教員研修

理数系教員指導力向上研修会テーマ『宇宙の素材を授業に活かす』

群馬県・群馬県総合教育センター

概要

全研修を通した趣旨

対象

高校の理科教員(在職3年目) 11名

期間

平成21年8月4日、8月6日

構成表

実施日
時間
形式
人数
内容
01
300分
講義
11名
宇宙教育センターの活動紹介
講義
『電波で観る宇宙』
講師:朝木 義晴
(JAXA宇宙科学研究本部宇宙情報・エネルギー工学研究系/助教)
見学
相模原キャンパス 所内見学
実習
・パラボラの作成
・自作したパラボラを用いて太陽電波等の観測
・観測データの解析
授業への活用についてディスカッション・質疑応答
支援:宮原 有香・松岡 均・伊藤 和哉
02
240分
見学
11名
筑波宇宙センター 施設見学(90分)
講義
『無重力実験の話』(165分)
講師:高沖 宗夫
(JAXA職員)
実習
簡易落下装置を使用した実習
指導:高沖 宗夫
(JAXA職員)
支援:宮原 有香・伊藤 和哉・藤沢 宏美

群馬県・群馬県総合教育センター

第1回目/全2回『研修会記録シート』

実施日
8月4日
合計時間
300分
参加数
11名
時間配分
研修内容
受講者のようす・感想
研修の感想・メモ
講義
(60分)
電波観測における基本的な内容に関する講義
最先端の研究成果についての講義
  X線、赤外線の解析により遠い宇宙の姿や宇宙誕生の謎を知る手がかりになることを知った。
 観測する電磁波の波長によって宇宙や星の見え方が異なり、通常の可視光による観測とは異なった情報が得られることがよく分かった。
 電波天文学の講義は、電波の基本から最先端技術の説明まで定性的に分かりやすく説明しており、「教える側の専門性の深さ」の重要性を実感した。
見学
(40分)
宇宙教育センター内の見学
人工衛星の模型の観察、ロケット製作過程の見学等
 高額な開発費や一つのテーマにかける莫大な時間など、研究のスケールの大きさに感動した。
 ホコリが付着すると宇宙空間で他の精密機器に転移し故障の原因になることを知り、大変デリケートな作業であることを改めて知った。
 ロケット「はやぶさ」の実物大の模型を見ながら、小惑星「イトカワ」の岩石採取の工夫などについて説明を聞くことができ、大変困難なミッションであることを実感した。
演習
(200分)
パラボナアンテナの製作
自作したパラボナアンテナを用いた太陽電波の観測
観測データの解析
 この実習は、まさに遠方物体の物理量を理論と観測によって求めるという宇宙観測の基本を体験できるものであった。
 実験や研究がうまくいくとは限らない。そのような状況で実験方法を改善したり、誤差に埋もれているデータから結論を導く工夫が大切である。普段の授業で、これらのことを体験させるのは難しいが、このような実習を取り入れることで生徒に体験させることができると感じた。

群馬県・群馬県総合教育センター

第2回目/全2回『研修会記録シート』

実施日
8月6日
合計時間
240分
参加数
11名
時間配分
研修内容
受講者のようす・感想
研修の感想・メモ
見学
(50分)
展示室、宇宙ステーションの試験棟、無重力環境試験棟の見学
 50mもあるH-IIロケットを見学し、本物の迫力に圧倒された。
 「かぐや」をはじめ多くの人工衛星のモデルを見学し、宇宙開発に要求される精密さを改めて実感した。
 太陽光の当たる箇所と日陰になる箇所で、温度差が300~400度になるとの説明を受け、改めて気体の保温効果を実感した。
 人工衛星の機体を覆う断熱シートは、マジックテープで止めてあることを知り、身近なものが宇宙開発にも使われていると感じた。このような話題についても授業で活用したい。
講義
(50分)
無重力実験について
・無重力実験のメリット
・無重力の環境下における現象
・無重力下における燃焼
 重力について、普段認識することなく生活しているが、常に働いているものであり、重力の概念を生徒にどのように伝えていくかという点で、今回の講義を参考にしたい。
 宇宙空間では脊椎のS字わん曲が弓状にそってしまうが地球に帰還すると元に戻るという話が印象に残った。
 無重力における現象を予想するには、力学についての正しい知識と無重力において起こりうる可能性を検討する思考力が必要であると感じた。
実技
(140分)
簡易無重力環境実験
・水の入った風船と水の入っていない風船
・水中における泡の運動
・物体の燃焼
 実習のようにイメージしにくい無重力の現象を予想させることは、力学の力学の学習に効果的であり、このよう実験を導入したいと思う。
 水槽から出る泡の様子を映像に納めることができ、「無重力状態」を理解させるための良い教材を作ることができた。
 大がかりな実験装置を作ることは大変であるが、今回の実習で用いた装置は、工夫により作成できるものであると感じた。

群馬県・群馬県総合教育センター

教員研修実績一覧

このページのTOPへ