授業連携

月と太陽

三重県・四日市市立笹川東小学校

  • 小学校
  • 小6
  • 理科

概要

<全授業を通した指導目標>

月の位置や形の変化について興味・関心をもち、月の形の見え方と太陽との位置関係から推論して追究し、月の形の見え方が規則正しく変化する理由について考えることができるようにする。また、観察や資料に基づいて、月と太陽の表面の違いを理解するとともに、月や太陽に対する豊かな心情を育てる。

<対象>

小学6年生 31名

<期間>

平成27年9月2日~10月9日

<区分>

教科 (理科(月と太陽))

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
9月2日
45分
授業・観察
30名
・月の写真やこれまでの経験から、月について気づいたことや、疑問に思ったことを話し合う。
2
9月4日
45分
授業・実験
30名
・月の形の見え方が、日によって変わるのはなぜかについて考える。
・月の満ち欠けについて、ボールを月、電燈を太陽に見立てて、実験をおこなう。
3
9月11日
45分
授業
30名
・月と太陽の位置関係から分かることをまとめる。
・日食や月食が起こる仕組みについて考える。
4
9月18日
45分
授業・観察
30名
・月と太陽の表面の様子について写真から分かることを比較しまとめる。
・月と太陽の表面の様子を観察する。
5
9月25日
45分
授業・テスト
30名
・単元のまとめ
6
45分
講義
29名
・人工衛星「かぐや」から撮影した月の写真を見て表面の様子を知る。
・月の見え方の変化や月食のしくみを知る。
・月の内部の研究や太陽系の惑星について興味をもたせる。
講師:岩田 隆浩(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙物理学研究系)
7
45分
講義
30名
・人工衛星「ひので」から観測した太陽の様子について知る。
・太陽の表面(黒点等)の様子と、内部のしくみについて知る。
・金環日食や太陽フレアとその影響について興味をもたせる。
講師:清水 敏文(JAXA 宇宙科学研究所 太陽系科学研究系)

第6回目/全7回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(1分)
・JAXA講師の紹介
・本時の内容を知る。「月の見え方と太陽系のなかまたち」
◎JAXA岩田先生からの自己紹介と本時の流れについての話。
・「月の表面の特徴を見つけよう。」というめあてを知らせておく。
展開
(40分)
・月の見え方と満ち欠けのしくみを理解する。






・スーパームーンや月食のしくみを知る。









・月が誕生した説を聞き、月の調査方法を学ぶ。





・太陽系のなかまについて知る。
◎月の見え方についてのクイズの出題。
△スクリーンの月の写真を見て、月はどれか、満月が昇ってくるときの表面はどれかを考える。
◎月の見た目の大きさクイズ。
△月の見た目の大きさは5円玉の穴と同じくらいだと知る。

◎球と光源を使った満ち欠けの演示実験を行う。
△月の満ち欠けと呼び名を知る。 
◎月食の見え方、皆既月食中の月、今後の月食の予定について説明する。
△月と太陽の位置関係から、月の見え方が変わることを知ったうえで、月食が起こる理由を確かめる。


◎月が誕生した様々な説について説明する。
◎巨大衝突説による月のでき方の説明。
△月誕生の4つの説を聞く。


◎太陽系の惑星(水・金・地・火・木・土・天・海)、衛星、準惑星、小惑星の特徴紹介。
◎はやぶさ・はやぶさ2の紹介。
△かぐや撮影のハイビジョン動画「月面での地球の出、地球の入り」を視聴し、地球の美しさを再確認する。
・児童の経験と照らし合わせて考えさせる。







・興味をもったことや、疑問に思ったことを整理しながら、聞かせる。
まとめ
(4分)
・講義内容に関し質問をする。









<時間外>・ふりかえり用紙に記入する。
△岩田先生の講義を聞いて、疑問点を質問する。
◎質問に答える。
「星は何個ありますか?」、「生き物は水からできたといわれているが・・・?」、「宇宙で食事をすると、無重力だから食べたものが上がってこないのか?」等の質問が5名の児童から出され、岩田先生がわかりやすく答えた。

<時間外>専用のアンケート用紙記入。
・できるだけ多くの児童に質問の機会を与える。









・振り返り活動では、できるだけ具体的に記述させる。

授業の感想・メモ

  • 普段何気なく見ていた月の表面の模様や、見た目の大きさを再認識する良い機会となった。月の表面のうさぎの向きで、月が昇る時か沈む時かがわかること、見た目の大きさは5円玉の穴の大きさと同じくらいだということは、児童にとって身近で分かりやすかった。
  • 教科書に沿った基礎的な学習の後に、JAXAの岩田先生にさらに発展的な内容(月の誕生説・太陽系の惑星・かぐやの調査等)をわかりやすく講義していただいたので、児童の宇宙に対する興味・関心がさらに高まった。
  • 月と太陽の位置関係によって月の形の見え方が変わることを、模型と光源を使って視覚的に示していただき、児童にとって理解しやすかった。
授業の様子1
授業の様子2

第7回目/全7回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(1分)
・JAXA講師の紹介
・本時の内容「太陽の表面と内部の様子」を知る。
◎JAXA清水先生からの自己紹介と本時の流れについての話。
・「太陽の表面や内部の特徴を見つけよう。」というめあてを知らせておく。
展開
(40分)
・人工衛星「ひので」についての話を聞く。





・太陽の表面の様子(黒点やフレア等)について知る。










・皆既日食と金環日食の違いが分かる。







・太陽の内部の様子について知る。
◎人工衛星「ひので」発射の様子を動画で見せる。
△種子島でのロケット発射や「ひので」に搭載されているカメラの位置や大きさを知った。


◎「ひので」が撮影した動画や写真をもとに、黒点やフレアの様子を視覚的に示す。
△「黒点」を詳しく拡大してみると「日本列島黒点」が存在する事、「フレア」は太陽の表面で爆発していることを等を知った。
△太陽が球体であることは知っていたが、表面の活動の様子まで視覚的に確認した。


◎皆既日食と金環日食について説明する。
◎今後の日食が見られる時期を知らせる。
△次回の日食を見ようとする意欲が高まった。


◎太陽の内部の構造や温度について説明する。
△太陽の表面は6000℃だと聞いていたのに、太陽表面と内部はもっと高温だと知った。
△太陽から地球へ様々な影響があることを知った。







・興味をもったことや、疑問に思ったことを整理しながら、聞かせる。










・児童の経験と照らし合わせて考えさせる。
まとめ
(4分)
・講義内容に関し質問をする。










<時間外>・ふりかえり用紙に記入する。
△清水先生の講義を聞いて、疑問点を質問する。
◎質問に答える。
「太陽はいつできたのですか?」、「紫外線が年々強くなっているのはなぜですか?」、「太陽はできたときから熱かったのですか?」等の質問が8名の児童から出され、清水先生がわかりやすく答えた。


<時間外>専用のアンケート用紙記入。
・できるだけ多くの児童に質問の機会を与える。









・振り返り活動では、できるだけ具体的に記述させる。

授業の感想・メモ

  •  清水先生による講義では、「ひので」の映像をふんだんに提示していただき、児童にとっては太陽の未知なる部分を鮮明な映像で確認することができた。教職員による授業では、「太陽の不思議」について遮光プレートでの観察と、資料やインターネットによる調べ学習くらいの方法でしか伝えきれないのだが、今回の授業を通して、「太陽の表面や内部」の知識獲得はもちろんのこと、児童は提示していただいた動画や画像にくぎ付けになり、宇宙や太陽への知的好奇心が高まったと感じる。ノーベル物理学賞を受賞した梶田先生のニュートリノについても解説したいただき、児童は宇宙科学への発展的な学習ができた。
授業の様子3
授業の様子4
授業の様子5

三重県・四日市市立笹川東小学校

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