授業連携

宇宙に関する様々な事項をワークショップ形式で学ぶ

神奈川県・神奈川県立神奈川総合産業高校2、3年生

  • 高等学校
  • 高1
  • 高2
  • その他

概要

<全授業を通した指導目標>

宇宙に関して興味関心を深め探究心を養う。自ら探究する力を身につけ、課題研究等に活用する。

<対象>

高校2、3年生 10名

<期間>

平成22年4月13日~平成23年2月22日

<区分>

宇宙ワークショップA

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
01
90分
オリエンテーション
10名
オリエンテーション
02
90分
授業
10名
宇宙を見る眼
03
90分
授業
9名
宇宙を測る
04
90分
授業
9名
角度の測定
三角測量
05
90分
授業
10名
望遠鏡の原理
06
90分
授業
9名
太陽は燃えているか?太陽と星
07
90分
授業
10名
スペクトル、回折格子 分光観測の基礎
08
90分
授業
9名
天の川銀河の謎
09
90分
授業
10名
宇宙に果てはあるか?宇宙のタマネギ構造
10
90分
授業
10名
ドップラー効果
11
90分
発表
発表会
12
90分
発表
発表会
13
90分
発表
発表会

第1回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

●宇宙ワークショップのオリエンテーション。年間計画の説明。授業展開の説明。
●様々な視点から我々の地球がある宇宙を学ぶことを理解させる。
●報告書作成(毎時間)について理解させる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
宇宙ワークショップの授業展開の説明。
年間計画の説明。
生徒の活動とどのような姿勢で授業に臨むべきか提案する。
◎出席確認
 報告書の作成方の説明
 授業への臨みかたの説明
展開
(60分)
授業プリントを進める。
・宇宙から見た地球
・地動説の証明
・作業:世界地図を切り取り、大陸移動説を確かめる。
・春の星座を解説する。
△授業のメモ
 世界地図の切り抜き、移動したと予想される地域の確定。
まとめ
(15分)
報告書を作成しつつ、本時のまとめをする
△報告書の作成
 出席票の記入

授業の感想・メモ

  • 講座1回目。宇宙に夢が広がる話をした。次回より、週代わりで専門の先生方2名による講義が行われることを強調した。生徒は大いに期待している。

第2回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

宇宙の探査方法。
宇宙を何を使って見るか。
光の特徴を学ぶ。
(奥田講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
・講師自己紹介
・「疑う」、「考える」を常に心がけることを理解させる。
 なぜ…物事を批判的にみる。
 どうしてだろう…理論的に理解する。
◎経歴の説明
△生徒から質問
展開
(60分)
●宇宙の探査…宇宙を見る眼
 有史以前から人は可視光線で天体を見ていた。
・光は「電磁波・横波」
 波長、周波数、光の速さ、光の性質
・色が温度を現す。
・「望遠鏡」の発明が宇宙探査を大きく変えた。光学望遠鏡、電波望遠鏡
・赤外線でみた天の川
・対数法
・星の等級
天体に関する単位、用語については学習していないものが登場するのでその解説に時間をとられない工夫が必要である。
まとめ
(20分)
質問を受け、自由討議とする。
報告書を作成、提出させる。
◎本時の内容での質問を受ける。
 「単位」について質問があった。
 宇宙を知るための単位を解説をした。
 天文単位、光年、太陽質量、絶対温度、エネルギー[J]、[eV]等
△報告書を作成。疑問点を書くことも行う。

授業の感想・メモ

  • 宇宙観測の発達に興味深いものがあった。可視光線を眼で見ることから始まり、望遠鏡の登場があり、さらに電波(赤外線、エックス線)で観る話があり、生徒は熱心に聴いていた。講義に出てきた単位についての質問があった。それは天文に特有なものであり、生徒の取り組み方がうかがえると感じた。

第3回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

●「宇宙の広がり」について
・星までの距離はどのように測り決めたのか理解する。
・宇宙の果てはどのくらい。
(奥田講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
前回の報告書にある質問、注意等に関して回答、説明をする。
宇宙の広がりについて想像させる。
◎質問に対する回答
展開
(60分)
●宇宙を測るための必要な知識、弧度方などを紹介する。
●測定の実際を紹介する。
・天体は遠すぎて距離を実測できないが角度は測定できる。
・三角測量(相似形の原理)…年周差を利用した三角測量
・三角測量の限界…光の明るさで測る。
・光の明るさの限界…ドップラー効果で測る。
・128億光年まで測定できた。  
・1天文単位について説明する。
△必要事項のメモ
まとめ
(20分)
質問を受け、自由討議とする。
報告書を作成、提出させる。
△報告書作成
 出席票作成

授業の感想・メモ

  • 奥田先生の2回目の授業。前回の報告書による質問の回答から始めた。生徒は疑問を解消し、興味関心を持ちつつ、授業に臨んでいる。天体までの距離の測定方法は興味深く、聴き入っていた。「宇宙の果て」までの距離やどのようになっているかという疑問が湧いてきたようである。

第4回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

・三角測量を実践し、遠くの星の距離測定に関する知識を得る。
・天体の明るさの減り方で距離を測定する。
(横尾講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
・講師自己紹介
・星の距離と一口に言っても、程度があり距離により測定方法が異なることを確認する。
◎自己紹介
 経歴説明
展開
(60分)
・太陽までの距離等、太陽系の惑星くらいの距離を測定するための三角測量を手製の道具を用いて実践する。

・天体の明るさの減り方で距離を測定する方法の説明と偏光板を使った実習をする。
△グラフと安全ピンを用いて三角測量を行う。
 得られた結果は提出する。

△偏光板2枚を利用し、光の減光を回転角度であらわし、原理を実習する。
まとめ
(20分)
グラフの作成、提出。
報告書の作成、提出。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 横尾先生の1回目の講義。先生は手作りの実験器具を用意し、実習をさせ、指導する授業展開であり、生徒の理解向上に効果的である。

第5回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

・望遠鏡の原理
・望遠鏡と顕微鏡の違い。
レンズのしくみから望遠鏡の構造、倍率の表し方まで理解する。
(横尾講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
本時の内容の説明
・レンズの働き
レンズに光が通るとどのように進むか。
◎レンズの屈折による像の結びの説明
展開
(60分)
レンズによる虚像、実像の出来方を図示する。
顕微鏡との違いを説明する。
望遠鏡の接眼レンズのレンズを取り出し文字等を観察する。
望遠鏡本体のレンズと接眼レンズの関係を説明し、倍率が計算できるようにする。
実際の望遠鏡を用いて理論との比較をするべく、観察実習を行う。
事前に設置しておいた望遠鏡を用いて太陽の観察を行う。(曇りで断念)
△望遠鏡の接眼レンズを分解し、中のレンズを用いて実習をする。
望遠鏡本体のレンズと接眼レンズの大きさで倍率の計算をする。
望遠鏡を用いた観察を行う。
・レンズの仕組みを説明する。
・顕微鏡との違いを説明する。
・接眼鏡と倍率の説明をする。
・望遠鏡の口径の説明をする。
まとめ
(20分)
報告書の作成、提出。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 人の眼の構造からレンズの働き、望遠鏡の原理と顕微鏡との違い、実際の望遠鏡を使用した太陽黒点の観察があり、生徒は興味深く授業に望んでいた。

第6回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

太陽と星についての理解を深める。
・太陽は燃えているか。
(奥田講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(30分)
前回の整理
報告書の質問に対する回答
・星を五角形で描くのはなぜ。
・天文単位とは。
・星はみんな丸いか。
◎天体望遠鏡を用いて太陽の黒点を調べる。
 報告書の質問に回答する。
展開
(50分)
太陽の基本量を学ぶ
 大きさ
 距離
 質量
 色・温度
 表面現象
 スペクトル
 フランホーファー線
 コロナ
黒点の数・・・11年周期
太陽エネルギーの源(原子核反応)
太陽の進化

 星の色
 星の質量
 星の末路
◎測定の歴史を紹介
 パワーポイント使用
まとめ
(10分)
質問を受け、自由討議とする。
報告書を作成、提出させる。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 太陽黒点と地球の関係、影響についての質問があり、講義を重ねる毎に興味関心が深まっている様子が感じられる。

第7回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

・光の分光
光のスペクトルを用いて、天体の構成元素の推察が出来ることを確認する。
虹と蛍光灯光スペクトルの観察
(横尾講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
光の分光(プリズム、回折格子)
虹の七色
スペクトル線(元素の指紋)
◎プリズムの回折による色の変化を説明
 赤橙黄緑青藍紫
展開
(70分)
分光の観察
色のスケッチ実習
光が波であること
元素固有のスペクトル線
葉緑素のスペクトル
△手作りの回折格子を用いて分光されたスペクトルの確認をする。
色鉛筆でスペクトルのスケッチをする。

◎光の波長の説明
スペクトル線の説明

△回折格子で蛍光灯の光を確認する。
 水銀を含む線
 クロロフィルの溶液を通したスペクトルを見る。
 赤が通らないことの確認をする。
まとめ
(10分)
本時に行ったことの確認
報告書の作成、提出。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 生徒は光を分光したスペクトル線で元素が特定できることに驚いていた。プリズム以外に回折格子を使った分光に関心を示していた。手軽に使えて非常に便利である。太陽光と蛍光灯のスペクトル線の相違がはっきりと理解できました。

第8回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

宇宙の探査「赤外線による探査」(奥田講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
前回の奥田講師の講義に対する質問への回答
・太陽は燃えていない。核融合している。
・地球のような惑星はあるか。
・宇宙の温度は何℃。
・地球の年齢。
◎報告書の質問に回答する。
展開
(60分)
七夕の「天の川」の黒い帯
赤外線による観測…透過力が強い
赤外線でみた銀河系
銀河系中心核を巡る星の運動
ブラックホール(BH)の回りの星の運動
天体の回転
人工衛星の打ち上げ
◎赤外線探査
波長の長短による差を紹介


この運動の説明に銀河中心に第質量
高いと速度が小さくすむ。
よって銀河の中心にBHがあるのでは・・・

赤外線探査で発見した五つ星
ピストル星等
まとめ
(20分)
銀河系中心は単に幾何学的中心、あるいは力学的中心に留まらない。特異な天体現象の群がる活動的な集合体である。
・報告書を作成、提出させる。
△報告書作成

授業の感想・メモ

  • 七夕の「天の川」、銀河系、ブラックホール(BH)、人工衛星の打ち上げ等と生徒の興味関心のある内容について専門的な説明があり、理解・納得していました。

第9回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

宇宙に果てはあるか?
宇宙のタマネギ構造(奥田講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
前回の報告書による生徒の質問への回答
・銀河系(天の川)中心の不思議な天体
・ブラックホールの最有力候補
・得意な天体や現象が数多くある。
◎報告書の質問に回答する。
展開
(60分)
天の川を越えて広がる宇宙
さまざまな銀河…渦巻き、楕円、電波
銀河の距離
銀河の地図作り
宇宙の大構造
クウェーサーの発見
赤外銀河の発見
超新星爆発・・・ガンマバースト銀河の発見
銀河の質量
天の川銀河の回転
X線銀河の発見
重力レンズ
ビッグバン
宇宙に果てはあるか
宇宙の歴史・・・遠い宇宙は過去の宇宙
◎プロジェクターで写真等の具体をあげて説明
まとめ
(20分)
夏休みの課題の注意点
・自分の頭で考えて、自分で作る。
報告書の作成、提出。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • さまざまな銀河、遠い宇宙を見ることは過去の宇宙を知る手がかり、宇宙は、まだ、分からない事、不思議な事でいっぱい等、教科書に載っていない研究者からの講義は生徒の興味関心を益々、増幅させてます。

第10回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

ドップラー効果を使う。(横尾講師)

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(20分)
音について
音叉(おんさ)で発信
・音速…空気の粗密波
・波 基本式 v=f・λ
・音の3要素…高さ、強さ、音色
・音の高さ・・・
   近づく→高くなる
   遠ざかる→低くなる
音のドップラー効果を体験させる。
◎音叉と音の出るボールを使って実演。
音が高く聞こえたり低く聞こえる理由の説明
展開
(60分)
光のドップラー効果について
・光は波である。
・分光

ドップラー効果の使い道
・速度が分かる。
・銀河の赤方偏移・・・全ての星が遠ざかる。

ハッブルの法則
・ドップラー効果なら全ての銀河は遠ざかるのみである。
・宇宙は膨張している。
◎音と光のドップラー効果についてまとめる。
 プリズムを用いて分光を説明
 回折格子を用いてスペクトルの確認

◎青方偏移、赤方偏移の説明


◎プリントデータを用いてハッブルの法則を確認
 データより後退速度と距離の関係のグラフ作成
まとめ
(10分)
報告書作成、提出。
ハッブルの法則「後退速度と距離の関係」のグラフ提出。
△報告書作成

授業の感想・メモ

  • 同じ波である音から光へのドップラー効果の応用による銀河の移動の観測、ハッブルの法則による銀河の後退速度、遠い銀河ほど後退速度が大きい、後退速度が光速になる予測もできる、光速を超える可能性もある等、宇宙は膨張しており、宇宙の始まりは点であり、ビッグバンから始まったことを理解でき、これらについての感想、興味感心が報告書に記載されています。生徒の興味関心が益々、広がる様子がわかります。

第11回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

課題に対する研究を発表させ、またそれを聴くことにより探究心の向上を図る。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
本時の予定と発表の方法について
◎発表の主旨の説明
書写カメラ、パワーポイント等発表機材の説明
展開
(75分)
課題発表
・あかつきについて
・天の川は毎日みられるの?
・宇宙の膨張
・木星の閃光現象
・ドップラー効果
・アポロ11号月面着陸
△順番に資料を掲示しつつ発表
質疑応答
まとめ
(10分)
講評
報告書作成
◎全体の講評
△報告書作成

授業の感想・メモ

  • 本時の対象生徒は2.3年生が主であるため、発表比較的に慣れており、発表資料もよく作成していた。今後は質疑に対する受け答えの向上を期待します。

第12回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

課題に対する研究を発表させ、またそれを聴くことにより探究心の向上を図る。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
本時の予定と発表の方法について
◎発表の主旨の説明
書写カメラ、パワーポイント等発表機材の説明
展開
(75分)
課題発表
・宇宙で農業
・銀河系について
・ブラックホールと暗黒物質
△順番に資料を掲示しつつ発表
質疑応答
質疑は必ず行う。
受け答えに関して評価する。
まとめ
(10分)
講評
報告書作成
◎全体の講評
△報告書作成

授業の感想・メモ

  • 本時の対象生徒は2.3年生が主であるため、発表比較的に慣れており、発表資料もよく作成していた。今後は質疑に対する受け答えの向上を期待します。

第13回目/全13回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

課題に対する研究を発表させ、またそれを聴くことにより探究心の向上を図る。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
本時の予定と発表の方法について
◎発表者確認・報告書配付
 書写カメラ、パワーポイント等発表機材の説明
△発表準備
展開
(20分)
・宇宙に行くとどうなるか。(人間が)
△順番に資料を掲示しつつ発表
 質疑応答
質疑は必ず行う。
受け答えに関して評価する。
まとめ
(15分)
講評
報告書作成
◎全体の講評
△報告書作成

授業の感想・メモ

  • 本時で発表は全員が終了した。講義内容に関わる多くの事項が発表や質問内容に含まれており、また、具体的な説明があり、探求心が向上している状態を強く感じる。

神奈川県・神奈川県立神奈川総合産業高校(1)2、3年生

授業連携実績一覧

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