授業連携

山陰海岸ジオパークで大地について学ぼう

兵庫県・美方郡新温泉町立浜坂東小学校

  • 小学校
  • 小6
  • 総合的な学習の時間

概要

<全授業を通した指導目標>

 地元の山陰海岸ジオパークを観察することにより、大地の構成物やでき方について興味をもち、各自の課題解決に向け学習を進める。その際、それぞれの事物・現象に対し実感を伴った理解を図るため、地元施設「山陰海岸ジオパーク館」や「おもしろ昆虫化石館」などの活用を図る他、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の協力を得ながら、鳥瞰的視野で大地の変化を捉えられるようにする。
 また、大地の変化については、水の働きだけでなく、火山活動や地震によっても大きく変化することを学習した上で、山陰海岸ジオパークを構成する火成岩等についても関心を広げさせるとともに、阪神淡路大震災等の自然災害と関連づけて調べたり、自然環境を大切にし環境保全に寄与する態度を養う。

<対象>

小学6年生 17名

<期間>

平成21年6月29日~平成22年1月28日

<区分>

総合学習の時間

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
01
6月18日
90分
授業
17名
山陰海岸ジオパーク館社会見学「山陰海岸ジオパーク構想とは?」
02
7月1日
45分
授業
17名
山陰海岸の地質的特長を考える(総合)
03
10月14日
半日
観察
17名
堆積層の現地調査及び山陰海岸の観察/「おもしろ昆虫化石館」で化石の学習
04
10月15日
45分
授業
17名
観察記録やボーリング資料を活用し、地層の構成物やその積もり方、広がり方について考える。
05
10月16日
45分
授業
17名
地層に含まれる火山灰について調べ、粒の特徴をとらえ、地層のでき方について自分なりの考えをもつ。
06
10月19日
45分
授業
17名
「山陰海岸ジオパーク館」で観察した岩石について思いだし、地層のでき方について自分なりの考え方をもつ。
07
10月21日
90分
授業
17名
地層のでき方を流水のはたらきと関連付けて考え、実験して確かめる。
08
10月23日
45分
授業
17名
化石を観察したりして、化石のでき方や化石からわかることを考え、調べる。
09
10月28日
45分
授業
17名
山陰海岸ジオパークを構成する多彩な地質的財産について調べ、火山活動によりできた岩石等についても調べる。
10
11月5日
90分
授業
17名
今までの学習を生かしながら、山陰海岸ジオパーク形成過程(日本列島誕生過程)について調べ、まとめる。
11
11月16日
90分
授業
17名
今までの学習を生かしながら、山陰海岸ジオパーク形成過程(日本列島誕生過程)について調べ、まとめる。
12
90分
講義
111名
『宇宙的視野でふるさとを見つめてみよう』
講師:谷垣 文章
(JAXA有人宇宙環境利用ミッション本部 宇宙環境利用センター員)
※「国際宇宙ステーション」に携わる地元但馬出身の講師(谷垣文章氏)を招聘し、時間的・空間的にダイナミックで夢のある話を聞くことで、地球規模で起こる大地の変化を身近なこととして捉えたり、地球規模で起こっている環境問題に対し、自分の足元からどのような行動が起こせるのかを考える機会にする。
13
12月7日
45分
授業
17名
阪神淡路大震災について調べよう
KOUBEルミナリエ開催に伴い、阪神淡路大震災について調べるとともに、災害を身近なことと捉え、普段の備えについて考える。
14
1月8日
45分
授業
17名
とびだす画像を使って山陰海岸の地形特性を確認する。また、人工衛星技術と防災について学習する。
15
1月14日
45分
授業
17名
兵庫県CGハザードマップによる災害危険区域の確認。
16
90分
授業
17名
土木事務所の方々と災害安全マップづくり及び、防災学習会
17
1月18日
45分
授業
17名
海上保安庁の方々による沿岸部における防災対策の説明

第12回目/全 回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

地元出身のJAXA職員の方から、時間的・空間的にダイナミックで夢のある話を聞くことで、地球規模で起こる大地の変化を身近なこととしてとらえたり、地球規模で起こっている環境問題等に対し、自分の足元からどのような行動が起こせるのかを考える機会にする。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
【講師紹介】
・講師の仕事について 等
◎:講師の紹介する。

△:講師紹介を聞きながら、必要なことはメモをとる。
・児童が親しみをもって話を聞けるよう、講師と事前に十分な打ち合わせをしておく。
展開
(60分)
【講演会】
・講師による自己紹介
・宇宙飛行士について
・宇宙ステーションについて
・宇宙ステーションでの実験について
・宇宙開発について
・宇宙から見た地球と環境問題について
・今後の宇宙開発の可能性について
△:講演を聞きながら大切なことはメモをとる。

△:講演中の発問について答える。

◎:講演会の記録を撮る。
・会場にスペースシャトルの模型を展示するなど、児童が興味を抱くための会場設営をしておく。
まとめ
(25分)
【質疑応答】
・「どこからが宇宙になるんですか。」
・「なぜ、スペースシャトルは宇宙にいけるのですか。」
【おもしろ科学実験】
・ロケットを宇宙へ飛び立たせるための基礎となる科学実験
△:参加者全員が輪になり、チューブ管を持つ。

◎:管の先を、水のはったバケツに入れておく。

◎:着火担当である講師のサポートをする。

△:実験により、発射に応用される科学反応について知る。
・すべての児童に、実験へ参加した実感をもたせるため、児童の配置に留意する。

授業の感想・メモ

  • 谷垣さんは、「未知は、誰も知らないからおもしろい。」と語ってくれました。その時、ぼくは、谷垣さんの大きな「夢」を感じました。
  • 今、北極の氷が減っていることも教えてもらいました。明日から、電気を大切に使うなど、ぼくができることをやっていきたいです。
  • 今日の講演会で、宇宙開発には、ぼくの想像を超える努力や経験、苦労などがたくさんあることがわかった。とても勉強になった。
  • 谷垣さんのお話が大変興味深く、あわただしい日常に埋没している身としては新しい視点で地元を見ると大変新鮮でした。大人向けの講演会としても 大変聞き応えがありました。(保護者)
  • 宇宙講演は、浜坂のことも教えてもらってよかったです。実験もすごかったです。(保護者)

第16回目/全 回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

地域の地形・地質的特徴や砂防等について調べ、地域の災害特性について知るとともに、災害に強いまちづくりへの関心を高める。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
【フィールドワークのふりかえり】
・遠足で歩いたり、とびだす画像(JAXA提供)で確認した山陰海岸の地形的特徴を発表する。
・おもしろ昆虫化石館等で学習した、堆積層が多い地質的特徴について確認する。
◎:遠足やフィールドワーク等で撮影した映像や資料を提示する。

△:とびだす画像に書き込んだ地形的特徴を発表する。
・遠足で体験した、起伏に富んだ地形や、昆虫化石を含む地質が、地域の災害特性に大きく影響を与えていることに留意しておく。
展開
(40分)
【砂防について学ぶ】
土木事務所の方々から地域の土砂災害から暮らしを守る砂防について話を聞く。
・土石流、崖崩れ、地すべりについて
・雪崩災害、火山災害について
・土石流を防ぐ砂防ダムのしくみ
・崖崩れを防ぐ擁壁工と落石防護柵工
・地すべりを防ぐ集水井工と杭工
・砂防のソフト対策
・但馬地域の砂防対策の現状
・土砂災害が多い理由
(急斜面、急流河川、降水量、氷ノ山や鉢伏山等の火山灰、堆積層等)
・災害から身を守る方法について
◎:司会進行をし、難しい言葉はわかりやすく解説をする。

△:話を聞きながら大切なことはメモをとる。

△:分からないことについて質問をする。
・事前に学習している内容を土木事務所の方々に連絡をし、十分に打ち合わせをしておく。

・砂防対策は、専門的内容があるので、事前に子ども向けの冊子を活用し、概略を説明しておく。
まとめ
(35分)
【災害安全マップの作成】
・前時に兵庫県CGハザードマップで確認した地域の災害危険区を、子ども向けの災害安全マップに示す。
△:校区の鳥瞰図(JAXA提供)とシール等を用意する。

◎:山間部、田園部、沿岸部のグループに分かれる。

◎:それぞれの災害特性がわかりやすく示されるよう、災害安全マップを作成する。
・災害危険区域を示すだけでなく、どのような防災対策が行われているかも記すように支援する。

授業の感想・メモ

  • とびだす画像を見ながらだと、山陰海岸が、鳥取の方に平地が多くて、私たちの地域には山が多いことがよくわかりました。
  • 土木事務所の方々に、土砂災害の話を聞いて、はじめはこわかったけど、いろんな対策をしてもらっているので少し安心しました。
  • ぼくたちの地域には大きな川がないので、洪水などの心配はあまりないけど、土石流などの危険性はあることがわかりました。
  • 災害に備えてわたしたちにできることは、ふだんから災害に関心をもっておくことだと教えてもらいました。家族にも、教えてあげようと思います。

兵庫県・美方郡新温泉町立浜坂東小学校

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