宇宙を活用した教育実践例

理科「火山」

岡山県・倉敷市立東陽中学校

  • 中学生
  • 学校教育

概要

学校・団体名 岡山県倉敷市立東陽中学校
対象 中学1年生
対象人数 262名
実施日 令和3年3月
タイトル 理科「火山」
活動内容

本校1年生は,令和3年2月に岡山県恩原高原でスキー教室を行った。恩原高原を身近に感じたところで,後日,恩原高原の岩石や付近の火山灰を取り入れた授業実践を1年生に対して行った。具体的には,理科の時間に岩石や火山灰の観察・実習を通し,マグマの仕組みについて理解ができるようにした。恩原高原の位置情報や標高データは,衛星データ分析ソフト「EISEI」を用い,衛星画像を連動して提示することにより,恩原高原の位置や特徴についてイメージしやすくした。授業を通して,人工衛星にセンサーを搭載して,地表の状況を観察するリモートセンシング技術にも触れることができた。

写真1
衛星データの活用(恩原高原周辺の温度や標高データ)
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(恩原高原岩石と蒜山の火山灰のスケッチ)
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蒜山の火山灰(顕微鏡画像)
使用した宇宙の素材・教材など
  • 衛星データ分析ソフト「EISEI」
  • 岡山県恩原の岩石,付近の火山灰
  • 導入教材「宇宙から見た浅間山の噴煙」
参加者の様子・感想など
  • 宇宙から地上の温度や標高など,分かるのはすごいと思った。地形や標高を色分けできるのは便利だ。温度分布はサーモグラフィーのようにも見えた。
  • 山の高さや温度の表示がとても正確だったのですごいなと思った。標高の高さが分かれば,災害時にどこが水につかりそうか危険予測ができると思った。
  • 恩原高原の岩石は,黒っぽかったので粘り気の弱い火山でできたものかなと思った。
  • 恩原高原の岩石(安山岩)は,小さな粒の部分と黒や灰色の部分がある。
  • 火山灰はとても角がとがっていてびっくりした。ガラスみたいなキラキラしているものがたくさんあって驚いた。

活動のご感想・ご要望など

  • 授業直前にスキー教室で恩原高原を訪ねていたこともあり,恩原高原の岩石やその付近の火山灰などを観察し,その特徴を学ぶことは,生徒の興味・関心を喚起し知的好奇心を高めることにつながった。また,衛星データ分析ソフト「EISEI」を用い,恩原高原の衛星データによる位置や標高データを連動して示すことは,机上の学習になりがちな部分がより身近なものに感じられた。火山灰の観察実習では,鉱物の色やバブルウォール型ガラス膜の薄片を実際に見たり,触れたりすることができたので実感が伴った理解につながり,効果的な学習となった。今後も,授業を魅力的なものにするために,宇宙に関する最新事情や教材を教えていただきたい。  本実践のため,岡山理科大学 生物地球学部生物地球学科 教授 能美 洋介先生,岡山理科大学理学部応用物理学科 教授 豊田 新先生,岡山理科大学 理学部応用物理学科 講師 長尾 桂子先生,おもしろ実験研究所 高見 寿先生,倉敷市立東陽中学校 副校長 稲田 修一先生から教材提供や御指導御助言をいただいた。感謝を申し上げたい。(授業者より)
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