授業連携
台風と気候の変化について、考えを深めよう
横浜国立大学教育学部附属横浜小学校
- 小学校
- 小5
- 理科
概要
全授業を通した指導目標
目には見えにくく、想像しにくいことを視覚化して理解を促していく。また、資料などによるデータからの読み取りだけでなく、データをもとに思考したり、考えたことを表現し、共有していったりすることを目標とする。
対象
小学5年生 110名
授業連携日
2020年9月28・30日
科目・単元
理科・台風と気候の変化
授業連携
授業連携前
台風10号についての話題を新聞記事で共有する。
授業連携日
9月28・30日
時間配分 | 学習内容・活動 | 児童・生徒の様子 | 教師の役割・活動 |
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導入 15分 |
・本時の学習内容の確認 ・JAXAの活動についての紹介 ・宇宙の範囲などについて |
宇宙に対して漠然とした知識しかもてていない児童が多くいる中で、子どもの宇宙に対するイメージを具体化し、興味をもてるようにお話をしていただいた。お話を聞きながら、子どもが宇宙に対する興味・関心を高めていく姿を見とることができた。 | 問いを解決していくために、どのような心構えでお話を聞くのかを意識化していくよう声がけをした。 |
展開 60分 |
①衛星についての講義。 ②台風の塗り絵。 ③児童の予想や発表。 |
・お話を聞きながら、新たに得ることができた知識をノートにメモをすることができていた。 ・野村さんの問いかけに対して、4人グループになって話し合い、主体的に活動に取り組む姿が見られた。 ・グループで塗り絵をしデータを可視化する。 ・全体で考えを伝え合う。 |
・子どもの姿を見とり、技能面で不安な子がいれば、声がけし支援をした。 ・子どもの話し合いを聴きながら、どのように子どもが考えているのかを見取ることができた。 |
まとめ 15分 |
・台風についてのまとめ。 | ・台風の進路の不規則な変化や、災害を未然に防ぐための工夫について理解を深めることができた。 | 最後のまとめとお礼で授業を終えた。 |
講師:野村 健太(JAXA宇宙教育センター)
授業連携後
台風の発生とその動き方について、今回の連携授業で学んだことをもとにしながら、改めて考えを深めていく。
授業の感想・メモ
- 貴重な映像や資料を交えながら、JAXAでの活動、宇宙空間における様子を詳しく説明をしていただいたのですが、それを聴く子どもたちの表情・姿勢がとっても素敵でした。見たことのない映像を目の当たりにし前のめりになって、興味深く話に聞き入っている子、聴いたことをすぐにメモにとる子、野村さんからの問いかけについて、近くの友達と一緒に話し合い、懸命に考えようとする子など、皆、主体的に学びを得ようとする姿勢をもって臨み、壮大な宇宙の世界に没頭していました。 JAXAならではの専門的な知識と、映像資料を交えた話には、驚かされることばかりでした。
- 展開の場面では、毎日の天気を左右する雲の正体について、問答を交えながら、考えを深めていくことができました。また、ペットボトルを使った実験では、実際に目の前で雲が生み出される様子に、子どもたちはたいへん驚いた表情でした。野村さんのつくった雲に触れようと、必死になって手を伸ばす姿からは、夢中になって学びに向き合う子どもたちの姿が見て取れました。
- 授業後半では、『自分たちが衛星になったら…?』という設定のもと、データを可視化し、台風の発生から推移していく様子について考えを深めていくことができました。子どもたちは、グループで協力し、楽しみながら活動するとともに、自分たちがつくり上げたデータを見比べ、話しあっていく中で規則性を見出したり、気づきを得ていく様子が見られました。
- 台風は一定の進路をたどって動いていくのではなく、不規則に推移しながら、人間の予想できない進路で進むこともあるのだということを昨年の台風のデータを基に教えていただきました。台風のもたらす自然災害の大きさを改めて確認するとともに、それを未然に防ぐためには、データをもとにして予測を立てること。事前に十分な対策を講じることが大切であることを認識することができました。
- 今回の授業で得た経験は、子どもの理科的な見方・考え方の幅を広げていくとともに、たくさんの知識の獲得につながっていったように思います。学校の授業だけでは知りえなかった知識をたくさん教えていただき、たいへん有意義で貴重な時間を過ごすことができました。
- 1日目は、電車の遅延等もありましたが、急な時間変更にも快く対応していただき、たいへんありがたかったです。ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。
- 授業に向けたご準備についても、本当にありがとうございました。今後ともどうぞ、よろしくお願い致します。