巨大ガス惑星がある。
・オリオン座大星雲の原始惑星
・水の状態図
・光の波長…赤外線、温室効果、アドベ ド、大気の成分CO2
・金星、地球、火星の気象の差はなぜ。
◎プロジェクターで写真等の具体をあげて説明

△講義内容を聴きいっている。
まとめ
(20分)
・ 次回は調べ学習です。
・惑星の気候は何で決まるか。「金星、地球、火星の気象の差はなぜ。」
自分で調べて、考えてみましょう。
「地球、火星、金星の平均気温はそれぞれ、15℃、-50℃、470℃この差はなぜ。」
△報告書の作成、提出

授業の感想・メモ

  • 惑星の気候は何で決まるか。特に「金星、地球、火星の気象の差はなぜ。」についてはCO2による温室効果が鍵を握っている。今、地球温暖化問題である温室効果が惑星の気候に関係していることに関心を示していた。

第2回目/全14回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

金星、地球、火星の気候の差について探求する調べ学習。
「地球、火星、金星の平均気温はそれぞれ、15℃、-50℃、470℃この差はなぜ。」
前回、講義されたことを踏まえて、自分で調べる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
調べ学習の説明
◎生徒のサポート

△図書館、インターネット等を活用し、各自で探求活動を行う。
展開
(70分)
各自で調べ学習
◎生徒のサポート

△図書館、インターネット等を活用し、各自で探求活動を行う。
まとめ
(10分)
調べ学習の整理、まとめ
△ワークシート提出

授業の感想・メモ

  • 前回の講義から探求の観点が理解でき、関心をもち、有意義な調べ学習ができた。

第3回目/全14回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

惑星の科学(今村剛 講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
前回の復習
調べ学習の感想
◎プロジェクターで写真等の具体をあげて説明
展開
(50分)
・惑星全体のエネルギー
・地球、火星、金星の気候の差を詳しく説明
・金星にあった水の行方はどこへ。
・太陽はなぜ光っているか。
◎プロジェクターで写真等の具体をあげて説明

△講義内容を聴きいっている。
まとめ
(30分)
質問
・火星、金星に生命がいたら、どんな生命か。
金星の大気の雲が速い速度で動いている。その原因は。
△報告書の作成、提出

授業の感想・メモ

  • 更に惑星の気象の差を詳しく説明され、興味深く、聴き入っていた。

第5回目/全14回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

宇宙探査技術~宇宙開発の歴史~(井上浩三郎 講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
・自己紹介
・今後の講義について
第1回日本の宇宙開発創成期
第2回ロケットの大型化
◎プロジェクターで説明
展開
(70分)
第1回日本の宇宙開発創成期
●糸川英夫とペンシルロケット
・1955年水平発射
・国際地球観測年
・道川から内之浦へ
・カッパーロケットの爆発
第2回ロケットの大型化
・日本初の人工衛生「おおすみ」
・ペンシルロケットからミューロケットへ
・世界では1957年ソ連スプートニク1号、1958年米国初の人工衛星、1961年ソ連有人飛行
◎プロジェクターで写真等の具体をあげて説明

△講義内容を聴きいっている。
まとめ
(10分)
・飛行機とロケットの違い
・宇宙開発の立役者
△報告書の作成、提出

授業の感想・メモ

  • 宇宙探査技術~宇宙開発の歴史~は理学と工学が一体となって開発をしてきたことを熱く、語っておられました。生徒は興味深く、聴き入っていた。

第6回目/全6回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

ロケットは何故飛ぶか?~ロケット大型化と人工衛星「おおすみ」(井上浩三郎 講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
前回、第5回の復習
◎プロジェクターで説明
展開
(70分)
・ロケットの原理
 ロケットを安定に飛ばすには
 1.尾翼安定 2.スピン安定

・人工衛星の軌道
 日本初の人工衛星「おおすみ」
 発射角度
 苦闘4年間
 L-4S-5で成功 

・テレメータ、レーダトランスポンダ、一次レーダ、二次レーダ

・ロケット打ち上げ実験ビデオ上映
◎プロジェクターで写真等の具体をあげて説明

△講義内容を聴きいっている。
まとめ
(5分)
失敗なしには成功はない。
△報告書の作成、提出

授業の感想・メモ

  • 実際にロケット開発に携わった講師のお話なので非常に説得力があり、生徒は静かに聞き入っていた。

第7回目/全14回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

人工衛星のつくり方-あるミッションのための科学衛星-(井上浩三郎 講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
●地球を回る科学衛星
・第一宇宙速度
●地球以外の天体を探査する科学衛星
・第二宇宙速度
・スイングバイ技術
●太陽電池の使い方の変遷
・ボディマウント
・ハドル
◎プロジェクターで説明
展開
(65分)
●Μ(ミュー)ロケットと科学衛星の時代
・固体燃料
・M-Vロケット(現在開発中)
・全段制御ロケット
●人工衛星
・衛星と惑星の違い
・軌道・円軌道・楕円軌道
・静止軌道・極軌道
●動画(ロケットと人工衛星)
・人工衛星はなぜ、落ちないか
・無重量と無重力は違う
・1996年「はるか」はアンテナ研究のミッション
・宇宙空間では太陽光があたる場所と影では200℃の差がある。
◎プロジェクターで写真等の具体をあげて説明

△講義内容を聴きいっている。
まとめ
(10分)
●軌道変更
・スイングバイ技術
燃料を使わずに遠くまで行く技術
●衛星ミッションのプロセス
5~8年かかる。計画から打ち上げまで
●なぜ、衛星を上げるのか
・光の窓と電波の窓
△報告書の作成、提出

授業の感想・メモ

  • 衛星ミッションのプロセスに関して、計画から打ち上げまでを聴き、ミッションによりプロセスが異なることなどを知った。様々な事柄をまとめ上げた結果が打ち上げである。生徒は真剣に聴き入っていた。

第8回目/全14回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

●人工衛星の飛ばし方1.スイングバイ2.追跡
●後期発表会テーマ「わたしだったら、こんな人工衛星や探査機を打ち上げます。」へのアドバイス(井上浩三郎 講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
前回、スイングバイについて触れたが復習しながら、火星探査衛星「のぞみ」(1998年)で説明。
◎本時の概要を説明
△課題の用紙を確認
展開
(60分)
・ロケットの制御
 地上レーダー、テレメーターで監視
・「あかつき」のミッション機器
 金星のスーパーローテイション
・大気の無いメリット
 大気に邪魔されずに観察できる。
・衛星ミッションのプロセス
 目的、計画、人工衛星の設計
◎プロジェクターと書画カメラを用いて説明
△ノート作成
・衛星ミッションのプロセスは専門的になり過ぎないように。
まとめ
(15分)
・後期発表会テーマについて
高校生の柔軟な頭脳で既成概念にとらわれずに自由な発想で考えよう。
△報告書の作成、提出

授業の感想・メモ

  • 後期発表会テーマ「わたしだったら、こんな人工衛星や探査機を打ち上げます。」へのアドバイスをいただき、また、後期発表会テーマに関する講義を展開していただきました。デジタルデータや画像を提示していただき、生徒は非常に興味関心が深くなっています。

第9回目/全14回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

情報のやりとり~6テーマ~(井上浩三郎 講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
・衛星ミッションのプロセス(約5~8年)
・運用(1~10年)
・ミッションの成果
・本日は情報について、6テーマ
◎前回の復習

◎本時の概要を説明

△課題の用紙を確認
展開
(70分)
1.情報と情報量
・情報量とその質
 意味ある情報、情報の善し悪し
・情報を得る、伝える、正誤情報の区別
・アナログとデジタル・通信の優劣

2.情報は電波に乗せて伝送する。
・情報伝送
 通信の質「ビット誤り率」、量「単位時間のビット数」、振幅変調

3.通信という手段に使う。
・PCM変調(パルス符号変調)
・2相PCM、電波の種類

4.通信系の構成
・アンテナは回路と空間を結ぶもの

5.ハレー彗星ミッション

6.地上局(アンテナ)
・各種アンテナ紹介
◎プロジェクターと書画カメラを用いて説明

△ノート作成
まとめ
(20分)
・通信のしくみ
 アンテナ、コマンド、テレメトリー、レンジング
・質問

授業の感想・メモ

  • 「情報のやりとり」の6テーマ中、「情報と情報量」は高校を超える高度な内容であったが生徒は興味深く聴き入り、基礎的な知識なしには課題を解決できないこと、さらに、実践も成り立たないことを理解できた。

第10回目/全14回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

惑星探査機(井上浩三郎 講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
・情報について
 電波に乗せる、変調する(PMC変調)、遠距離通信、雑音が入る
・人工衛星と惑星探査機の違い
・惑星探査機「はやぶさ」ミッションについて、ビデオ上映
◎前回の復習

◎本時の概要を説明

△課題の用紙を確認
展開
(75分)
●情報について
・受信レベルと距離
 (距離の2乗に反比例
・正確な通信
 デジタル信号に変換、量子化雑音
・電波の発信
 遠くなると減衰し、雑音が入る。
●惑星探査機工学実験衛星「はやぶさ」ビデオ上映 
・「はやぶさ」の目的は小惑星「いとかわ」に行き、地球にもどること。
・2003年5月9日打ち上げ、2005年小惑星に到着、2007年地球帰還予定が2010年になった。
・イオンエンジン
・光学補正利用の自律軌道衛星
・スイングバイ
・小惑星「いとかわ」は大気、圧力による影響がない。宇宙の始まりの痕跡を残す。
◎プロジェクターと書画カメラを用いて説明

◎DVDビデオ上映
△ノート作成
視覚映像は具体的に理解させる上で非常に効果がある。
まとめ
(5分)
・質問
・報告書作成
・次回の発表の準備を指示した。
△報告書の作成、提出

授業の感想・メモ

  • 惑星探査機「はやぶさ」ミッションのビデオ上映は非常に効果的であった。これまでの講義をもとにビデオ映像により、視覚による具体ができ、非常に理解しやすかった。次回は発表である。生徒はどのような人工衛星を考えてくるかが楽しみである。

第11回目/全14回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

発表会
テーマ「わたしだったら、こんな人工衛星や探査機をつくります。」(井上浩三郎 講師)
1.利用目的(何に利用するか)
2.技術的意義(利用する理由、利用する技術)
3.形状、機能(図で説明がよい)
4.どのような効果があるか
※人工衛星や探査機が実現可能かどうかは問いません。独創的なものを期待します。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・発表方法説明
 時間5分、質問2分
◎本時の概要を説明

△課題の用紙を確認
資料、発表内容、発表に対する質問で評価をします。
展開
(80分)
●発表内容
・土星探査機
 土星のリングの成分を調べる。
・太陽系外惑星探査機
 人間を乗せて何年もかけて探査する。
・お掃除衛星
 地球軌道上の人工物を掃除する。
・地球の地下探査機
 地球内部の探査をする。
・地球を守る衛星
 地球に衝突する隕石やミサイルを破壊する。
・フラッシュ レーザー衛星
 地上のごみを人工衛星からレーザーを照射し、きれいにする。
◎発表を聴く

◎発表者に質問と助言をする。
まとめ
(5分)
●次回の発表について
発表ができなかった者、未完成な者は次回、発表を行うこと。
・質問されたことを検討し、発表すること。
・発表内容のレポートを提出すること。
△報告書の作成、提出

授業の感想・メモ

  • 様々な独創的な人工衛星や探査機が登場したが未完成や資料不足が多いので次回に完成させるように指示をした。発表し、質問されることで自分の知識不足や気付いていない点を確認できることが大切であると思います。

第13回目/全14回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

発表会(45分短縮授業)
テーマ「わたしだったら、こんな人工衛星や探査機をつくります。」(井上浩三郎 講師)
2月1日に続き、発表です。
※前回、欠席した者、中間発表で終了した者が発表します。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・発表方法説明
 時間3分、質問2分
◎本時の概要を説明

△課題の用紙を確認
資料、発表内容、発表に対する質問で評価をします。
展開
(30分)
●発表内容
・土星探査機
 土星のリングの成分を調べる。
・宇宙ゴミの探査衛星
 地球軌道上の人工物を掃除する。
・地球に近づく彗星の探査機
 彗星に接近して回りながら探査する。
・地球を守る人工衛星
 地球に衝突する隕石やミサイルを破壊する。
・太陽エネルギー衛星
 宇宙空間で太陽光発電をしてそれを地上で利用する。
◎発表を聴く

◎発表者に質問と助言をする。
質問することが発表者の資質向上に繋がることを理解させる。
まとめ
(10分)
井上先生からの講評
△報告書の作成、提出

第14回目/全14回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

「小惑星、隕石と地球」 (45分短縮授業:本校職員担当)
 ●前回の発表内容で「隕石や小惑星が地球に衝突するのを防ぐ探査衛星や人工衛星」についてが複数ありましたのでそれに関係したビデオを上映して最新の研究成果を紹介すること。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・前回の発表内容を踏まえ、地球に衝突する隕石の影響や小惑星が衝突する可能性について説明する。
・ビデオを上映して最新の研究成果を紹介することを説明する。
◎本時の概要を説明

△今回は報告書の作成はない。
・視聴覚的に優れたものは教育効果が高い。
展開
(40分)
●ビデオ上映
・隕石の誕生
・小惑星の衝突と月の誕生
・地球に衝突したときの影響と恐竜の絶滅の関係
◎ビデオ上映と注意

△ビデオを観賞
まとめ
●ビデオ上映時間が40分なので観賞を優先させ、まとめの時間は取らない。
△報告書の作成、提出はない。

授業の感想・メモ

  • 今回は最終授業であり、発表で複数あった内容を取り上げた。非常に映像がすばらしくて生徒は真剣に見入っていた。これまで1年間、講師の先生に教えて頂いたことが基礎となり、今回の映像に興味を深く示す素地が養われたと感じました。

神奈川県・神奈川県立神奈川総合産業高校(2)2年生

授業連携実績一覧

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