授業連携

宇宙に関する様々な事象をワークショップ形式で学ぶ

神奈川県・神奈川県立神奈川総合産業高等学校

  • 高等学校
  • 高1
  • 高2
  • その他

概要

<全授業を通した指導目標>

宇宙に関して興味関心を深め探究心を養う。自ら探究する力を身につけ、課題研究等に活用する。

<対象>

高校1年生23名、2年生1名 

<期間>

平成23年4月12日~平成23年9月13日

<区分>

[総合産業科]宇宙科学ワークショップA

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
01
90分
授業
24名
オリエンテーション・年間計画の説明・授業展開の説明
(担当:我妻)宇宙論とは何か。
02
90分
授業
24名
イントロダクション・宇宙を見る眼
(担当:奥田講師)宇宙探査
03
90分
授業
22名
宇宙探査:宇宙の大きさ・大きな数・量の表し方
(担当:奥田講師)
04
90分
授業
23名
宇宙探査:鏡のような月・お盆のような月
(担当:奥田講師)
05
45分
授業
23名
宇宙探査:八プル宇宙望遠鏡
(担当:我妻)
06
90分
授業
23名
宇宙探査:太陽は燃えているか
(担当:奥田講師)
07
90分
授業
24名
宇宙探査:赤い星・青い星
(担当:奥田講師)
08
90分
授業
24名
宇宙探査:銀河中心のモンスター
(担当:奥田講師)
09
90分
授業
24名
宇宙探査:宇宙に果てはあるか?
(担当:奥田講師)
10
90分
授業
24名
宇宙探査:天体望遠鏡について
(担当:奥田講師)
11
90分
授業
24名
宇宙探査:第2の地球はあるか?
(担当:奥田講師)
12
90分
発表会
24名
宇宙に関して、興味を持った事柄を調べ、考え、発表する。12名
13
90分
発表会
24名
宇宙に関して、興味を持った事柄を調べ、考え、発表する。12名

第1回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
・宇宙ワークショップの授業展開の説明。
・年間計画の説明。
・生徒の活動とどのような姿勢で授業に臨むべきか提案する。
・報告書作成(毎時間)について理解させる。
◎出席確認
 報告書の作成方の説明
 授業への臨みかたの説明
・前期終了9月に発表会があることを明確に連絡しておくこと。
展開
(60分)
●宇宙創成(ビッグバン)のビデオ上映。
 「宇宙の始まりについて」の映像で視覚的に解説をする。
●宇宙論とはなにか
・宇宙という「箱」
・宇宙論と天文学の関係
天文学との違い、星空はタイムマシン
・宇宙の果てから届く波
・巨大な宇宙と小さな素粒子の深い関係
◎ビデオ上映
△講義を聴く
・宇宙論と天文学の関係と相異を確認する。  
・宇宙について興味関心を持たせる仕掛けが大切である。
まとめ
(15分)
・報告書を作成させる。
・質問を受ける。
◎質問を受ける。
△報告書の作成
・報告書に質問を書く場所が用意してあるのでまとめの時間内に直接質問できなくても大丈夫である。

授業の感想・メモ

  • 講座1回目。宇宙に夢が広がる話をした。次回より、週代わりで専門の先生方2名による講義が行われることを強調した。生徒は大いに期待している。

第2回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
●講師自己紹介
●宇宙を見る(宇宙探査I)
・天体の観測
・宇宙探査
◎パワーポイントで説明
展開
(50分)
●天体観測
目で見る観測(可視光線)から目では見えない電磁波の観測へと変遷している。新しい発見、宇宙の発見がある。
・目で見る→目の構造
・光→電磁波→波長の拡張
・色と温度
・宇宙線とは
・ドップラー効果とは
◎デジタル画像(カラー)とパワーポイントで説明
まとめ
(25分)
・報告書を作成させる。
・質問を受ける。
◎質問を受ける。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 宇宙探査方法のイントロダクションとして興味を持てた。天体観測は目で見る観測から赤外線や紫外線の電磁波の観測に領域が広がり、電波望遠鏡の登場や探査衛星の活躍などに興味関心を示すようになった。

第3回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
●前回の復習
・宇宙の探査→リモートセンシング
電波からβ線の電磁波で調べる。
・小さい数大きい数の表し方
 指数、対数
・前回の報告書の質問
 宇宙線、電磁波、ドップラー効果
●今回のテーマ「宇宙の大きさ」
 (宇宙探査II)
◎デジタル画像(カラー)とパワーポイントで説明
展開
(60分)
●宇宙の大きさ、広さ
・宇宙の大きさを測る。
 角度
・手の届かない遠方を測る。
 三角測量→相似形の原理
・恒星の距離→年周差
・地上観測の限界
 角度100万分の1秒、数100光年、
・人工衛星から観測
 大気に邪魔されない。
・三角測量の限界を超えるとき
 光の明るさで選ぶ、
・もっと遠い場所→ドップラー効果 スペクトル線の赤方偏移
◎デジタル画像(カラー)とパワーポイントで説明
まとめ
(15分)
・報告書を作成させる。
・質問を受ける。
◎質問を受ける。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 生徒は疑問を解消し、興味関心を持ちつつ、授業に臨んでいる。天体までの距離の測定方法は興味深く、聴き入っていた。「宇宙の果て」までの距離やどのようになっているかという疑問が湧いてきたようである。

第4回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(20分)
●前回の復習
・三角測量(相似形の原理)
・指数
・月までの距離38Km
・太陽までの距離1億5千万Km
・天文単位AU(太陽までの距離)
・光年9.5×10の12乗Km
・ドップラー効果 ・放射線
◎パワーポイントで説明
△疑問点を質問する。
展開
(50分)
●月は最も近い天体。
・地球に最も近い天体
 地球直径の30倍の距離(38万Km)
・見かけの大きさは2分の1度
・大きさは地球の4分の1
・重力は6分の1
●月は光っているか?
 太陽光を反射している。
●月の表面が鏡だったら?
 太陽光の反射が点に見える。
●月の表面はでこぼこしているから全体が光って見える。
●1610年ガリレオが望遠鏡で月を観察
 クレーターが多い。
 火山説、隕石の衝突
●月の起源
 衝突説。地球に大きな星が衝突
◎デジタル画像(カラー)とパワーポイントで説明
まとめ
(20分)
・報告書を作成させる。
・質問を受ける。
◎質問を受ける。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 地球に最も近い天体の月でも38万Kmのあり、不思議なこと、わからないこと、月の起源など、近い天体と言えど未知の部分が多くあり、探究心をそそる授業でした。

第5回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
●ハッブル宇宙望遠鏡
 宇宙空間で天体観測する意義について
 大気の「ゆらぎ」に影響されない
◎説明
展開
(35分)
●ハッブル宇宙望遠鏡について
・1990年アメリカNASAが打ち上げた
・大気の乱れや天候に無関係
・星の誕生や死、ブラックホールの実在を証明など、数えきれない程の業績
・ハッブル宇宙望遠鏡の大きさ
・1993年修理
◎ビデオ映像で解説。
まとめ
(5分)
・報告書を作成させる。
◎質問を受ける。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • ハッブル宇宙望遠鏡の業績、天体の鮮やかな映像がビデオ映像で見ることができ、ハッブル宇宙望遠鏡の貢献がいかに大きいかが理解できたようです。

第6回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
前回の整理
報告書の質問に対する回答
・星を五角形で描くのはなぜ。
・天文単位とは。
・星はみんな丸いか。
◎報告書の質問に回答する。
展開
(55分)
太陽の基本量を学ぶ
・大きさ
・距離
・質量
・色・温度
・表面現象
・スペクトル
・フランホーファー線
・コロナ
黒点の数・・・11年周期
太陽エネルギーの源(原子核反応)
太陽の進化

・星の色
・星の質量
・星の末路
◎測定の歴史を紹介
 パワーポイント使用
まとめ
(20分)
質問を受け、自由討議とする。
報告書を作成、提出させる。
◎質問を受ける。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 太陽黒点と地球の関係、影響についての質問があり、講義を重ねる毎に興味関心が深まっている様子が感じられる。

第7回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
前回の整理
報告書の質問に対する回答
・恒星…自ら光っている。
・スペクトル線で成分元素がわかる。
・星の距離…年周視差(三角測量)
◎報告書の質問に回答する。
展開
(60分)
・赤い星…約3000℃
・青い星…約10000℃
・星の誕生…暗黒星雲から
・星の質量…二重星の運動から
・星の中の核融合反応
・星の進化
質量が大きい(ブラックホールになる可能性)ほど進化が早い(明るく寿命が短い)。
・星の末路…質量によって変わる。
 白色矮星、中性子星、超新星爆発
◎測定の歴史を紹介
 パワーポイント使用
まとめ
(15分)
質問を受け、自由討議とする。
報告書を作成、提出させる。
◎質問を受ける。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 星の色(波長)からわかることがある。星の質量により、その進化が変わる。興味深く、意外な事が天体の要因になっていることが理解できました。

第8回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
●前回の復習
●前回の報告書の解説
・星座の決め方
・星のきれいに見える所
◎パワーポイントで解説
展開
(55分)
宇宙探査テーマ:銀河中心のモンスター
・七夕は日本、中国、ベトナム、韓国の伝説
・天の川…銀河系、Milky Way,Galaxy
・天体の回転運動
・人工衛星の打ち上げ
・ブラックホールの周りの運動
 シュバルツシルド半径
・巨大ブラックホール
・銀河系の中心
特異な天体現象が群がる活動的な集合体
高密度の星…分子雲、ダスト雲、大質量星の集団
高エネルギー粒子線…宇宙線、X線、γ線
◎パワーポイントで解説
 カラー映像で銀河星雲を提示
まとめ
(20分)
・報告書を作成させる。
・質問を受ける。
◎質問を受ける。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 七夕と天の川は日本の伝説。それが銀河系の姿であり、太陽系はその端の一部にすぎない。この銀河系の中心にとんでもない星が存在することが近年の観測でわかてきた。驚きと興味とが混在する講義であった。

第9回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
●前回の報告書による生徒の質問への回答
・銀河系(天の川)中心の不思議な天体
・ブラックホールの最有力候補
・得意な天体や現象が数多くある。
◎パワーポイントで解説
◎報告書の質問に回答する。
展開
(60分)
●天の川を越えて広がる宇宙
・さまざまな銀河…渦巻き、楕円、電波
・銀河の距離
・銀河の地図作り
・宇宙の大構造
・クウェーサーの発見
・赤外銀河の発見
・超新星爆発・・・ガンマバースト銀河の発見
・ハッブルの法則
・銀河の質量
・天の川銀河の回転
・X線銀河の発見
・重力レンズ
・ビッグバン
・宇宙に果てはあるか
・宇宙の歴史・・・遠い宇宙は過去の宇宙
◎パワーポイントで解説
まとめ
(15分)
・報告書の作成、提出。
◎質問を受ける。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • さまざまな銀河、遠い宇宙を見ることは過去の宇宙を知る手がかり、宇宙は、まだ、分からない事、不思議な事でいっぱい等、教科書に載っていない研究者からの講義は生徒の興味関心を益々、増幅させてます。

第10回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
●前回の復習
●前回の報告書の解説
・宇宙の大構造
・宇宙の果てと始まり
・天の川銀河の外には広大な宇宙が広がる。
・遠い宇宙は昔の宇宙
◎パワーポイントで解説
◎報告書の質問に回答する。
展開
(60分)
●レンズのはたらきと望遠鏡
・レンズのしくみ
・レンズによる虚像、実像の出来方を図示する。
・望遠鏡の構造、倍率の表し方まで理解する
・望遠鏡本体のレンズと接眼レンズの関係を説明し、倍率が計算できるようにする。
・集光力
・分解能
・視野

●望遠鏡の架台のはたらき
・経緯台
・赤道儀式
◎パワーポイントで解説
まとめ
(15分)
報告書の作成、提出。
◎質問を受ける。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 人の眼の構造からレンズの働きと望遠鏡の原理を実際の望遠鏡を使用した説明があり、生徒は興味深く授業に望んでいた。

第11回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(30分)
●前回の復習
●前回の報告書の解説
・レンズのはたらきと望遠鏡
・レンズのしくみ
・レンズによる虚像、実像の出来方を図示する。
●望遠鏡の架台必要性
◎パワーポイントで解説
◎報告書の質問に回答する。
展開
(40分)
●第2の地球はあるか?
・地球の環境は偶然の結果であり、そして生命が誕生した。
・太陽系惑星では生命体の発見はまだ無い。
・太陽系は天の川銀河の一部分
・天の川銀河の外に約2000億個の様々な銀河がある。第2の地球がある可能性は否定できない。
・知的生命体の存在も否定できないが発見されない。
◎パワーポイントで解説
まとめ
(20分)
●夏休みの課題の注意点
8/23・30の発表会の説明
テーマ「宇宙に関する興味関心事項を調べる」
・自分の頭で考えて、自分で作る。
・もっと質問と議論をして他人の頭を使う。
●報告書の作成、提出。
◎質問を受ける。
△報告書の作成

授業の感想・メモ

  • 「第2の地球はあるか?」については現在の科学技術力ではわからない事が多く、可能性は否定できないとしか言えないようである。生徒は宇宙探査はこれからの時代に期待されていることを実感したと思います。

第12回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
宇宙に関するテーマで発表
・一人発表5分質問2分
◎教師の活動
・評価シート配付
展開
(80分)
発表テーマ
・銀河について
・宇宙の眼「探査機」
・赤外線による観測
・地球外生命体
・地球内知的生命体
・赤外線宇宙望遠鏡「ジェームズウェップ」
・宇宙のスケール
△各自で準備した映像やパワーポイントで説明をし、質問を受ける。
質疑は必ず行う。
受け答えに関して評価する。
まとめ
(5分)
今回発表ができなかった生徒5人が次回になるので発表時間が短くなります。
△評価シートに記入し、提出する。
△発表した者は発表レポートを提出する。

授業の感想・メモ

  • これまで授業で聴いた事柄について各自が興味を持った内容の自由テーマで発表をせた。様々な内容があり、関心の程がうかがえます。

第13回目/全13回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
宇宙に関するテーマで発表
・一人発表5分質問2分
◎教師の活動
・評価シート配付
展開
(80分)
発表テーマ
・彗星について
・月について
・すばる望遠鏡
・太陽系の誕生
・ダークマター
・核融合炉
・いろいろな天体
・木星について
・なんで人は星を観察するのか
△各自で準備した映像やパワーポイントで説明をし、質問を受ける。
質疑は必ず行う。
受け答えに関して評価する。
まとめ
(5分)
本日で前期授業は終了である。
△評価シートに記入し、提出する。
△発表した者は発表レポートを提出する。

授業の感想・メモ

  • 様々な観点、興味、疑問からテーマを決めている。これまでの講義により、考えや興味が更に深まった様子が感じとれます。

神奈川県・神奈川県立神奈川総合産業高等学校(前期)

授業連携実績一覧

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