<全授業を通した指導目標>
JAXAなどの宇宙開発の最先端の研究者の方から直接講義をお聞きし、実験実習で実際の宇宙開発で使われる技術を体験してみることで、宇宙開発への興味関心を高め、試行錯誤学習を通して科学の楽しさを味わってもらいたい。
また、日本の宇宙開発へのあこがれをもち、自分たちも目指せるのだというキャリア学習の一端としたい。
<対象>
中学3年生 7名
<期間>
平成23年7月31日~平成23年8月6日
<区分>
- SPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)
授業連携
福井県・越前市立武生第二中学校
JAXAなどの宇宙開発の最先端の研究者の方から直接講義をお聞きし、実験実習で実際の宇宙開発で使われる技術を体験してみることで、宇宙開発への興味関心を高め、試行錯誤学習を通して科学の楽しさを味わってもらいたい。
また、日本の宇宙開発へのあこがれをもち、自分たちも目指せるのだというキャリア学習の一端としたい。
中学3年生 7名
平成23年7月31日~平成23年8月6日
回 |
実施日 |
時間 |
形式 |
人数 |
授業内容 |
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1
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7月31日
|
300分
|
講義 実験 実習 |
7名
|
●モデルロケット協会との連携講座
○モデルロケットについての講義 ○モデルロケットの製作、打ち上げテスト ○モデルロケット定点着地競技と表彰、講師の方のご講評 |
2
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300分
|
講義 実験 実習 |
6名
|
●JAXAとの連携講座
○人工衛星や探査機の着陸方法についての講義 講師:斉藤 一哉 (JAXA) ○着陸方法としての衝撃吸収の仕組みについてとエッグドロップ競技の説明 ○エッグドロップ競技のための機体の製作実習 ○前回のモデルロケットのノーズ部分に担体を乗せての打ち上げ ○エッグドロップ競技と表彰、講師の方のご講評 |
時間配分 |
学習内容 |
◎教師の活動 △生徒の活動 |
指導上の留意事項 |
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導入 (10分) |
・JAXAについての紹介 ・講師の方の研究についての紹介 |
△JAXAというものがどういう機関なのかを、良く分かっていない生徒に対して、理解を深めることが出来た。 △講師の方への親近感がわいた。 |
専門的な用語や、未履修範囲の知識などについては、教員からの、簡単な解説を入れたり、講師の方への質問を入れたりなど、分かる内容にするための注意が必要。 |
展開 (250分) |
・火星探査機や月面のサンプル回収の仕組みを例に挙げ、機体の着陸の仕組みについての講義 ・着陸のための仕組みを学ぶための実験として、エッグドロップについての説明と過去の競技から学ぶ成功へのカギ。 ・エッグドロップ競技に向けて、講師の方からアドバイスをいただきながら、参加生徒による機体の製作。 ・校舎3階から中庭テニスコートに向けて機体を落とし、卵を割らずに回収できるかの競技 ・前回製作したモデルロケットのノーズコーン部分にうずらの卵を担体として搭載し、ロケットを飛ばして卵を割らずに回収できるかの機体の製作。 ・うずらの卵を搭載したモデルロケットの打ち上げと機体の回収。 |
△前回は、地球上の重力や空気抵抗をどのようにして克服して、宇宙空間に物体を輸送するかについて学んだが、今回は、宇宙にある物体をどのようにして目的達成させるかについて、学ぶことができた。 △エッグドロップが卵を高いところから落とし、いかに衝撃を吸収した装置を作製し、割らずに回収するかを工夫する競技であることを知った。 △何度も実際に落として試行錯誤する時間がなかったため、過去の競技を見せてもらうことで、参加生徒同士でどのような機体の工夫が必要かのキーワードをディスカッションすることができた。 △製作している機体の目標や、工夫点などを講師の方とディスカッションしながらものづくりすることができた。 △イスや机の上から落としてテストするなど、実際の落ち方や重心などをチェックする生徒も見られた。 △競技では互いに風や、落ちる場所などを考慮して本番に臨むことができた。 △友人の機体の回収を手伝ったり、自分たちの結果を議論しあったりと、お互いに協力・関心を持ちながら活動することができた。 △競技の結果を受けて、今度はガチャガチャのケースにうずらの卵を搭載した変形ノーズコーンでモデルロケットを飛ばし、無事回収できるかの競技に向けて機体を製作した。エッグドロップの際からは物体の体積制限と、ロケット自体の重心を考えねばならず、制約のなかでの新しい工夫となった。 △実際にロケットを飛ばし、パラシュートで回収した。うずらの卵の割れやすさなど、にわとりの卵とは違った挙動に生徒は、原因を議論しあうことができた。 |
安全な着地のための機体の仕組みがどのように宇宙開発に使われてるか、などのエッグドロップ競技の意義を理解することが必要。 ただ、やみくもにつくったり、自分本位にならず、他人や講師の方の意見を取り入れながら、自分なりの考えで機体を製作できるか、アドバイスや考えの流れを整理する支援を行う。 互いの結果に興味を持ち、自分の結果を比較して、共通することなどの見つけ出す力を支援する。 ある程度の制限のある空間でどのように先ほどの結果を利用できるかなどを考えながら、前回製作した自分のロケットで打ち上げを行い、実際の探査機の打ち上げと同じような応用実習であることを意識付けたい。 |
まとめ (20分) |
・エッグドロップ競技の成功者への表彰とそれぞれの機体への良かった点、改良点などの講評。 ・モデルロケットへのうずらの卵搭載機体での制約の中での工夫点についてのアドバイス ・JAXAの宇宙開発についての質疑応答と、講師の方がどのように今の研究をされることとなったかの、体験談。 |
△JAXAについての質問や、宇宙開発について日ごろ疑問に思っていたことなどを、質問することができた。 △講師の方が生徒と年の近い、研究者の方だったので、親しみやすく質問することができた。 △キャリア教育的な視点から、どのような学習や分野の研究をして宇宙開発に携わる仕事についていくのかなどについて、知ることができた。 |
宇宙開発はロケットをつくるだけではなく、医学や生物学、化学の分野など自然科学全体につながる分野であり、今回の体験を通して、生徒がどのように自己実現していくかの一端となってほしい旨を、付け加える。 |
福井県・越前市立武生第二中学校