授業連携

私たちの宇宙-私たちの周りのものや地域と宇宙とのつながりを知り、国際宇宙ステーションと交信しよう-

長野県・小諸市立小諸東中学校

  • 中学校
  • 中1
  • 中2
  • 総合的な学習の時間

概要

<全授業を通した指導目標>

 宇宙についてや宇宙と自分たちの関係に全く気ずかずにすごし、時間に追われて夜空を見上げることも多くなくなってしまった地方の子どもたちに、国際天文年である今年に、ぜひ宇宙について興味関心を高めるとともに、地方でほとんどその機会がない、宇宙飛行士や宇宙という職業を選んだ人に実際にお会いして直接お話をするという貴重な体験をすることや、宇宙に関する個人テーマを追求していくことを通して、自分自身の夢や目標を設定し、それに向かって努力することの大切さを理解できることを目指す

<対象>

中学1年生38名、2年38名 合計76名

<期間>

平成21年5月21日~平成21年11月13日

<区分>

総合学習の時間

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
100分
講義
150名
『宇宙全般についての講義』
講師:阪本 成一
(JAXA宇宙科学研究本部宇宙科学情報解析研究系 教授)  
支援:松岡 均
2
1日
見学



講演
76名
【午前】
JAXA臼田宇宙空間観測所の訪問、国立天文台野辺山の見学、講演

【午後】
佐久市子ども未来館の見学、講演
3
50分
授業・演習
38名
日食の観測
※部分日食を生徒が望遠鏡などを使って観測し、太陽の動きや日食で欠けていく部分の変化を観測する。
4
120分
見学
30名
うすだスタードームの見学、講演
5
9月17日
20分
発表
76名
これまでの講座の内容を生かして、文化祭で全校生徒に向けて、ステージ発表をする。個人追究テーマについて調べたレポートや模型の制作展示などをする。(生徒)
6
100分
講義
76名
『国際宇宙ステーションでの生活とお仕事』
講師:広浜 栄次郎
(JAXA宇宙教育センター 室長)

第1回目/全6回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

これから学習する宇宙について、基礎的な全般の知識を知り、これから各自で決めて追究していくテーマをみつける。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・講師紹介


・本時の趣旨説明
◎ワークシートを配布する。

◎講師紹介をする。
◎本時のお話を元に、各自の追究テーマを考えるということを伝える。
・スクールコンタクトに向けて、宇宙とはどのようなものか、またそこから各自で追究していくテーマをみつけるということを伝える。
展開
(80分)
講義
・宇宙全般について
・電波天文学について
・「月」の見方、お国それぞれ
・Mitakaを使った宇宙旅行
・中学生の頃、夢、目標について
・「自分で考えよう」
△初めて知ったことを中心に、メモを取る。

△疑問に思ったことや、もっと知りたいことをメモしておく。
◎宇宙の膨大な広さと時間について、生徒に理解させる。
・宇宙旅行をするソフトは、滅多に見られない貴重なものであるので、しっかり見てメモを取るように伝える。
まとめ
(15分)
・質疑応答
△疑問に思ったことを、質問する。

◎お話を聞いて分かったことを、後で、整理してまとめることを伝える。

授業の感想・メモ

  • 宇宙はとても広く限りがないということに、とても驚きました。宇宙には銀河系があって、その中にはたくさんの星が集まっていて、その銀河系のような物が、今分かっているだけでも1000億もあるなんて、本当にびっくりしました。
  • 自分の視点を変えることで、月にいろいろな模様を見つけることが出来るのは、面白いことだと思いました。
  • 分かりやすく見せてくれたので、宇宙はとてつもなく広いんだと分かりました。まだ光の届かない先には何があるんだろうと、もっと宇宙について知りたくなりました。
  • 最後の「自分で考えよう」というメッセージに感動しました。「他人と違う自分を大切にしよう」というのも、今の自分に当てはまることで、これから考えていこうと思いました。

第2回目/全6回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

地元の観測施設や科学館を訪問して、どのような活動をしているのかを知る。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
1日
・JAXA臼田宇宙空間観測所 見学

・国立天文台 野辺山

・佐久市子ども未来館

第3回目/全6回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

月と地球と太陽の動きを知って、日食を観測する。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
授業・演習
(50分)
雲が出て、見えなかったので、簡単な説明の後で、テレビの中継番組を見ました。

日食の終わる最後の昼過ぎになって、一瞬雲の切れ間から、少しだけ欠けている太陽を見ることが出来ました。

授業の感想・メモ

  • 歴史的な瞬間を、はっきりと見ることができなくて残念だったけれど、少しだけ見えたので、良かったです。
  • 次の皆既日食の時には、同級会を開いて、みんなで見てみたいと思いました。

第4回目/全6回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

実際に、天体望遠鏡で星を見て、身近に感じることが出来る。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
・講師紹介

・本時の趣旨説明
◎講師紹介をする。
・地元の観測施設にある大型望遠鏡で、実際に星を見るのは、貴重な体験であることを伝える。
展開
(100分)
・天体望遠鏡についての説明

・望遠鏡で、星を見てみる。


(曇が出てきて、中止)
・星の写真を見る。
△天体望遠鏡について、知識を知る。

△実際に、天体望遠鏡で、星を見る。

△星の写真を見ながら、天文についての話をお聞きする。
・貴重な望遠鏡の扱い方について注意する。

・譲り合って、スムーズに全員が覗いてみるようにする。
まとめ
(10分)
・感想、質問、まとめ。
△感想や質問などを発表する。

授業の感想・メモ

  • ほんの少しだったけれど、月を見ることが出来て良かったです。
  • 近くにあるのに、全く知らなかった。天気の良い時に、また来たいです。

第6回目/全6回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

・宇宙教育センターの広浜栄次郎先生から、ISSについてや宇宙飛行士とその生活についてのお話を聞くことで、ISSや宇宙飛行士について知り、スクールコンタクト時の質問づくりの資料収集をすることができる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・講師紹介


・本時の趣旨説明
◎ワークシートを配布する。

◎講師紹介をする。
◎本時のお話を元に、宇宙飛行士への質問を考えるということを伝える。
・スクールコンタクトに向けて、宇宙にあるISSとはどのようなものか、またその生活を知ることで、宇宙飛行士へどんな質問をすればよいかのヒントを得るということを伝える。
展開
(80分)
講義
・生命について
・なぜ宇宙ステーションが必要か。
・ISS建造
・スペースシャトル
・ISSでの生活(ビデオ)
・宇宙飛行士になる条件
△初めて知ったことを中心に、メモを取る。

△疑問に思ったことや、もっと知りたいことをメモしておく。

◎宇宙飛行士には、高い知識と技能だけでなく、人との協調性が必要であることを、生徒に理解させる。
・ビデオは、若田さんの宇宙教室の中から、特別に編集して下さった貴重なものであるので、しっかり見てメモを取るように伝える。
まとめ
(15分)
・質疑応答
△疑問に思ったことを、質問する。

◎お話を聞いて分かったことを、後で、整理してまとめることを伝える。
・時間が無くて出せなかった質問は、後でメールでお答え頂く。

授業の感想・メモ

    「なぜこの仕事を選んだのですか」
  • 中学3年の時にラジオで毎日流れるアポロが月に行くニュースを無事着陸できるのかどうかハラハラドキドキ聞いていました。その頃から何となく宇宙の関係の仕事をしてみたいと思い、色々な本を読み始めました。
  • 「この仕事をしていて、大変なことは何ですか」
  • 打上げの時などは深夜勤務や休日出勤などが多くあったりで、結構忙しい毎日ですが大変だと思ったことはあまりないように思います。好きな仕事だと大変だと思わないのかもしれません。だたし、色々なことに対応するため自分が知らないことが当然あるわけで、学ぶということは、一生続くものだと思います。なるべく多くのことをやるためには、なるべく早い段階から色々なことを勉強することが重要だと思います。
  • 「宇宙飛行士と身近な仕事で良かったことは何ですか」
  • 同じJAXAの職員ということで、宇宙飛行士の方々からも、そういう付き合いをして下さいといわれますが、そういわれても全く同じというわけにはいきません。しかしお互いの立場とか異なる専門分野の観点から、お互いに学びあうという意識はあります。いわゆるギブアンドテイクですが、それでも宇宙飛行の実体験談に勝るものはなく、そういう話を裏話も含め直接詳しく聞けるというのは、身近にいてよかったと思います。
  • 「宇宙人はいると思いますか」
  • 確たる科学的証拠がない現在では、人によって意見が異なります。私の考えは、地球は生命にとって奇跡的な惑星とはいえ、我々の銀河系には2000億ともいわれる星があり、その銀河が宇宙には1000億もあるといわれています。確率的には地球のような星があってもおかしくないと思いますが、他に無しというのも完全に否定できません。宇宙は広すぎて、現在の技術では光でさえ、太陽に一番近い隣の星まで4年かかってしまいます。ですから今の段階でどちらかに決めるのではなく、観測技術が進歩して毎日毎日新しい発見があるわけで、それを楽しみに色々想像したり、お友達と議論するのがいいと思います。

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