授業連携

宇宙技術を用いた自然災害の解析

宮城県・多賀城高等学校

  • 高等学校
  • 高1
  • その他

概要

<全授業を通した指導目標>

宇宙技術を用いた自然災害の解析をはじめとした自然科学・災害科学の最先端研究について知見を深め,その成果を元に災害理解・災害研究の分野への社会貢献について学習する。また,データ等の活用の仕方など,研究手法について直接研究者から学ぶ機会とする。

<対象>

災害科学科1年生 40名

<期間>

平成29年9月8日~9月29日

<区分>

災害科学

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
100分
授業
40名
・衛星画像の解析
 衛星画像教育用ソフトEISEIを用いて,衛星画像を解析し,地球の変化を捉える。
講師:大木 真人(JAXA第一宇宙技術部門地球観測研究センター)
2
300分
講義・実習・見学
20名
「地球観測の研究について」
「未来の災害に備えた衛星⇔地上システムをデザインする」
1.グループ議論 2.地球観測に関する世界の最新技術 3.議論の仕方
講師:永井 裕人(JAXA第一宇宙技術部門地球観測研究センター)

第1回目/全2回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(15分)
・本時の学習内容の確認
・JAXAの紹介
・衛星の種類と特徴の説明
◎プロジェクタ投影による講義形式
展開
(70分)
・衛星画像教育用ソフトEISEIの基本操作
・衛星画像データの特徴,組み合わせ
・植生指数の計算
・熱赤外線画像の解析
◎画像転送ソフトを用いて,講師の操作を一連で流しながら説明してから,生徒の実習に取り組ませる。
△適宜メモをとりながら,講師の説明に合わせて進めていく。
△様々な解析データの中で興味をもった地点の解析を行う。
・ダウンロードに時間を要しないよう,各PCにデータをあらかじめ置いておく。
まとめ
(15分)
・衛星画像の活用
◎様々な可能性への言及
・9月末に実施するつくば研修での探求活動につながりを持たせ,自然科学や防災の視点の話を入れてもらった。

授業の感想・メモ

  • 必要なデータをあらかじめ各PCのデスクトップ上にダウンロードしておいたことは,当日の学習をスムーズに進行するうえで欠くことのできない要素であった。ダウンロードによる遅延が皆無で,スムーズに取り組めたことは生徒にとっても学習への意欲を全く削がれなかったことの現れでもある。

第2回目/全2回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
見学
(60分)
・スペースドーム見学
◎各展示ごとに研究者の方から説明をいただく。
△見学を通して,興味関心を高める。
△展示や説明から,これからの議論に活かせる部分を見つける。
・事前にJAXA職員の方から授業をしていただいていたため,高い意欲で臨むことができた。
講義・実習
(210分)
1.講義 「地球観測の研究について」
2.実習「未来の災害に備えた衛星⇔地上システムをデザインする」
(1)グループ議論
(2)地球観測に関する最新技術
3.講義・実習「議論の仕方について ブレインストーミングの技術」
(1)JAXA職員(数名)との議論
(2)ディスカッション・発表準備
◎最新の研究について解説する。

◎グループごとの議論が始められるようにコーディネートする。
△グループごとにこれまでの講義や見学,知識を活用して議論する。

◎ブレインストーミングの方法を教える。
△ブレインストーミングを用いて,グループの考えを深化・発展させる。
△JAXA職員の方との議論により,宇宙技術についての興味・関心をより深める。
・通常の授業の中でグループでの話し合いなどをしていたことで,スムーズに話し合いに入ることができた。
まとめ
(30分)
・発表
・講評、まとめ
△グループごとにまとめた研究を発表する。
◎研究者の方から,発表に対する講評・まとめをいただく。

授業の感想・メモ

  • 事前授業とのつながりや災害科学科としての特色を反映して頂いたため,非常に高い意欲で研修に参加できただけでなく,その後の学習意欲の向上にもつながっている。
  • 実際にJAXAの研究施設で,研究者の方々と議論させていただいたことで,興味・関心が高くなることに加え,将来の進路意識の醸成にもつながった。
  • ブレインストーミングの方法を学んだ生徒が中心となって,議論を進める場面が多く見られるようになった。
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