授業連携

エキサイティング・サイエンスI

群馬県・群馬県立高崎女子高等学校

  • 高等学校
  • 高1
  • 探究

概要

<全授業を通した指導目標>

宇宙開発を題材として、人間と自然・科学技術とのかかわりについて考察するとともに、倫理観や社会性を配慮しながら、科学技術に対する総合的な見方や考え方を養う。

<対象>

高校1年生 329名

<期間>

平成19年6月26日、7月10日

<区分>

SSH(スーパーサイエンスハイスクール)

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
120分
講義
329名
講師紹介(20分)
「宇宙と現代社会」(100分)
講師:的川 泰宣(JAXA宇宙教育センター長)
2
90分
講義
106名
分野別講義(1)
「ひろがる宇宙観 ~太陽系と、もうひとつの太陽系~」
講師:阪本 成一
(JAXA宇宙科学研究本部 対外協力室 教授)
3
90分
講義
51名
分野別講義(2)
「宇宙を使う・学ぶ・遊ぶ」
講師:神武 直彦
(JAXA情報・計算工学センター 主任開発員)
4
90分
講義
108名
分野別講義(3)
「Space Activity & International Cooperation」
講師:松本 聡(JAXA国際部 国際課 主事)
5
90分
講義
62名
分野別講義(4)
「私たちがここにいる秘密」
講師:平林 久(JAXA宇宙教育センター 参与)
6
155分
見学

講義
41名
筑波宇宙センター 施設見学ツアー(75分)
◆意見交換会・職員によるプレゼンテーション
「JAXAの概要・事務系業務の紹介など」(20分)
講師:岸 詔子(JAXA宇宙教育センター 主査)
講義
「宇宙輸送系(ロケット関連)業務について」(20分)
講師:白石 紀子
(JAXA宇宙基幹システム本部H-IIBプロジェクトチーム 開発員)
講義
「宇宙開発を支える基盤技術について」(20分)
講師:山田 知佐
(JAXA総合技術研究本部電源技術グループ 開発員)
講義
「国際宇宙ステーション・宇宙実験について」(20分)
講師:吉崎 泉
(宇宙科学研究本部ISS科学プロジェクト室 主任研究員)
ディスカッション
◆職員との意見交換会
支援:浅野 眞・宮原 有香 

第1回目/全2回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
宇宙開発の歴史を追いながら研究開発に対する先人たちの熱意と今後の宇宙教育について紹介し、現在の宇宙技術による成果と今後の宇宙開発に求められていることをあげる。宇宙を中心にさまざまな角度から人類の課題を明確にする。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
                     
導入
(15分)
・50年前の社会事情と宇宙開発

・宇宙開発の分野紹介
◎スプートニックについて

◎50年前 時代・技術の違い

◎天文学最前線

◎宇宙開発と現代社会

◎宇宙開発と国際連携

◎宇宙と生命観
展開
(50分)
・宇宙活動の背景と動機

・宇宙開発競争

・宇宙計画

・宇宙開発に向けての技術の使い道

・人々の暮らしへの貢献

・宇宙開発と教育

・宇宙の生い立ちと生命観

・いのちのトライアングル
◎宇宙への憧れが技術向上につながる

◎飛行の歴史

◎資本主義と社会主義の宇宙開発

◎静止衛星

◎電磁波の分析、地球と宇宙の環境

◎昔と今の宇宙観

◎「気象衛星」「通信衛星・放送衛星」「航行衛星」「地球観測衛星」

◎国や地域の宇宙教育を連携し支援を拡大

◎生命誕生の環境要因、宇宙の構造と進化

◎生命を基準にした価値観

◎全ての研究開発において必要な精神
まとめ
(25分)
・質疑応答
△電気と電磁波は何が違うのか。

△もし月に行けたら何を研究開発してみたいか。

△ダークマターとは何でできているのか。

授業の感想・メモ

  • パワーポイントにより写真や図を提示しながら、限られた時間の中で内容が濃い講演であった。理系文系を問わず生徒にとって宇宙観や天文学に興味・関心を抱かせ、私たちの生活は宇宙からの恩恵も大いに受けていることを知ることができた。今回は次回の分野別講義の足がかりにもなっており、宇宙に対する疑問や探求について新たに考えるきっかけとなった。

講師:JAXA宇宙教育センター長 的川泰宣 先生

第2-1回目/全3回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
『ひろがる宇宙観 ~太陽系と、もうひとつの太陽系~』
現在の太陽系の姿をとらえ、それをもとに太陽系外惑星、そして宇宙について探る。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
                       
導入
(10分)
・講義の概要
展開
(70分)
・見えない光で宇宙をさぐる

・見えてきた太陽系の姿

・太陽系誕生のドラマ
◎電磁波をとらえ、宇宙を探査する。
(可視光スペクトル、X線、紫外線、赤外線、ミリ波、電波)

◎地球型惑星、巨大ガス惑星、巨大氷惑星について

◎隕石を調べる

◎太陽系外の惑星系を調べる
まとめ
(10分)
・質疑応答

授業の感想・メモ

  •  講演後、活発な質疑が出され、終了後も講師の先生のまわりに質問をしたい生徒の列ができるほどであった。興味をかりたてられた生徒が多かったことを物語っている。

JAXA宇宙科学研究本部 対外協力室 教授  阪本 成一 先生

第2-2回目/全3回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
『宇宙を使う・学ぶ・遊ぶ:宇宙開発とデジタル社会』
身の回りで役だっている宇宙利用の成果を取り上げ、宇宙を身近に感じる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
                        
導入
(10分)
・講義の概要
展開
(70分)
・宇宙を使う
(天気予報、災害援助、カーナビ、衛星放送、宇宙遊泳)

・宇宙を学ぶ
(ロケット、人工衛星、宇宙ステーション)

・宇宙を遊ぶ
◎オゾン量計測、GPSの活用、衛星通信、
 宇宙環境利用、惑星探査

◎ロケットが飛ぶ仕組み
◎技術試験衛星(きく7号)
◎科学衛星(はやぶさ)
◎宇宙ステーション(日本のユニット:きぼう)

◎インターネット活用(SETI.Google Earth)
◎JAXAコズミックカレッジ、宇宙センター見学紹介
まとめ
(10分)
・質疑応答

授業の感想・メモ

  • 宇宙開発を身近な話題と結びつけ、わかりやすく講演してくださり、生徒もよく理解できたようである。講義後も数人の生徒が質問をしていた。

JAXA情報・計算工学センター 主任開発員 神武 直彦 先生

戻る

第2-3回目/全3回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
『Space Activity & International Cooperation』
宇宙開発が国際政治や国際経済といった分野といかに関わっているか、論点を探る。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
                       
導入
(10分)
・講義の概要
展開
(70分)
・国際協力の手段とその目的

・今後の日本の宇宙開発の目指すべき姿

・宇宙探査
◎現在の日本の宇宙開発における海外機関との協力

◎宇宙開発と国際連携の持つ意味

◎日本の将来の月、惑星探査戦略を国際協力の観点で考える。
まとめ
(10分)
・質疑応答

授業の感想・メモ

  • 日本の宇宙開発における国際協力や国際理解について理解を深めることができた。

JAXA国際部 国際課 主事 松本 聡 先生

第2-4回目/全3回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
『私たちがここにいる秘密』
物質の歴史や、宇宙・生命の誕生とその歴史をたどっていく中で、宇宙科学を探る。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
導入
(10分)
・月の大きさ

・月までの距離
△月の大きさを考える。

△月までの距離は地球何個分か考える。

△光の速さではどのくらいの距離か考える。
展開
(70分)
・太陽系、太陽系外の星

・地球の誕生と生命

・宇宙カレンダー

・星の一生

・宇宙と銀河
◎太陽系内惑星の大きさと距離

◎太陽系外惑星の紹介

◎隕石の衝突と大絶滅

◎私たちの体を作っている元素のルーツは星にある。

◎宇宙の歴史における生命誕生の時間

◎超新星爆発による中性子星とブラックホール形成
まとめ
(10分)
・質疑応答
△ブラックホールとはどのようなものか?

授業の感想・メモ

  • 宇宙の誕生から現在まで、生命の誕生を交えたわかりやすい講義であった。特に、太陽系内の惑星の大きさを身近なもので説明していたため、生徒にとって興味深かったことであろう。

JAXA宇宙教育センター 参与 平林 久 先生

戻る

第3回目/全3回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
・センター内の施設を見学することにより、宇宙開発の研究開発現場を理解する。
・JAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究開発現場ではたらく女性職員を、自らのロールモデルとしてとらえさせ職業感の形成を促す。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
                     
導入
(75分)
・筑波宇宙センター内の展示室、宇宙ステーション試験棟等を見学する。
△解説員による解説を受け、積極的に質問をし疑問を解消する。
展開
(80分)
・「JAXAの概要・事務系業務の紹介など」をテーマに、女性職員より講義を受ける

・「宇宙輸送系(ロケット関連)業務について」をテーマに、女性研究者より講義を受ける

・「宇宙開発を支える基盤技術について」をテーマに、女性者研究者より講義を受ける

・「国際宇宙ステーション・宇宙実験について」をテーマに、女性研究者より講義を受ける
△それぞれの講義に対する質疑応答。
まとめ
(30分)
・小グループに分かれてのディスカッション
△全体を4グループに分け、4名の講師が10分弱ごとにグループを変わりながら、現在関わっている仕事や進路決定の動機などについて意見交換を行う。

授業の感想・メモ

  •  「エキサイティングサイエンスl」で2回講義を受けていたため、予備知識があり、興味関心を持って熱心に講義を聴き、質問も活発に行うことができた。特に、講義の後のディスカッションはグループ当たりの人数が少ないこともあり、積極的に質問の手を上げる姿が多く見られた。生徒にとって将来の職業選択を考える大きな指針になったと考えられる。

JAXA宇宙教育センター 主査 岸 詔子 先生

JAXA宇宙基幹システム本部H-IIBプロジェクトチーム 開発員 白石 紀子 先生

JAXA総合技術研究本部電源技術グループ 開発員 山田 知佐 先生

JAXA宇宙科学研究本部ISS科学プロジェクト室 主任開発員 吉崎 泉 先生

群馬県・群馬県立高崎女子高等学校

授業連携実績一覧

このページのTOPへ