授業連携

宇宙食

山口県・山口県立厚狭高等学校

  • 高等学校
  • 高1
  • 高2
  • 技術・家庭

概要

<全授業を通した指導目標>

1.宇宙での食生活を通して、日常とは違う環境の中での食生活の在り方を考える。
2.宇宙食でも栄養バランスを考えた日本型食生活は可能か検討する。
3.山口県の郷土料理を宇宙食の条件にあうように加工できるか検証する。
4.考えた宇宙食を実際に試食して評価し、今後の研究に生かす。

<対象>

総合家庭科1・2年生 53名

<期間>

平成29年8月31日~平成30年2月20月

<区分>

教科 (技術・家庭科「食文化」)

構成表

実施日
時間
形式
人数
授業内容
1
8月31日
50分
講義
384名
宇宙開発の意義と国際宇宙ステーションでの生活、特に宇宙での食生活について理解する。
50分
講義(実習)
53名
宇宙食と地上食を食べ比べてみて、味、食感など気づいたことをあげ、意見を共有する。宇宙食の試食から、宇宙での食生活において、栄養補給以外の意味について考える。宇宙日本食として認定されるための基準について理解する。
2
1月
授業
53名
課題研究で取り組んだ郷土料理や地元の和菓子などを宇宙食の条件に見合うように加工し、宇宙食として認定されるにはどのような改善を加えたらよいか検討する。
3
50分
発表・講評
108名
生徒課題研究の研究発表、宇宙食試作品の試食、意見交換、講師より講評。
講師:野上 和真(JAXA有人宇宙技術部門宇宙飛行士・運用管制ユニット宇宙飛行士健康管理グループ)

第1回目/全3回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・本時の学習内容の確認
◎本時の学習内容を確認する。
前時の講演会の内容を踏まえて、今後、課題研究や授業で学習している内容について宇宙食に加工することができるか、どのように加工するかを検証していくことを伝える。
展開
(40分)
・宇宙食カレーと地上食カレーを食べ比べ
・どのような違いがあるか意見交換
・宇宙食、宇宙日本食の認定基準について
・ワークシートのまとめ
◎宇宙食カレーと市販カレーを区別できるように配布する。
△グループで食べ比べをする。
△食感、味の違い、パッケージに記載されている原材料や栄養素を見比べての違いについて、グループで話し合いを行い、意見を共有し、まとめる。
◎JAXAより宇宙食の種類、宇宙日本食の目的、認定基準などを説明する。
△カレーの食べ比べで出てきた意見を宇宙食の説明から、なぜそのような違いがあったのか検討し、ワークシートをまとめる。
まとめ
(5分)
・本時のまとめ
◎グループでの話し合いで解決できなかったことはなかったか確認する。
◎今後の活動についての確認する。

授業の感想・メモ

  • 宇宙食は、乾燥したおいしくないもの という先入観が強かったが、宇宙食を試食して地上食とほとんど変わらないか、それ以上においしいと感じたようであった。宇宙食には、飽きずに食べられる工夫や不足する栄養素を補う工夫がされていることに気付き、食べることの栄養摂取以外の意味を確認することができただけでなく、長期間の国際宇宙ステーションでの生活を円滑に送るための食事の必要性に気付いたようである。さらに、宇宙での生活を知ったことで、今後宇宙日本食を考える上でどのように献立や料理を工夫すべきかが理解できた。また、日常生活においても食生活の意義を理解できた。

第3回目/全3回『授業記録シート』

時間配分
学習内容
◎教師の活動
△生徒の活動
指導上の留意事項
導入
(5分)
・前回の宇宙食に関する授業を振り返り、課題研究などで取り組んだことについて発表することを伝える。
◎前回の授業を振り返り、宇宙食について確認する。
展開
(35分)
・宇宙食について発表
 1.非常食から宇宙食へ
 2.「けんちょうコロッケ」の製作と宇宙食への加工について
 3.「寝太郎餅」の復活と宇宙食への加工へチャレンジ
・加工品の試食をする。
・各班で出た意見を発表する。
△発表を聞いて、それぞれの製造と加工について理解する。
△「ふぐ飯」と「コロッケ」の2点について復元、試食し、宇宙食として適切であるかどうか学習したことを踏まえて評価・検討する。
まとめ
(10分)
・JAXA担当者からの講評
・授業アンケートの記入
◎今回の宇宙食の研究について、気づき等を講評する。
△各自が考えた評価と他者の意見などの違いなどを踏まえたうえで、今後学習活動にどのように生かせるかまとめる。

授業の感想・メモ

  • 8月の授業を受けて、1年生は家庭基礎で学習した食分野や防災に関することを生かし、2年生は課題研究で郷土の特産品や料理を加工することを生かして、宇宙食用に長期保存できるようにするためにはどのように加工するべきかなど検討してきた。当日の試食では、「雑煮のようなものも宇宙食にできることに驚いた」や「コロッケはそのままでも戻しても食べられて1つで2種類のおいしさを味わえるので飽きないのでは」、「食をとおして、QOLの向上をテーマに、宇宙でも地上食と同じ質のものを目指して研究をしてきた。課題も多く見つかり、さらに改良を重ね、いつか宇宙食になると嬉しい」などそれぞれがこれからの宇宙日本食の開発の可能性を感じることができた。
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