授業連携

宇宙学

鹿児島県・鹿児島県立楠隼高等学校

  • 高等学校
  • 高1
  • 総合的な学習の時間

概要

<全授業を通した指導目標>

・小惑星探査機「はやぶさ」
小惑星探査機「はやぶさ」に起こったトラブルや成し遂げた功績を知り、「はやぶさ」への関心を高めることで、宇宙への関心も高める。
・イプシロンロケット
革新的なイプシロンロケットについて考えることで、新しいこと(宇宙に限らずあらゆる分野)へチャレンジする意義を考える。
・宇宙太陽光発電
日本・世界のエネルギー事情を知り、その解決策の一つと成り得る宇宙太陽光発電を知ることで、宇宙への関心も高める。
・航空機の飛ぶ原理
航空機の形状などから航空機の飛ぶ原理を理科的に考え、宇宙航空への関心も高める。

<対象>

高校1年生 60名

<期間>

平成27年4月23日~6月30日

<区分>

総合学習の時間

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
4月23日
45分
授業
60名
「はやぶさ」について知っていることを発表する
地球外探査を行う理由を考察する
「はやぶさ」の果たした地球外探査のすごさを考える
「はやぶさ」の功績が我々に何をもたらしたかを考える
2
114分
講義
60名
「はやぶさ」の名前の由来、糸川英夫先生について
「はやぶさ」に起こったトラブルとその対処法について
「はやぶさ」の成し遂げた実績
日本のものづくりの素晴らしさと今後の世界への貢献
講師:的川 泰宣(JAXA 名誉教授)
3
5月14日
50分
授業
37名
ロケット打ち上げやイプシロンロケットについて知っていることを発表する
イプシロンロケットとM-Vロケットの違いを調べる
イプシロンロケットの特徴であるモバイル管制と自律点検について調べる
イプシロンロケットに今後期待されることを考える
4
75分
講義
37名
固体ロケットの遺伝子(チャレンジ精神)
今後期待されるロケットのスタイル(小型・高性能・低コスト)
打ち上げシステムの改革(自律点検とモバイル管制について)
一番大切なのは人の力
講師:森田 泰弘(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系)
5
6月4日
50分
授業
37名
日本のエネルギー課題を考える
電磁波(太陽光を含む)について学ぶ
太陽光発電について知る
宇宙太陽光発電の基礎を知る
6
75分
講義
37名
エネルギーと環境問題
宇宙環境の利用
太陽発電衛星
将来の展望
講師:田中 孝治(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系)
7
6月18日
50分
授業
60名
航空機が飛ぶ際、何が重要か考える
航空機が飛ぶ重要な要素を知る
(「揚力」を生む翼の形状、前方へ進むための推進力を生む仕組み)
運動量について考え、簡単な計算をする
8
75分
講義
60名
航空機について
航空機の飛ぶ原理
将来の航空機
ペーパークラフトの作成
講師:足立 寛和(JAXA 研究開発部門)

『授業記録シート』4月27日

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(7分)
・講師紹介等
展開
(97分)
・日本の宇宙探査の系譜
・「はやぶさ」の打ち上げと名前の由来
・「はやぶさ」に起きたトラブルとその対処
 ○トラブル
  姿勢制御こまの故障,燃料漏れ
  通信途絶,イオンエンジン故障
 ○大好きへのこだわり
  あきらめないこと
 ○ルール違反の舞台裏
  強い信念と倫理の裏付け
・伝えたい2つのこと
 日本人のモノづくりの素晴らしさ
 適度な貧乏と未来への高い志
・はやぶさ2について
・宇宙開発において,今後の日本の姿勢
△講義を聞きながら、メモをとる。
まとめ
(10分)
・質疑応答
 ○「はやぶさ」の打ち上げに使われたロケットは「M-Vロケット」だったが、なぜ「H-IIAロケット」ではなかったのか
△積極的に質問が出ていた。

授業の感想・メモ

  • 「はやぶさ」プロジェクトの舞台裏について知ることができ、とても良かった。それ以外にも,リーダーとはどうあるべきか、 努力がいかに大切であるかということも分かった。
  • 「はやぶさ」の成功の裏には、色々な人の気持ちが込められていて、町工場の人々の努力、色々な人の信念、多くの人の関わりといくつもの奇跡があったことが分かりました。諦めない心、強い信念、僕に足りないものばかりで為になりました。
  • 宇宙に関する話を聞きながら、別の大切なことを学べた。これをきっかけに宇宙について興味を持てそうだ。宇宙のことを知るために星の観察をしたいと思う。

『授業記録シート』5月26日

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・講師紹介等
・内之浦から打ち上げられているロケットの特徴について
△内之浦から打ち上げられるロケットの特徴を答える
展開
(57分)
・固体ロケットの遺伝子
 ○固定観念にとらわれない自由な発想の想像力
 ○失敗を恐れないチャレンジ精神(モバイル管制など)
・日本のロケット開発
 ○糸川先生の世界の先を行くチャレンジ精神
 ○固体ロケットの開発の歴史
・「ひさき」について
 ○ロケット開発の転換点
  (小型・高性能・低コスト)
・宇宙への敷居を下げる
・世界が驚く確信技術
 ○打上システム
  (モバイル管制・自律点検)
・非常識への挑戦(チャレンジ精神)の紹介
△講義を聞きながら、メモをとる。
まとめ
(13分)
・質疑応答
 ○イプシロン2号機はどの程度改良されているのか
 ○打ち上げたジオスペース衛星の役割
 ○オーダーメイドのM-Vロケットについて
△積極的に質問が出ていた。

授業の感想・メモ

  • 固定概念にとらわれない自由な発想の想像力という言葉が印象に残った。イプシロンロケット打上で非常識への挑戦を行った高い日本の技術力に驚いたからだ。
  • イプシロンロケットは、性能の良いM-Vロケットを捨ててコストダウンをすごく意識してつくられた。日本の宇宙開発でよく知られている「はやぶさ」や「イプシロンロケット」は、チャレンジ精神をもとに世界の常識を覆しているのもだ。日本は他国に比べて資金がすごく少ないので、技術力で戦っている。そこから日本のとんでもないチャレンジ精神を知ったような気がした。
  • ロケットに用いられているユニバーサルデザインについて調べてみたい。

『授業記録シート』6月11日

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・講師紹介等
展開
(60分)
・エネルギーと環境問題
 ○埋蔵資源の枯渇,エネルギー消費量
 ○気候変動
 ○太陽のエネルギー量,地上の太陽発電
・宇宙環境の利用
 ○宇宙環境の利用状況
 ○宇宙環境の特徴,スペースデブリ
・太陽発電衛星
 ○原理とエネルギーシステムとしての特徴
 ○開発研究の歴史的流れ
 ○無線送電技術について
・将来の展望
△講義を聞きながら、メモをとる。
△無線送電の演示実験を見る。
まとめ
(10分)
・質疑応答
 ○宇宙からの送電で、光とマイクロ波を使い分けると良いのではないか
 ○宇宙までいかず、雲の上で発電するといいのではないか
 ○24時間発電することは可能か
△積極的に質問が出ていた。

授業の感想・メモ

  • マイクロ波でエネルギーを転送する技術も現状35%の効率を85%まで上げる目標、夢あふれる計画だと思いましたが、この研究が成功したら21世紀のエネルギー問題を大いに緩和すると思い、それを考えたらとてもやりがいのある計画だと思いました。
  • あまり日常生活では意識したことのない電磁波がエネルギー技術において重要な役割をしていることに驚いた。
  • このプロジェクトの無線送電を使った技術は、地上にも応用出来ると思います。いつか電柱がなくなって景観がよくなるのも楽しみです。
  • エネルギー問題は地球内で解決するものだと思っていたが、地球外て問題を解決するという計画を考えつくのはとてもすごいと思った。

『授業記録シート』6月30日

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・講師紹介等
展開
(50分)
・航空機について
 ○航空機の条件,種類
・航空機の飛ぶ仕組み
 ○航空機に働く力とは
 ○空力中心とは
 ○揚力とは(等時間説,作用反作用説,
  空気の渦・循環説)
 ○作用・反作用とは
 ○航空機のエンジン,ロケットエンジン
 ○運動量の計算
・将来の航空機
 ○超音速旅客機
 ○高高度旅客機
 ○再使用輸送機(宇宙往還機)
△講義を聞きながら、メモをとる
まとめ
(20分)
・ペーパークラフトの作成
(空力中心等を考えながら、調整)
△飛行機型のペーパークラフトを作り、飛行実験を行う。空力中心を考え、微調整をする。

授業の感想・メモ

  • 飛行機が飛ぶためには、揚力や推力が必要であることは知っていたが、揚力の生じる仕組みを知って、とてもおもしろく感じた。
  • 実際に紙飛行機を飛ばしてみて、おもりの位置によって飛び方が変わることが分かった。また、飛び方は3パターンしかないことも分かった。
  • ペーパークラフトで飛行機の飛び方が3つあることが分かった。自分が作った飛行機は下向きに飛んでいったので、クリップの位置を移動させたら多少飛んだので嬉しかった。
  • ロケットが高2の学力で作れるということに驚いた。高1の僕には、とうてい無理なことが来年にはできるようになると思うと,信じられない。

鹿児島県・鹿児島県立楠隼高等学校

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