授業連携

「飛ぶ」って、どんなこと?

東京都・立川市立柏小学校

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概要

<全授業を通した指導目標>

「飛ぶ」をテーマに、
1.地球上の生き物の飛び方の特徴をとらえての工作
2.ロケットの仕組みを理解してプチロケット作り
3.アルコールロケット
と、飛ぶことについて考えさせながら徐々に内容をステップアップさせ、大空、そして宇宙への夢を抱いてほしいと考え、授業を計画した。月周回衛星「かぐや」のニュースを始め、日本の宇宙開発に明るい話題が聞こえてくる中、未来を担う児童に、宇宙への関心をもたせていきたい。

<対象>

小学4・5・6年生 30名

<期間>

平成19年11月2日~平成20年2月14日

<区分>

クラブ活動

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
45分
クラブ活動
30名
空気と重力のバランスを考えながら、発泡スチロール板で鳥やトンボ、たこなどを作り、「飛ぶ」ことに興味をもつ。
支援:宮原 有香
2
45分
クラブ活動
30名
ロケット打ち上げの写真を見たり、仕組みを理解することを通して、ロケットに興味をもち、プチロケット作りをする。
支援:宮原 有香
3
45分
クラブ活動
30名
月周回衛星「かぐや」の映像を見ながら、さらに遠くへ「飛ぶ」ことに関心を高め、前回よりパワーアップしたロケット、「アルコールロケット」を飛ばして、宇宙を目指す夢をもたせる。
講義・実験:遠藤 純夫(JAXA宇宙教育センター 参事)
支援:宮原 有香

第1回目/全3回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
「飛ぶ」シリーズPart1
地球上の生き物の飛び方の特徴をとらえ、空気と重力や重心のバランスを考えながら「飛ぶ」おもちゃの工作をする。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
                  
指導上の留意事項
導入
(15分)
1.地球上の生き物の飛び方のDVDを見て、「飛ぶ」イメージをつかむ。
△本時の学習活動を知る。
△映像を通して、色々な生き物の飛び方に興味をもつ。
・映像を通して児童が「飛ぶ」ことへの関心が高まるように助言する。
展開
(25分)
2.長距離を飛ぶ蝶や鳥などの飛び方の特徴を捉える。

3.薄くスライスした発泡スチロールで、蝶や鳥などの形を考えながら、「飛ぶ」おもちゃを工作する。
◎蝶や鳥が長距離を飛べる理由を話す。

◎「飛ぶ」おもちゃの見本を見せ、おもちゃ作りの意欲を高める。

△生き物が飛ぶ仕組みやそれを利用したおもちゃの作り方を知り、自分で工夫しながら工作をする。
・左右対称であることに気をつけさせる。
・うまく飛ばない時は、バランスや重心の位置、おもりの重さを調整をさせる。
まとめ
( 5分)
4.次回「飛ぶ」Part2の内容を知る。
◎次回は「飛ぶ」ことをさらにバージョンアップさせ、ロケット作りに挑戦することを伝える。

授業の感想・メモ

  • 長距離を飛ぶ蝶や鳥の映像が大変美しく、「飛ぶ」イメージをつかませたり、授業の動機付けをする上で効果的でした。
  • 工作では、薄くスライスした発泡スチロールはそれだけでもふわふわ飛ぶので、児童の興味を引きつけるのに魅力的な教材でした。
  • 児童には左右対称のものをイメージして作ることは難しいようで、何パターンか型紙を用意しておくと、慣れてきた子から自分なりに工夫したおもちゃが作れるようになるかと思いました。
  • 重心の位置やおもりの調整がうまくできない子もいたので、その点は少し難しかったようですが、それぞれに空気を利用して「飛ぶ」おもちゃを作れて満足気でした。

第2回目/全3回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
「飛ぶ」シリーズPart2
大空を飛ぶ地球上の生き物から、舞台を宇宙へ移し、宇宙への夢を抱かせる。「飛ぶ」をテーマにした第2ステップとして、ロケットの仕組みを簡単に理解しながら、プチロケット作りに取り組む。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
                     
指導上の留意事項
           
導入
(10分)
1.月周回衛星「かぐや」の打ち上げ写真を見て、本時の課題を知る。
◎月周回衛星「かぐや」の打ち上げの写真をもとに、ロケットの仕組みを簡単に説明する。

△写真を見て、ロケットや宇宙に関心をもつ。
・各写真の意味を児童が分かる程度に説明する。
展開
(30分)
2.プチロケット作りをする。
3.ロケットができたら、校庭に出て打ち上げる。
◎プチロケットの作り方を説明する。

△自分なりの工夫を加えながら、プチロケットの工作をする。

△自分が作ったロケットに燃料(好きな香りのバブ)と水を入れ、校庭で打ち上げる。
・型紙を丁寧に切り抜かせる。
・ロケット本体に色を塗るなど装飾をし、ロケットらしさを出させる。
・バブを多く入れすぎないよう、量に気をつける。
まとめ
( 5分)
4.次回「飛ぶ」Part3の内容を知る。
◎次回は「飛ぶ」最終回として、もっと威力のあるロケットに挑戦することを伝える。

授業の感想・メモ

  • ロケットが打ち上がる写真だけでも十分興味を引きつけられましたが、大きなサイズの打ち上げ写真や映像があると、なお迫力が出たと思います。
  • バブは指導者の好みで4種類の香りを用意しました。児童も好みの香りを選んだり、「よく飛ぶ香りはどれだろう?」と色々試したりと、楽しみが増えたようでした。
  • 冬だったので、水温が低くてバブが溶けるか心配しましたが、外の水道水でも十分迫力のある打ち上げができました。
  • 自分で尾翼の形や付き方(実際は影響ないのですが)を考えたり、燃料の比率を考えながら「よく飛ぶ」方法を試せたので、どの児童もとても意欲的に取り組み、よい教材だったと思います。

第3回目/全3回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
「飛ぶ」シリーズPart3
前回のプチロケットで得た“ロケットを飛ばす”という感触を発展させ、さらに高度な「アルコールロケット」を飛ばし、宇宙への夢や関心を高める。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
               
指導上の留意事項
             
導入
(15分)
1.講師の先生紹介。

2.ロケットに関する話を聞き、本時の課題を知る。

3.月周回衛星「かぐや」のDVD映像を見て、ロケットを飛ばす意欲を高める。
◎本時の講師を紹介。

◎月周回衛星「かぐや」のDVD映像を見せながら、「かぐや」プロジェクトの説明をする。
△講師の話を聞きながら、アルコールロケットへの関心を高める。
展開
(25分)
4.アルコールロケットの仕組みを知り、ロケットを飛ばす。
◎アルコールロケットの仕組みを説明する。

◎ロケットを飛ばす約束を確認する。

△班ごとに飛ばす方向と発射の順番を決め、アルコールロケットを飛ばす。
・ロケットを飛ばす方向を確認する。

・入れるアルコールは数滴にすることや、発射台の扱い方をおさえる。

・発射の際はカウントダウンをすることを約束させる。
まとめ
( 5分)
5.班の代表者で、的当てゲームを競う。

6.「飛ぶ」シリーズのまとめをする。
△班で1人ずつ、うまく飛ばせる人を選び、「かぐや」の月面ポスターに向かって、月面着陸をイメージしながらアルコールロケットを飛ばす。
・月面着陸をイメージさせたり、全員でカウントダウンをして皆で発射を楽しむようにする。

授業の感想・メモ

  • アルコールロケットは、プチロケット以上に迫力があり、児童には大変好評でした。ただし、人数に対する発射台数が少なく(7~8人に1台)、1人1回がやっとだったのが残念でした。
  • 「かぐや」の月面ポスターに向かってロケットを飛ばすゲームも、月面着陸をイメージできたり、的が明確になり、大いに盛り上がりました。
  • 威力がある分、約束をきちんと守らせることや、場所の問題(校庭が使用不可。理科室で実験)がありました。できれば、もっと広い場所で飛ばしてみたいと思いました。
  • 「飛ぶ」シリーズの最終回として、宇宙教育センター・遠藤純夫先生に専門的な立場から直接ご指導いたけたことは、子どもたちもより宇宙への関心が高まったように感じました。

東京都・立川市立柏小学校

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