授業連携

宇宙の歴史

長崎県・長崎大学教育学部附属中学校

  • 中学校
  • 中2
  • 中3
  • 総合的な学習の時間

概要

<全授業を通した指導目標>

宇宙の始まりやその広がり、宇宙開発にかかわる最新の知見に触れさせることで、科学を学ぶことの有用感を持たせたり、人間の存在について考えさせたりする。

<対象>

中学2、3年生 85名

<期間>

平成21年9月9日~平成21年9月28日

<区分>

総合学習の時間

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
100分
講義
40名
『宇宙の歴史、ビッグバンから私たちまで』
講師:平林 久先生 (JAXA名誉教授)
2
100分
授業
40名
関連事項の学習及び振り返り 支援:黒谷 明美
3
100分
講義
45名
『宇宙の歴史、ビッグバンから私たちまで』
講師:平林 久先生 (JAXA名誉教授)
4
100分
授業
45名
関連事項の学習及び振り返り
5
100分
講義
60名
『惑星探査の最前線』
講師:佐藤毅彦
(JAXA宇宙科学研究本部宇宙プラズマ研究系/教授)
6
100分
授業
60名
関連事項の学習及び振り返り
7
100分
講義
65名
『惑星探査の最前線』
講師:佐藤毅彦
(JAXA宇宙科学研究本部宇宙プラズマ研究系/教授)
8
100分
授業
65名
関連事項の学習及び振り返り

第1回目/全8回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

「宇宙の進化」
宇宙のはじまりとはどのようなことか、ビッグバンから物質、空間の生成について最新の知見に触れさせる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
宇宙の始まりについての生徒のとらえ方を見直させるとともに、われわれがここに存在するわけを考える時間とすることを伝える。
◎宇宙から見た地球の写真などを見せ、宇宙の始まりについて考えていく意欲を持たせる。
手書きのヨーロッパ地図が何に見えるかなどの質問によって、生徒の緊張をほぐすとともに、興味を持たせる。
展開
(80分)
講師の話を聞き、宇宙の始まりや宇宙の謎、宇宙という広がりから見た地球について知る。
◎次のような視点で講義する。

1.地球の大きさを月や太陽等の身近なものとの比較から考え、宇宙の広がりを実感させる。

2.星が光るわけ、星の一生、ブラックホールの存在等について説明する。

3.銀河系の大きさや距離、宇宙の膨張の証拠等の事実について説明し、私たち生命体が地球に存在するわけを考えさせる。
身近なものとの比較により生徒が理解しやすいように、要点を絞って説明する。
まとめ
(10分)
本時の学習で考えたことをまとめる。
◎今日の授業で考えたり感じたりしたことをまとめてみよう。

授業の感想・メモ

  • 地球と太陽の大きさを比較する際、スクリーン上で2段階で地球が小さくなる様子には、大きな驚きがあった。また、光の速さなど、生徒が漠然としか速さを知らないものに関しての話や、ブラックホールなど、生徒がこれまで耳にしながらも詳しくしらなかった用語についての解説もあり、宇宙に対する理解が深まったと考える。

第2回目/全8回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

太陽系の広がりや、太陽の大きさ、太陽から放出されるエネルギーの大きさを実感せるとともに、私たちの存在について考えさせる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
本時の学習内容を知る。
◎地球を直径1cmの球だとすると、太陽や惑星の大きさ、それぞれの天体間の距離は、どれぐらいになるか問いかける。
展開
(75分)
太陽の大きさや太陽系の広がりを実感する。
△計算によって、地球を直径1cmの球だとしたときの、太陽や惑星の大きさ、それぞれの天体間の距離を求める。

△地球を直径1cmの球としたときの惑星の大きさを、実物大の大きさを見ることで実感する。

△身近な場所を示した地図上に、天体の軌道を示す。
△運動場で、天体間の距離を実感する。
基本的なデータを示したワークシートと計算機を配付する。

紙粘土や身近なもので、それぞれの惑星の大きさを示す。
太陽は、フィットネスボールの大きなもので大きさを示す。

メジャーで測定し、それぞれの距離に、地球を直径1cmの球としたときの惑星のモデルを置く。天体間を歩かせるとともに、地球を直径1cmの球としていることを思い出させ、太陽系の広がりを考えさせる。
まとめ
(20分)
私たちの存在を考えさせる。
◎太陽から放出される莫大なエネルギーのほんの一部や、それが蓄積された化石燃料などによって私たちの生活が成り立っていることに目を向けさせる。

△講義や活動を通して、感じたことや考えたことを、振り返り用紙に記入する。

授業の感想・メモ

  • 太陽の大きさに合う物が見あたらず、フィットネスボールの大きい物を使用した。直径が109cmもなかったため、生徒に太陽の大きさを実感させるには、小さかったと思う。あくまでも、地球を直径1cmの球としたときということをしっかり押さえておかないと、歩いたときに意外と近いと感じる生徒が出るかも知れない。数字だけで考える学習より、実感を伴うため、太陽系の広がりを考えさせる上で、有効な学習であったと考える。

第3回目/全8回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

「宇宙の進化」
宇宙のはじまりとはどのようなことか、ビッグバンから物質、空間の生成について最新の知見に触れさせる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
宇宙の始まりについての生徒のとらえ方を見直させるとともに、われわれがここに存在するわけを考える時間とすることを伝える。
◎宇宙から見た地球の写真などを見せ、宇宙の始まりについて考えていく意欲を持たせる。
手書きのヨーロッパ地図が何に見えるかなどの質問によって、生徒の緊張をほぐすとともに、興味を持たせる。
展開
(80分)
講師の話を聞き、宇宙の始まりや宇宙の謎、宇宙という広がりから見た地球について知る。
◎次のような視点で講義する。

1.地球の大きさを月や太陽等の身近なものとの比較から考え、宇宙の広がりを実感させる。

2.星が光るわけ、星の一生、ブラックホールの存在等について説明する。

3.銀河系の大きさや距離、宇宙の膨張の証拠等の事実について説明し、私たち生命体が地球に存在するわけを考えさせる。
身近なものとの比較により生徒が理解しやすいように、要点を絞って説明する。
まとめ
(10分)
本時の学習で考えたことをまとめる。
◎今日の授業で考えたり感じたりしたことをまとめてみよう。

授業の感想・メモ

  • 地球と太陽の大きさを比較する際、スクリーン上で2段階で地球が小さくなる様子には、大きな驚きがあった。また、光の速さなど、生徒が漠然としか速さを知らないものに関しての話や、ブラックホールなど、生徒がこれまで耳にしながらも詳しくしらなかった用語についての解説もあり、宇宙に対する理解が深まったと考える。

第4回目/全8回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

太陽系の広がりや、太陽の大きさ、太陽から放出されるエネルギーの大きさを実感せるとともに、私たちの存在について考えさせる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
本時の学習内容を知る。
◎地球を直径1cmの球だとすると、太陽や惑星の大きさ、それぞれの天体間の距離は、どれぐらいになるか問いかける。
展開
(75分)
太陽の大きさや太陽系の広がりを実感する。
△計算によって、地球を直径1cmの球だとしたときの、太陽や惑星の大きさ、それぞれの天体間の距離を求める。

△地球を直径1cmの球としたときの惑星の大きさを、実物大の大きさを見ることで実感する。

△身近な場所を示した地図上に、天体の軌道を示す。
△運動場で、天体間の距離を実感する。
基本的なデータを示したワークシートと計算機を配付する。

紙粘土や身近なもので、それぞれの惑星の大きさを示す。
太陽は、業務用バルーンで大きさを示す。

メジャーで測定し、それぞれの距離に、地球を直径1cmの球としたときの惑星のモデルを置く。天体間を歩かせるとともに、地球を直径1cmの球としていることを思い出させ、太陽系の広がりを考えさせる。
まとめ
(20分)
私たちの存在を考えさせる。
◎太陽から放出される莫大なエネルギーのほんの一部や、それが蓄積された化石燃料などによって私たちの生活が成り立っていることに目を向けさせる。

△講義や活動を通して、感じたことや考えたことを、振り返り用紙に記入する。

授業の感想・メモ

  • 業務用のバルーンを使ったことにより、太陽の大きさを、より実感させることができた。あくまで、広い地球を直径1cmの球としたときということをしっかり押さえておかないと、歩いたときに意外と近いと感じる生徒が出るかも知れない。数字だけで考える学習より、実感を伴うため、太陽系の広がりを考えさせる上で、有効な学習であったと考える。

第5回目/全8回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

国際宇宙ステーションや人工衛星が地球に落ちてこないことを科学的に追究する活動を通して、身近な現象を科学的に追究する姿勢を養う。また、惑星探査の歴史や探査機開発にかかわる話を聞くことにより、技術開発の裏に隠された人々の苦労を感じとる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
本時の学習内容を知る。
◎スペースガイドを配付し、ISSの高度や速度に関して書かれている記事に疑問を持たせる。
展開
(85分)
実験を通して、ISSが地球の周囲を回り続ける原理を考える。
△非弾性球(ハネナイト)を使って、物体が自由落下するときの法則性を導き出す。

◎さまざまな高さから球を落とし、地面に着くまでの時間を測定する実験を行う。

◎導き出された法則がISSに当てはまるのか検証する。

△惑星探査の歴史や火星探査の成功率を知る。
生徒を使って実験を行う。


結果をグラフ化することで、関数が導き出されやすくする。
まとめ
(10分)
講師の方の思いを知る。
△PLANET-C計画やそのための苦労を知る。

授業の感想・メモ

  • 実験結果を基に自由落下の法則を導き、ISSに関する記事が本当かどうかを検証するという流れが、生徒にとってたいへん分かりやすかった。生徒の感想にも、物が落ちるという現象と人工衛星等が地球の周りを回り続けるという現象が結びついて納得したようすが感じられるものが多かった。自由落下の法則を考える際、脚立を準備したが、2階から落とすなど、実験のスケールを大きくできるとより分かりやすかったかも知れない。

第6回目/全8回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

「探査機を動かそう」
小型ロボットを指示通りに動かす活動を通して、ロボット工学やプログラミングに興味を持たせる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
本時の活動を知る。
◎本時の活動内容を伝える。
方向を変えながら動くロボットを示し、学習意欲を高める。
展開
(60分)
小型ロボットの動き方をプログラミングし、設定したコースを動かす。
◎プログラムの作成手順を説明する。

△班員と協力しプログラミングを行う。

△作成したプログラムで設定されたコースどおりに動くか確認する。

△プログラミングを試行錯誤する。

△新たなコースにチャレンジする。
机間指導をしながら、生徒の制作状況を把握する。

小型ロボットはあらかじめ組み立てておく。

できるだけ少人数の班になるよう、パソコン等の機材をそろえておく。
まとめ
(30分)
講師の先生による講義と本時をまとめて、振り返りを行う。
◎ロボットの開発やプログラミング技術の進歩が災害救助等でも生かされていることも想起させる。

△講義や活動を通して、感じたことや考えたことをまとめる。
感想用紙に記入する。

授業の感想・メモ

  • 今回、新しいタイプのロボが4台導入されたため、昨年より台数の確保はできたものの、受講人数が多くなってしまったため、一台あたりの人数は昨年と変わらなかった。人数制限を行い、一台あたりの人数を少なくしたり、すべてのコースを制覇するのにかかる時間を競わせたりすると、生徒の目的意識も高まりよいのではないかと考える。選択教科等多くの時間が確保できる際に、組み立てから生徒にさせたり、さまざまな機能を加えてプログラミングさせると面白いと感じた。

第7回目/全8回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

国際宇宙ステーションや人工衛星が地球に落ちてこないことを科学的に追究する活動を通して、身近な現象を科学的に追究する姿勢を養う。また、惑星探査の歴史や探査機開発にかかわる話を聞くことにより、技術開発の裏に隠された人々の苦労を感じとる。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
本時の学習内容を知る。
◎スペースガイドを配付し、ISSの高度や速度に関して書かれている記事に疑問を持たせる。
展開
(85分)
実験を通して、ISSが地球の周囲を回り続ける原理を考える。
△非弾性球(ハネナイト)を使って、物体が自由落下するときの法則性を導き出す。

◎さまざまな高さから球を落とし、地面に着くまでの時間を測定する実験を行う。

◎導き出された法則がISSに当てはまるのか検証する。

△惑星探査の歴史や火星探査の成功率を知る。
生徒を使って実験を行う。


結果をグラフ化することで、関数が導き出されやすくする。
まとめ
(10分)
講師の方の思いを知る。
△PLANET-C計画やそのための苦労を知る。

授業の感想・メモ

  • 実験結果を基に自由落下の法則を導き、ISSに関する記事が本当かどうかを検証するという流れが、生徒にとってたいへん分かりやすかった。生徒の感想にも、物が落ちるという現象と人工衛星等が地球の周りを回り続けるという現象が結びついて納得したようすが感じられるものが多かった。

第8回目/全8回『授業記録シート』

<今回の授業の指導目標>

「バブロケットを遠くまで飛ばそう」
ロケットが飛んでいく原理にふれさせ、理解させるとともに、より遠くまで飛ばす課題解決をとおして、探究に必要な能力の伸長を図る。

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
本時の活動を知る。
◎バブロケットを演示し、製作することを伝える。

△ロケットの飛ぶ原理を考え、より遠くに飛ばすことに関係する要素を考える。
生徒が質問しやすい雰囲気をつくる。
展開
(60分)
バブロケットを製作し、飛ばす中で、飛ぶ原理、安定性、飛距離等を工夫していく。
◎バブロケット製作の材料を及び製作手順を説明する。

△ロケットの製作を行う。

△ロケットを飛ばす。

△自分が製作したロケットの飛ぶ様子を観察し、工夫できる点を考え、加工し、再度飛ばして、ロケットが飛ぶ仕組みについて考える。
机間指導をしながら、生徒の制作状況を把握する。
まとめ
(30分)
講師の先生による講義と本時をまとめて、振り返りを行う。
△工夫した点やその結果などをレポートにまとめる。

◎ロケットの開発を通して、さまざまな技術や材料が開発され、私たちの生活にも活用されていることを伝える。

△講義や活動を通して、感じたことや考えたことをまとめる。
ワークシートにまとめさせる。

授業の感想・メモ

  • 人数が多く、準備が大変だった。しかし、実際のロケットと同じ原理で飛ぶ、バブロケットの製作、発射実験に大変興味を持って真剣に考えながら工夫している姿が見られた。この講座を通して、ロケットの飛ぶ仕組みや飛行の原理を学ばせたいというねらいからして、期待する生徒の姿に達したといえる。最後に記録会などを行う時間が取れると、生徒達の目的意識もさらに高まり、良いのではないかと考える。

長崎県・長崎大学教育学部附属中学校(1)

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