授業連携

宇宙飛行士養成講座

神奈川県・横浜市立南高等学校附属中学校

  • 中学校
  • 中1
  • 高1
  • 高2
  • 高3
  • 総合的な学習の時間

概要

<全授業を通した指導目標>

宇宙に進出する事業の意義を理解して「宇宙から地球を見る視点」を養い、宇宙や国際社会で活躍するリーダーを育成する。また、さらには将来の宇宙飛行士を養成することを目標とする。

<対象>

中学1年生:160名、高校1~3年生の希望者:15名

<期間>

平成24年7月27日~12月28日

<区分>

総合学習の時間

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
180分
見学
14名
JAXA相模原キャンパス見学
特別公開を利用して、探査機の成果やロケット開発を知る。引率教員が展示内容をかみ砕いて中学1年生にもわかる説明を行う。
2
120分
授業
175名
宇宙旅行説明会
講師:鈴木 和哉(JAXA)、浅川 恵司(旅行社)
本校ホールにて宇宙飛行士として宇宙に行く方法と、観光用宇宙船で行く方法を映像を使って解説する。生徒代表と講師の対談も行う。
3
100分
プラネタリウム授業
30名
宇宙と宇宙旅行
本校のプラネタリウム施設を利用した授業。
様々な天体や宇宙の姿を知り、現在の宇宙船と未来の宇宙船を考える。
4
330分
講義・実習
19名
JAXA筑波宇宙センター
講師:鈴木 和哉(JAXA)
国際宇宙ステーションきぼう管制センター見学と宇宙飛行士になるための講義・実習。

第1回目/全4回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(10分)
・安全上の注意。
・本日の予定とJAXA相模原キャンパス(宇宙科学研究所)の概要の説明。
◎引率教員2名で生徒の安全指導を行う。
◎本字の予定と相模原キャンパスの概要と展示内容を説明する。
△生徒たちはこれから始まる見学に期待し、熱心に説明を聞く。
・車いすを使用している生徒の安全に留意する。
展開
(160分)
・SELENE(かぐや)、はやぶさ、ひので、れいめい、イカロスの展示を見る。
・あかり、すざくの展示を通して、赤外線天文学、X線天文学の成果を知る。
・イオンエンジンの青い光を見る。
・探査ロボットのデモンストレーションを見る。
・ハイブリッドロケット、プラズマロケット、再使用ロケット、イプシロンロケット、火星飛行機等のロケット開発技術を見る。
◎はやぶさ等の探査機や探査機の成果についすて展示の内容をかみ砕いて、中学1年生にもよくわかるように説明する。また、適切に質問して考えさせるようにする。
◎宇宙科学研究所とNASDAのロケット開発の歴史を照らし合わせて、ロケットの展示を説明する。
△イオンエンジンの青い光、本物や模型の展示を見て感動する。
・途中で必要に応じて十分な休憩をとる。
・熱中症を予防するため、十分に水分をとらせる。
まとめ
(10分)
・M-Vロケット実機の前で、JAXA相模原キャンパスで学んだことを振り返る。
・次回の講座の予告をする。
・帰路の安全上の注意を与える。
△長時間にわたる見学であるが、元気でロケットのノズルをのぞき込んでいる。さらに次回の講座に期待している様子である。
・帰路につく前に十分休ませる。

第2回目/全4回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・2人の講師の紹介。
◎生徒たちに「宇宙へ行きたい人は手を挙げて」と呼びかける。
△大半の生徒が手を挙げる。
◎講師を紹介する。
・会場を学校のホールとし、音響、照明、プロジェクター等の機器を用意する。
展開
(100分)
・JAXAと旅行社のコラボによる宇宙旅行の説明。
・前半は、JAXA,鈴木和哉氏による国際宇宙ステーション、宇宙飛行士等の説明。
・後半は、旅行社の浅川氏による現在計画進行中の宇宙旅行プランや近未来の宇宙旅行の説明。
◎パワーポイントと映像を使いながら、中学生にもよくわかるように説明した。適切に繰り返し発問し、生徒の反応を見ながら進めていく。
△生徒たちは、熱心に説明を聞き、発問に対して積極的に答えていた。
・前半と後半の間に休憩を入れる。
・パワーポイント、映像は、プロジェクターでホールのスクリーンに投影した。
・宇宙船発射の映像では、音響を大きめ目に調整して、迫力あるエンジン音を生徒に聴かせた。
まとめ
(15分)
・生徒代表と講師の対談。
△中学生代表4名がステージに上がり、2名の講師と対談する。生徒たちは次々に質問する。
◎講師は生徒の質問に丁寧に答え、逆に生徒たちに質問する。
・生徒と講師が対談しやすいようにステージ中央にイスを配置する。
・対談の始まりと終わりに司会が適切なアナウンスを入れる。

授業の感想・メモ

  • 講師らの熱意が生徒の心に響いたと思われる。講座を終わって、生徒たちの振り返りシートを見てみると、多くの生徒たちが宇宙に行くつもりになっていた。当初の「生徒たちの心に火をつけて、宇宙に行く気にさせる」という目標はかなり達成できたようである。

第3回目/全4回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(40分)
・本校プラネタリウム室にて、プラネタリウム(GOTO GE-II)による星空の投影を鑑賞する。
・星座、金環日食、ふたご座流星群、惑星、赤道直下の星空などを見る。
・本校プラネタリウム室にて、プラネタリウム(GOTO GE-II)による星空の投影を行う。
・星座、金環日食、ふたご座流星群、惑星、赤道直下の星空などを投影する。
・プラネタリウムは当日夜の星空を投影できるように調整する。
・適切なBGMとアナウンスで関心を高めるように工夫する。
展開
(50分)
・プラネタリウムのドームスクリーンに映し出されたパワーポイントの映像を見て、星空の観測の仕方や基本的な天文の知識を学ぶ。
・JAXA宇宙教育センターからお借りしたDVDを鑑賞して、最先端のJAXAの宇宙開発の技術と活動を知る。
・パワーポイントの映像を見て、世界の現在のロケットや国際宇宙ステーションときぼうについて学ぶ。
・近未来に計画されている月や火星などへの有人宇宙飛行や宇宙船の開発について学ぶ。
・プラネタリウムのドームスクリーンにプロジェクターを用いてパワーポイントの映像を投影し、星空の観測の仕方や基本的な天文の知識を学ばせる。
・JAXA宇宙教育センターからお借りしたDVDを上映して、最先端のJAXAの宇宙開発の技術と活動を理解させる。
・パワーポイントを使って、世界の現在のロケットや国際宇宙ステーションときぼうについて紹介する。
・パワーポイントを使って、近未来に計画されている月や火星などへの有人宇宙飛行や宇宙船の開発について学ばせる。
・あらかじめ、プロジェクターとノートPCを用意しておく。
・JAXA宇宙教育センターのご協力で、現在のJAXAの活動を紹介するDVDをお借りした。
・途中に10分ほどの休憩を入れる。
まとめ
(10分)
・パワーポイントの映像を見て、未来の恒星間宇宙飛行と相対性理論を知り、未来の宇宙飛行を考える。
・パワーポイントの映像を見て、未来の恒星間宇宙飛行と相対性理論による時間の短縮等を理解させ、本講座の内容を振り返りながら、未来の宇宙飛行を考えさせる。
・相対性理論については、時間の短縮についてのみ扱い、理解しやすくする。
・ワープ航法にも触れる。
・BGMと映像で未来への夢を喚起させるよう工夫する。

第4回目/全4回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(20分)
・筑波宇宙センターに到着し、HIIロケット(実機、一部レプリカ)を見る。
・筑波宇宙センター内での注意事項とスケジュールを確認する。
・センター内入構手続きを行い、許可証を各自身につける。
・HIIロケットについて説明する。
・筑波宇宙センター内での注意事項とスケジュールを確認させる。活動の場所を指し示して説明する。
・JAXA宇宙教育センターの方の誘導で、センター内入構手続きを行う。
・事前にガイダンスを開いたり、往路の貸し切りバスでJAXA宇宙教育センターからお借りしたJAXA紹介DVDを見せておく。
展開
(300分)
・総合開発推進棟の会議室を会場として、JAXA職員 鈴木和哉氏に「宇宙飛行士になるために」をテーマに講義をしていただく。
・パワーポイントによる「国際宇宙ステーション、宇宙飛行士になるための資質、募集要項、試験、訓練、日本の宇宙船開発、なぜ宇宙を目指すのか」等について学ぶ。本物の宇宙食を見る。
・JAXA職員食堂の利用体験を行う。
・宇宙飛行士候補者試験の内容から「鏡を使った実習」と「形を言葉で伝達する実習」を体験する。
・プラネットキューブを見学する。
・国際宇宙ステーション・きぼう管制室の見学に参加する。
・10月13日の第2回授業「宇宙旅行説明会」の講師のJAXA職員 鈴木和哉氏に、「宇宙飛行士になるために」をテーマに講義して頂く。
・10月13日の第2回授業を振り返って、国際宇宙ステーションときぼうについて説明して頂いた後、宇宙飛行士候補者試験を受験された経験に触れながら、宇宙飛行士について解説していただく。
・鈴木氏がなぜ宇宙を目指すのかを、ご自身の体験をもとにお話いただく。本物の宇宙食を見せる。
・JAXA職員食堂で昼食をとらせ、JAXAで働く人々を身近に感ずる体験をさせる。
・宇宙飛行士候補者試験の内容から「鏡を使った実習」と「形を言葉で伝達する実習」を行う。
・プラネットキューブを見学させる。
・国際宇宙ステーション・きぼう管制室の見学に参加させ、本物の管制室や人工衛星を見せる。
・事前に下見を行い、JAXA宇宙教育センターの方や講師と打合せを行っておく。
・講義はJAXA宇宙教育センターの方が補助してくださった。
・JAXA職員食堂と管制室見学は事前予約が必要である。
・生徒の健康管理と会場移動等の引率を教員が行う。身体障害を持った生徒については、事前にセンターの方と打ち合わせし、車いすをお貸し頂くなど配慮して頂いた。
まとめ
(10分)
・講義や体験・見学を通して得た学びを整理する。
・帰路についての注意事項を確認する。
・講義や体験・見学を通して得た学びを整理させる。
・帰路についての注意事項を確認させる。
・復路の貸し切りバスの手配をしておく。

授業の感想・メモ

  • 本物に出会うことが何よりも生徒のモチベーションを高めることを確信できた。
  • JAXAの方々と生徒たちが直接ふれあうことによって、その熱意が生徒に伝わったように思えた。
  • 今後、さらに授業を宇宙飛行士を目指した実践編へと発展させていきたい。

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