授業連携

宇宙太陽光発電について

兵庫県・神戸市立舞子中学校

  • 中学校
  • 中2
  • 中3
  • 理科

概要

<全授業を通した指導目標>

 2年生では、電磁誘導を学習する際に、交流変圧器についても触れる。また、身近なラジオやテレビは電波をアンテナで受信することで微弱な電流が発生する。以上のことから、非接続電力送電に関心を持たせ、宇宙太陽光発電へとつなげたい。
 3年生はエネルギーの移り変わり、さまざまなエネルギー資源について学習する。資源の枯渇に備えて再生可能エネルギーの利用が進んでいるが、それぞれに課題も多い。地上太陽光発電の天候に左右されたり、夜間は発電できないなどの課題を克服した宇宙太陽光発電について知識をつけるとともに、エネルギー問題への意識を高めたい。

<対象>

中学2、3年生 396名

<期間>

平成26年11月10日~12月2日

<区分>

教科 (理科)

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
11月10日
50分
授業
220名(3年生)
1.火力発電、水力発電、原子力発電の確認
2.再生可能エネルギーを利用した発電を確認
 (太陽光発電、風力発電、地熱発電など)
3.1、2の利点と課題の確認
4.宇宙でできる発電方法を考える
5.宇宙太陽光発電について簡単な知識を得る
6.宇宙太陽光発電の問題点を考える
2
11月19日
50分
授業
169名(2年生)
1.交流変圧器の仕組みを説明
2.交流の電流の向きと強さの変化を確認
3.一次コイルの磁界の向きと強さの変化を考える
4.二次コイルに発生する誘導電流の向きの変化を考える
5.二次コイルに発生する誘導電流は交流であることを確認
6.コイルの巻数によって誘導電流の強さが変わることを確認
7.IH調理器で豆電球を点灯させる演示実験
8.7の実験、スマートフォンのワイヤレス充電器、ゲルマニウムラジオから非接続電力伝送があることを知る
9.宇宙太陽光発電について簡単な知識を得る
3
100分
講義
396名(2,3年生)
宇宙につくる発電所 宇宙太陽光発電について
講師:田中 孝治
(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系)

第3回目/全3回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・講演会に関連した授業の振り返り
・講師の紹介
◎ 2年生は交流変圧器、3年生はエネルギー資源について学習したこと、両学年とも1年次にミウラ折を体験したことを簡単に説明。
◎ 学校長が講師を紹介

△ 学習内容を振り返る
・授業内容と講演内容の関連を考えさせ、興味付けをする。
展開
(90分)
1.JAXAの活動についての説明
2.現在のエネルギーの現状や課題などの説明
3.未来エネルギーの1つである宇宙エネルギー利用システム(太陽光発電をマイクロ波などで地球に電送する)への取り組みの紹介
4.3への取り組みの中で関連する宇宙環境の説明
5.写真や映像による説明に加えて、無線送電の演示実験
講師:田中孝治 氏
(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系)
△ ロケットや衛星、探査機などのJAXAの活動の知識を持つ
△ 化石燃料やウランの利用可能年数を知る
△ 宇宙太陽光発電についての知識を得る
・化石燃料やウランが将来、枯渇してしまうことを確認する
・再生可能エネルギーへの理解を深める
・地上太陽光発電の問題点を確認する
・デブリについて理解する
・資源を大量に消費する現代人の生活を反省し、資源の有効利用や再生可能エネルギー開発への関心を高める
まとめ
(5分)
・生徒代表お礼の言葉
・閉会の言葉
△代表生徒が簡単な講演の感想と、お礼の言葉を述べる。

授業の感想・メモ

  • 未履修の内容など、2年生にとっては理解が難しい部分もありましたが、3年生はよく理解できたようでした。デブリが衛星軌道上に無数に存在することや、その速度が10km/sにも及ぶということも生徒にとっては初めて知る知識で驚きだったようです。また、トランシーバーの電波でLEDが点灯したことも印象的だったようです。閉会の言葉の際に司会教師がした、マイクロ波がレクテナを外れた場合の安全性に関する質問に、田中先生は、太陽光に当たるくらいの照射であるので安全であるとお答えになりました。これにより生徒たちも安心をしたようです。

兵庫県・神戸市立舞子中学校

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