授業連携

最先端科学技術から学ぶ課題解決力養成講座

東京都・東京都立八王子東高等学校

  • 高等学校
  • 高3
  • 総合的な学習の時間

概要

▲4月23日「科学衛星・探査機を作る」講義の様子

<全授業を通した指導目標>

最先端技術に触れ、現在解明されている事やこれからの課題を明確にさせ、
1.「自分に今できること」を考えさせ、社会貢献に対する考え方や行動力を育成する。
2.「課題解決に必要なこと」を大きな視点から眺め、提案として解決策を示させ、論理的な課題解決力の育成をはかる。また、その課題を解決するためには今の自分には足りないもの(知識・技能等)は何かを考えさせ、今後学習させていく(学習の動機付け)と共に、それを学べる環境(大学等の進路)についても探らせることで、自己の進路を明確にさせていく。

<対象>

高校3年(26名)

<期間>

平成20年4月23日~平成20年9月24日

<区分>

総合学習の時間

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
50分
事前授業
25名
ガイダンス
2
50分
講義
25名
「科学衛星・探査機を作る」
講師:山村 一誠
(JAXA宇宙科学研究本部赤外・サブミリ波天文学研究系 准教授)
※専門家の講義をもとに見識を広めさせ、衛星設計コンテストのための参考とさせる。
3
50分
講義
25名
「宇宙利用の現状と可能性」
講師:曽根 理嗣
(JAXA宇宙科学研究本部宇宙探査工学研究系 准教授)
※専門家の講義をもとに見識を広めさせ、衛星設計コンテストのための参考とさせる。
支援:岸 詔子・宮原 有香
4
50分
授業
25名
衛星設計コンテストミッション第1次案発表会
5
50分
講義
25名
ミッション検討作業へのアドバイス
指導:野田 篤司
(JAXAシステムズエンジニアリング推進室ミッションデザイン支援グループ 技術領域リーダ 主幹開発員)
※班員ごとに作成したアイデアを各班で1つにまとめていく。
支援:浅野 眞・岸 詔子・宮原 有香
6
50分
授業
25名
ミッション検討作業へのアドバイス
指導:野田 篤司
(JAXAシステムズエンジニアリング推進室ミッションデザイン支援グループ 主幹開発員)
※専門家を招いて、各班のアイデアについて意見をいただき、最終的なアイデアをまとめる機会とする。
支援:浅野 眞・岸 詔子・宮原 有香
コンテスト応募
7
50分
授業
25名
衛星設計コンテスト結果報告会

第1回目/全7回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
1.現在、運用されている科学衛星の把握
2.科学衛星の意義、目的の理解
3.未来の科学衛星の展望

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
講師紹介
展開
(40分)
科学衛星について
◎講師による講義

△聴講
まとめ
(5分)
衛星設計コンテストへ向けて

授業の感想・メモ

  • 地学を学習しない生徒たちにとって、科学衛星のデータから得られた地球や他の惑星の情報は新鮮だったらしく関心を寄せていた。

第2回目/全7回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
1.現在、運用されている実用衛星の把握
2.実用衛星の意義、目的の理解
3.未来の実用衛星の展望

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
講師紹介
展開
(40分)
実用衛星について
◎講師による講義

△聴講
まとめ
(5分)
衛星設計コンテストへ向けて

授業の感想・メモ

  • 宇宙利用の現状と開発裏話などに生徒は興味をいだいていたように感じた。

第3回目/全7回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
1.各グループのミッション把握
2.問題提議
3.これからの課題

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
衛星設計コンテストへ向けて
展開
(40分)
ミッション発表&検討会
◎ミッションに対する評価

△ミッション発表
まとめ
(5分)
衛星設計コンテストへ向けて

授業の感想・メモ

  • ミッション報告会の感想
    1.壮大なスケールを考えることは難しい
    2.過去にやられていないアイデアを出すには訓練が必要

第4回目/全7回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
1.各グループのミッション把握
2.問題提議
3.これからの課題

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
衛星設計コンテストへ向けて
展開
(40分)
ミッション発表&検討会
△ミッション発表

◎講師によるアドバイス
まとめ
(5分)
衛星設計コンテストへ向けて

授業の感想・メモ

  • ミッション作成のポイント
    1.自分の領域で勝負する
    2.やりたいことをアピール

第5回目/全7回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
1.各グループのミッション把握
2.問題提議
3.これからの課題

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
衛星設計コンテストへ向けて
展開
(40分)
ミッション発表&検討会
△ミッション発表

◎講師によるアドバイス
まとめ
(5分)
衛星設計コンテストへ向けて

授業の感想・メモ

  • ミッション作成のポイント
    1.自分の領域で勝負する
    2.やりたいことをアピール

第6回目/全7回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
1.各グループのミッション把握
2.問題提議
3.これからの課題

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
衛星設計コンテストへ向けて
展開
(40分)
ミッション発表&検討会
△ミッション発表

◎講師によるアドバイス
まとめ
(5分)
衛星設計コンテストへ向けて

授業の感想・メモ

  • ミッション作成上の留意点
    1.過去のミッションを知ること
    2.人類への影響や倫理上の問題を考えること

第7回目/全7回>『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>
1.衛星設計コンテスト結果報告
2.反省会
3.今後の抱負

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
前回までの活動を振り返って
◎活動の履歴を振り返る
展開
(40分)
結果発表

結果をふまえての反省会
◎講評

△反省
まとめ
(5分)
今後の抱負
△発表

東京都・東京都立八王子東高等学校

スタッフブログ

2008年04月23日 「もやもや」を形にしていこう 八王子東高校の挑戦

東京の八王子東高校に行ってきました。

新規の連携要請をいただき、3年生前期の総合的な学習の時間での連携プログラムが始まりました。

当初の案では、講義を聴いて小論文を書く、というものだったのですが、担当の先生と打合せをさせていただいた結果、方針が変更し、「衛星設計コンテスト(ジュニア部門)への応募を目標に定めたい!」というプランになりました。

JAXAも主催者の一員となっている「衛星設計コンテスト」は、元々は大学院生・大学生・高専生向けだったのですが、数年前から高校生を対象としたジュニア部門が設けられています。

八王子東高校の総合学習では、複数の講座の中から希望の講座を選択するのですが、26人の生徒さんたちがJAXA連携講座を選んでくれました。
どうもありがとう!

授業の様子1

とはいえ、衛星設計? ミッションを考える??

そんなのいきなりやれと言われても、それは確かにムズカシイ。ごもっともです。

まずは、どんな衛星があるのか、どんな役割(ミッション)を担っているのか、それを知らなきゃ始まらない。

ということで、この日は「科学衛星講義編」。

JAXA宇宙科学研究本部で「あかり」などの観測データを使って赤外線による天文観測の研究をされている、山村先生に 「科学衛星いろいろ」についてお話していただきました。

なぜ、宇宙に行く(あるいは観測・探査機を運ぶ)のか? 宇宙空間だからこそできることとは?

画像
▲左は可視光による画像、右は「あかり」による赤外線観測画像。
  おなじみのオリオン座も、こんなに違って見えてきます。
 (この画像の詳しい解説は、コチラをどうぞ)

実際の観測画像や、黒体放射の解説なども交えながら、講義は進みます。

授業の様子2

「ミッションってさ、やりたいことと色んな制約のしのぎ合いなんだよね」
少しずつ、ミッションを考えていく上でのヒントが得られてきたかも。

あれもこれもやりたい、でも全部は持っていけない、さて何を削る?どう効率よくしていく?どんな組み合わせがいいのかな?何かを削っても実現したいことってなに?そのことで何が得られる?それは、どんなことに役立つ?

これって、何も衛星のことを考えるときだけじゃないですよね?
たとえば、社会に出て何か新製品を生み出すときだって、きっと同じようなプロセスを歩むはず。

もやもや〜っと漠然としたところから、頭を悩ませ、知恵を絞って少しずつ形作っていく経験は、ちょっとしんどいかもしれないけれど、普段の学校の勉強とはまた一味違った醍醐味が味わえると思います。

そして、それは学校の勉強とは決して無関係なものではなく、学んだことをいかにして結びつけていくか、ということでもあります。

そして本日の講義の締めくくりは、これ!

授業の様子3

「あのね、宇宙研では、『君が作る宇宙ミッション(きみっしょん)』ってのを、毎年夏にやってま〜す!ぜひいらっしゃい!」

「きみっしょん」の世話役でもある山村先生、ちゃっかり、いやもとい、しっかり宣伝しておられました!

来週の授業では、今度は実利用衛星編を学び、その後はいよいよアイデアを出していく作業に入ります。

あまりあーだこーだとJAXAが口出して、高校生らしい発想を消したくないので、我々もほどよい距離を保ちながらサポートしていく予定です。

授業連携実績一覧

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